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2026.4.6

仕事の中断をゼロにして集中力を高める!電話・問い合わせ対応に振り回されない「攻めの環境づくり」3選

電話や問い合わせ対応が、あなたの生産性を奪っている

仕事をしていて、なかなか思うように進まないと感じることはないでしょうか。その大きな原因の一つが、電話や問い合わせ対応による「仕事の中断」です。

企画書や提案書を作ろうと集中し始めた矢先に電話が鳴り、対応を終えて作業を再開しようとしても、気が乗らなくなる。あるいは、どこまでやったかわからなくなってしまう。こういった経験は多くの方に心当たりがあるのではないでしょうか。

そして、ようやく再び集中しかけたところで、今度は別の方から話しかけられる。こうした繰り返しによって、仕事は常に細切れになり、時間をかけた割にはほとんど進んでいない、という事態に陥ってしまうのです。

実際、私が行う業務効率化研修や問題解決研修の場でも、「仕事の悩みは何ですか?」と参加者に問いかけると、必ずと言っていいほど「電話」や「問い合わせ対応」がよく挙がります。

しかし、それに対する有効な手立てがなかなか出てこないのが現状です。この問題に対して、多くの方は「電話がかかってくるのは仕事だから仕方がない」と半ば諦めてしまっています。

しかし、その考え方こそが問題の根本にあります。電話がかかってくるよは仕方がないと考えている限り、問題は解決しません。発想を転換して、「そもそも電話がかかってこない環境を作るにはどうしたらいいか」を考えることが、本質的な問題解決です。

そのための具体的な方法を3つご紹介します。

情報の先出し | 聞かれる前に答えてしまう

電話や問い合わせが厄介な理由の本質は、「相手のタイミングで来られること」にあります。

自分に余裕がある時や、作業の合間であれば丁寧に対応できるでしょう。しかし、実際には集中して作業をしている最中に限って電話が鳴るものです。

ある研究によれば、作業を中断させられると元の集中状態に戻るまでに20〜23分かかるとされています。つまり、5分の電話対応でも、その前後を合わせると約30分近くのロスが生じることになります。これでは、限られた時間の中で効率よく成果を出すことは極めて困難です。

この問題を解決するための考え方が「情報の先出し」です。そもそも電話をかけてくる相手は、何かを知りたい、確認したいというニーズを持っています。であれば、そのニーズを事前に把握して、聞かれる前に情報を提供してしまえばよいのです。

具体的には、まず自分のところに来る問い合わせを一定期間記録してみてください。「80対20の法則」という考え方があるように、全体の大部分は一部の要素で構成されています。例えば、100件の問い合わせのうち80件は、おおよそ20種類程度の同じような内容に集約されることがほとんどです。

よく聞かれる内容が把握できたら、それをメールマガジン、社内報、掲示板などを通じて定期的に発信していきましょう。情報を受け取った方は、わざわざ電話しなくても自己解決できるようになります。

一方、そのような情報に目を通さずに電話してくる方に対しては、「その件でしたら、先月お送りした資料でご案内しておりましたが……」と少し嫌味たらしく返すことで、相手に「わかっていることをわざわざ電話するのは申し訳ない」という気まずい意識を少しずつ醸成していくことができます。こうした積み重ねによって、問い合わせ電話は着実に減っていくでしょう。

「頑張るタイム」 | 組織全体で集中時間を守る

2つ目は、「頑張るタイム」という手法です。これは、女性向け下着メーカーであるトリンプ社の元社長、吉越浩一郎氏が導入していたことで有名な施策です。

1日のうち2時間(例えば午後1時から3時など)を「全社員が集中してデスクワークをする時間」として定め、その間は電話や会話を禁止するというルールを設けるのです。

その2時間の間は、上司への相談・確認・報告、上司から部下への指示・依頼、他部署への内線電話など、内部の会話がすべて禁止されます。

「それでは仕事が進まないのでは?」と思われるかもしれませんが、そうではありません。頑張るタイムが始まる前の時間を使って段取りを整え、先回りして必要な連絡を済ませておくようになるため、むしろ組織全体の仕事の進め方が計画的になっていきます

