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2016.3.29

新入社員から学ぶ「初心忘れるべからず」~無意識的有能の罠~

今日から新入社員研修ラッシュがスタートしました。

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先週まではテキストやワークシート、講義のレジェメ作成に明け暮れる日々でしたが、今日からはしばらく各企業様で登壇させていただく日々が続きます。

このブログも久々の投稿となってしまいましたが、ここ1ヶ月間も気づくこと、学ぶことがいろいろとありました。移動や仕事の合間を見て、更新を再開していきたいです。

 

さて、新入社員研修では各社の新入社員の方々にビジネスの基本的なスキルを教えます。

・ホウレンソウ(報告・連絡・相談)
・ビジネスマナー
・PDCA
・コミュニケーション

などなど。会社勤めで仕事をしていく上では「当たり前」とされていることばかりです。

 

何年も仕事を続けていると、こうした基本的なことは当然身につけているものだと、自分では思いがちになります。

しかし、教材をよくよく読み込んでみると、「できたつもり」になっていることがまだまだあるなと気づかされることが多いです。

 

初心忘れるべからず

 

教える立場になると、我が身はどうかと自ずと振り返ることになります。

「最大の学びは他人に教えること」とも言われますが、講師業をしてると切にそれを感じます。受講生以上に、自分が勉強させていただいている気分になるものです。

お金をいただいて、自分も成長できる。なんとも素敵な仕事だなと思います。

 

学習の4段階

さて、心理学のひとつとして最近よく耳にするNLP(神経言語プログラミング)という理論の中に、「学習の4段階」というものがあります。

人が能力や技術を習得する段階を示したモデルで、下記の順にレベルアップしていきます。

 

1.無意識的無能
知らないのでできない。

2.意識的無能
知っているけどできない。

3.意識的有能
知っていて、意識するとできる。

4.無意識的有能
意識しなくてもできる。

 

このモデルは、車の運転などで考えるとイメージしやすいです。

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運転技術について何の知識もない状態では、当然のことながら車を運転することはできません。これは「無意識的無能」段階です。

教習所に通い始めると、運転についての勉強をはじめます。しかし、どれだけ教本を読み込んで知識を得ても、実際にハンドルやアクセル、ブレーキなどを動かしてみないことには運転ができるようにはなりません。これが「意識的無能」段階です。

学んだことを一つひとつ思い出しながら、実際に車を動かしていくと、ある程度慣れた段階で運転ができるようになります。これが「意識的有能」段階です。

そして、何度も繰り返し練習を続けると、そのうち運転操作を身体が覚えて、いちいち手順を考えなくても自然と運転ができるようになります。「無意識的有能」段階に達したということになります。

 

わざと「無意識的有能」段階から「意識的有能」段階に降りてみる

新入社員研修で行うのは、まず「無意識的無能」状態から、「意識的無能」状態への引き上げです。知らないことにはできるようにはならないので、まずは知識として詰め込んでいただきます。

そして、学んだことを職場で繰り返し実践することで、「意識的無能」状態から「意識的有能」状態へ成長し、時を重ねて「無意識的有能」状態へ達することになります。

報告・連絡・相談やあいさつ、身だしなみ、敬語など、どれも社会人に成り立ての頃はできなかったことばかり。誰もが、先輩に怒られながら一つひとつ覚えていったものだと思います。

しかし、私たちはいつの間にか自分が「無意識的有能」段階に達したと判断し、そうした基本スキルの体得に、意識的に取り組むのをやめてしまうものではないでしょうか。

 

成長には限りがありません。

できていると思うことでも、水準を上げるとまだまだ磨ける部分が露わになります

 

一流の人は基礎が美しいです。

プロ野球選手だって練習を始める時は素振りやキャッチボールをするし、プロサッカー選手もドリブルやパスから練習をはじめます。

 

ビジネスマンも、あいさつ・おじぎ・敬語など基本スキルを磨くことには、際限はないのではないかと思います。

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初心忘れるべからず

 

いつの間にか磨く意識を忘れて「無意識的有能」の罠に陥っていないかどうか、時には省みてみるのも良いかもしれません。

そして、意図的に「意識的有能」段階に降りてみて、当たり前とされていることが本当にできているかどうか、振り返ってみるのも一考です。

 

そこでの気づきと学びが、自分をより高みへと導いてくれることでしょう。

 

本日も最後までご覧いただいて、ありがとうございました。

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