ブログ
2019.11.5
3連休はいかがお過ごしでしたでしょうか。
私は最終日の夜は翌日の仕事に備えて移動でしたが、それ以外には仕事がなかったので、家族とゆっくりとした日々を過ごしました。
なにぶん出張の多い生活で、平日はなかなか家にいることができないので、休日は家族と一緒にいられる貴重な時間です。動物とのふれあいイベントに出かけたり、公園で散歩したりと、あちらこちらに外出しました。
1歳5ヶ月となった娘はとても好奇心が旺盛で、外を歩き回るのが大好きなようです。怖いもの知らずで、ひつじやヤギ、鳥が動きまわる間をお構いなしで通り抜け、足で跨げないような階段も、身体を這わせるようにしてよじ登ります。
足場の不安定なすべり台の階段を上ろうとした時には、さすがに冷や汗をかいて駆け寄りました。足を踏み外しそうになったらすぐに支えようと思って後ろで待機していましたが、手すりにしがみつきながらも、最後まで上りきった時には感動すら覚えたものです。
まだ足どりが定まらないので、芝生を歩いていても、少し傾斜があるとすぐに転んでしまいます。それでも、何事ともなかったかのようにすぐに歩きはじめます。
1時間も後ろをついて回っていると、大人はすっかりクタクタになってしまいますが、子どもはまだまだ元気いっぱい。家に帰ってきても、すぐに玄関に戻り靴を再び履こうとする姿には感服するばかりです。
改めて、好奇心は人を動かす原動力なのだなと思い知ります。
コンサルティングや研修の場で、管理職層やリーダー層の方とお話しをしている中で、しばしば挙がる問題のひとつに「メンバーがすぐに『できない』と言う」というものがあります。
「できない」と返答する理由には、
の2種類が考えられます。
すでに仕事が手一杯で、引き受けたくても時間の都合上できない場合があります。この場合は、新たに任せたい仕事と、すでにメンバーが抱えている仕事を天秤にかけ、より重要な仕事を優先するように仕事の順位づけをさせることが求められます。
メンバーの視点からは「やることが多くて手一杯」に映る状況であっても、よくよく聞いてみると、そこまで時間をかける必要のないことに一生懸命になりすぎていることもあります。
抱えている仕事がすべて重要で緊急だと思い込んでしまうと、常に「時間がない」と迫られてしまい、新しい案件にはどれも対応できなくなってしまいます。メンバーの抱えている仕事の全体像を把握し、時間をかけるべきことと、なるべく時間をかけないようにすることを判断したり、自力で判断できるように指導・育成したりすることも上司の重要な仕事の一つです。
時間の面で「できない」と言われた場合には、他の仕事を含めて期日や優先順位を調整することで比較的対応が可能です。より問題なのは、メンバーが自分の判断で「能力的にできない」と言ってしまう場合です。
能力は「知識」と「経験」のかけ合わせで培われます。仕事ができるようになるためには、必要となる知識を習得し、経験を積んでいくことが欠かせません。言い換えれば「やらなければ、できるようにならない」のです。
歩きはじめたばかりの子どもは、とにかくよく転びます。頭が重いのでそもそもバランスがとりにくく、平地を歩いていても足がもつれて転びます。注意力も十分ではないので、公園で木の根に足をひっかけたり、家の中で自分が散らかしたおもちゃにつまずいたりして転んでしまします。
それでも、何度も起き上がって歩き続けることで、経験を重ねていき、歩く能力が次第に向上していきます。いま私たちは、当然のように毎日歩いていますが、誰もがこのプロセスを経て歩く能力を身につけています。これは、足を出せば前に進むというシンプルな「知識」と、歩いたり転んだりした「経験」が積み重なってできた立派な能力なのです。
仕事においても、まったく同じことが言えます。どうやってやるかという「知識」は、上司や先輩が指導したり、自分で勉強したりして身につけることができます。しかし、実際にやってみる「経験」を積まなければ、いつまでたっても仕事に必要な能力が培われません。
仕事ができるようになるためには、まずやってみることが必要です。やらないから、できないのです。「できないから、やらない」と言っている限り、永遠にできるようにならないでしょう。
逆説的ですが、できないからこそ、やってみることが必要なのです。
仕事のできる人は好奇心が旺盛です。
子どもが知らない場所を歩き回ったり、階段やすべり台に上るなど難しいことに挑戦したりするように、仕事のできる人は未知の領域や高いレベルのものに絶えず興味や関心を抱いています。
一方で、仕事のできない方は、新しいことや難しいことを避けようとします。できるだけ、いま知っていること、いまできることの中で自分の仕事を収めようとしてしてしまい、その結果、それしかできない人になってしまうのだと言えるでしょう。
自分を成長させるために必要なことは、とてもシンプルです。それは、
を積極的に選ぶようにするということです。
私がコンサルタントに転身する前、前職で世話になった方に「迷ったら、難しい方を選びなさい」と言われてきました。
この言葉が頭にずっと残っているからか、いまの仕事でもできるだけ、新しいお客様、新しいテーマ、新しい形態や手法を好んで選ぶようにし、より難しいお客様のオーダーを請けるように心がけています。
もちろんそうした仕事の仕方は大変な道ですが、常に新しいこと、難しいことを志向している限り、その経験は着実に自分の力になってくれます。これを続けている限り、思考が硬直化したり、能力が陳腐化したりすることを極力避けることができるでしょう。
そして、こうした考え方をしている限り、能力的に「できない」という発言は出てこなくなるはずです。やってないからできないのであって、やればできるようになるからです。
自分はもとより、メンバーを成長させるためにも、新しいことや難しいことへの挑戦を奨励する価値観や文化を醸成することが、成果を生み出す秘訣になるのではないかと考えます。
本日も最後まで読んでいただき、ありがとうございました。