さらに特筆すべき点は、社外のお客様にもご協力をお願いし、「1時から3時は頑張るタイムのため、お電話はご遠慮ください」と案内していたことです。

その時間帯は内線も外線も鳴らず、オフィス内で立ち話をしている人もいない。そのような環境では、作業が驚くほど捗ります。

また、頑張るタイム中は照明を少し落とすことで、集中する時間であるという空気感を物理的にも演出していたそうです。吉越氏時代のトリンプは、この施策も含めたさまざまな取り組みによって、残業ゼロを実現したことで広く知られています。

もちろん、組織全体でこうした仕組みを導入するのが難しい場合もあるでしょう。そのような場合は「一人頑張るタイム」も有効です。

私は、コンサルティング会社に勤務していた頃、集中して仕上げなければならない成果物がある時には、ノートパソコンを持って近くのカフェや喫茶店に移動し、2-3時間ほど集中して作業していました。

その間は、携帯電話の電源も切っていました。それで大丈夫なのか?と思われるかもしれませんが、2時間以内に必ず連絡が取れなければ困るような緊急案件は、実際にはほとんどありません。後から対応すれば十分です。

電話がかかってきたら必ず出なければならないと思い込むことで、結果的に他人の都合に振り回され、残業が増えたり納期がギリギリになったりする方が、かえって大きな問題です。

喫茶店でなくても、社内の会議室やテレワークブースなどを活用し、メンバーでローテーションしながら集中時間を確保し合うやり方も効果的でしょう。

AIチャットボット | テクノロジーで問い合わせを自動化する

3つ目は、現代ならではの手法として「AIチャットボットの活用」です。

「AIなんて難しそう」「自分には使えない」と感じる方もいらっしゃるかもしれませんが、近年はITやプログラミングの専門知識がなくても扱えるツールが非常に充実しています。問い合わせの多さに悩んでいる方は、ぜひ一度試してみることをお勧めします。

具体的な手順としては、まず日々寄せられる問い合わせの内容をすべてテキストデータとして記録・蓄積します。メールのやり取りであればコピー&ペーストで保存し、電話での問い合わせであれば録音したうえでAIに文字起こしをさせることで、テキスト化することができます。

次に、蓄積したQ&AのデータベースとChatGPTなどの生成AIを、ZappierやDify、PowerAutomateなどの自動化ツールを使って連携させます。

こうしたツールの多くはプログラムの知識がなくてもマウス操作だけで設定でき、問い合わせが入ると生成AIが内容を整理し、Q&Aデータベースから回答を取り出して返答する、という一連の処理を自動で行うことができます。

このようにして構築したチャットボットは、社内の掲示板やホームページに設置することで、「まず自分で調べてから問い合わせる」という行動変容を相手に促すことができます。

また、電話がかかってきた際の自動音声案内として「よくあるお問い合わせはAIチャットボットでご確認いただけます」と案内を入れることで、電話が繋がる前に自己解決を促す仕組みを作ることも可能です。(要するに、気が短い人は、電話で待たされるくらいならチャットボットで調べにいくということです)

なお、生成AIの活用にセキュリティ面での懸念がある場合は、より情報管理の安全性を強化した企業向けのAIサービスを活用することも選択肢の一つです。

まとめ | 「中断されない環境」を自ら作ることが、生産性向上の鍵

仕事の中断は、思っている以上に大きなロスです。たった一度の電話でも、元の集中状態に戻るまでには20分以上かかることがあります。

だからこそ、「電話がかかってくるのは仕方がない」と受け身でいるのではなく、電話がかかってこないような環境を能動的に整えていくことが重要です。

今回ご紹介した3つの方法、「情報の先出し」「頑張るタイム」「AIチャットボット」は、いずれも特別な条件がなくても実践できるものです。

できるものから一つずつ取り組んでいただくことで、電話・問い合わせ対応に振り回される時間を確実に減らし、自分が本当に集中すべき仕事に向き合える環境を手に入れることができます。ぜひ今日から「自分の時間を守るための環境づくり」を始めてみてください。

本日も最後まで読んでいただき、ありがとうございました。

この記事を書いた人

小松 茂樹(こまつ しげき)

中小企業診断士・キャリアコンサルタント。株式会社ビジネスキャリア・コンサルティング代表取締役社長。「デキる人を増やして社会をもっと快適にする」を理念に、人事・組織コンサルタントや研修講師として活動。理論的な背景と情熱的な語り口を交えた講演スタイルに定評があり、セミナーや研修で高い支持を得ている。登壇実績 862件、1,015日間(のべ受講者数17,334名)*2025年12月末現在

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