「時間がない」を禁句にしよう! 〜時間欠乏症から逃れる3つの原則〜(前半)

早いもので今年も残すところ、あと3ヶ月となりました。

 

ありがたいことに、今年は仕事にも私生活にも、大変に充実した日々を送れています。

9月を振り返ってみてると、仕事では9日間の登壇。シルバーウィークは完全休暇をとっていたので、仕事をしていた日の半分以上は実稼働していた計算です。

「なんだ半分か」と思われるかもしれませんが、合間に営業活動や準備、会議などが入ってくるので、半分以上が「本番の日」というのは、私にとってはややハードな状況です。

そうした中でも、私生活では一週間のドイツ旅行へ。仕事から離れ、異国の史跡と食事を満喫してきました。

提唱しているワークライフバランスを実践できていることは、周囲から理解や協力をいただいている賜物でもあります。ありがたい限りです。ただただ、感謝です。

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とはいえ、何かとバタバタする日が続くもの。

ややもすると、常に時間に追われている感覚に陥りそうな状態でした。

そんな中で私が心がけていたのが、

 

「時間がない」と口にしない

 

ということです。

今回は2回にわたって、私が日々心がけている「時間管理の3つの原則」をご紹介します。

  • 原則1:時間はあると思えばある!ないと思えばない!
  • 原則2:やることベースで時間を見ない!時間ベースでやることを決める!
  • 原則3:生産性を極限まで高める!

 

原則1:時間はあると思えばある!ないと思えばない!

時間は24時間365日。

これ以上、増えることもなければ、減ることもありません。

増やすことができない以上、捉え方を変えるしかありません。

ないと思えばなくなりますが、あると思えばあるのです。

 

「時間がない!」と思ってしまうと、脳の中ではやることが終わらないイメージが作り出されます。

終わらない理由を探しはじめ、終わらない作業に着手しはじめます。

終わらないイメージを実現するための行動を、無意識のうちにはじめてしまうのです。

 

一方、まだ時間があると捉えることができれば、その限られた時間内にできることに集中し始めます。

たとえ100%万全ではなかったとしても、その中で精一杯できることをやろうとするのです。

自然と優先順位づけがされ、最低限やるべきことを終えることができるのです。

  • あれもこれもやろうとして、時間切れで不完全な状態となるか
  • 限られた時間の中で最善を尽くすか

この差が、成果に大きな差を生み出します。

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原則2:やることベースで時間を見ない!時間ベースでやることを決める!

やらなくてはならないことが膨大に膨れ上がった時、私たちがしてしまいがちなのが、

一つひとつの用事に要する時間を見積もり、それを積み上げて総時間を見積もる

ということです。

 

例えば、今日中にやらなくてはならないことが下記の4件あるとします。

そして、その工程を予測し、それぞれに必要な時間を次のように見積もったとします。

  • A社への企画書作成・提出 3時間
  • B社トラブルの報告書作成 3時間
  • C社案件についての社内打合せ 1時間
  • 週間活動報告書の作成 1時間

合計で8時間です。

 

規定の就業時間が8時間の場合、計算上は時間内にすべての作業が完了することになります。

しかし、実際のところ、この通りになることはほとんどありません

 

なぜなら、概して私たちは「時間を甘く見積もってしまう」からであり、加えて多くの場合、作業中に「集中力を阻害するものが現れ、トントン拍子に進まなくなる」からです。

 

突然かかって来る電話、受信トレイに次々と入ってくるメール、おかまいなしに話しかけてくる上司、傍らで話はじめる同僚たち・・・

オフィスは集中力を阻害するもので溢れています。

このため、私たちは自分の見積もった範囲内で作業を終わらせることが困難な状況にあります。

実際に必要とする時間は、当初の見積もりの1.5倍増しになることが少なくありません。

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ではどうすれば良いかというと、作業に対する時間を積み上げるのではなく、時間ありきで作業を割り当てるのです。

 

例えば、上記の例で言えば、あらかじめ所要時間を1.5倍増しで見積もっておきます。

  • A社への企画書作成・提出 4.5時間
  • B社トラブルの報告書作成 4.5時間
  • C社案件についての社内打合せ 1.5時間
  • 週間活動報告書の作成 1.5時間

このまま進めてしまうと、12時間を要する計算となります。

まともにやったら4時間の残業が必要となります。

 

ここで考えなければならないのは、「どうやったら8時間でおさまるか?」ということです。

つまり、8時間以内におさめるにはどうしたら良いかに意識を集中するのです。

 

取れる手は2つあります。

 

ひとつ目は、「思いきってやめる」「他の人にお願いする」「延期する」のいずれかの方法で、今日行うタスクそのものを減らしてしまうことです。

つまり、やることを限られた時間の範囲内におさまるようにし、おさまらない部分は外部に切り出してしまうということです。

 

時間が伸びてしまうのは、結局のところ、時間があるからです。夜から出かける、大事な人と会う約束があるなどすれば、無理矢理にでも切り上げるはずです。

本当にその日にしなければならない最低限のことは、必ず8時間以内に終わるのです。

であれば、常にそういう制限があるかのようにやりくりすることは、能力的には可能ということになります。

 

とはいえ、そのいずれの方法も取れない場合もあるかもしれません。

もうひとつの方法として「もともと想定していたよりも、アウトプットの基準を下げる」こともできます。

これは、質を下げるということではなく、「可能な限り工数を減らす」「細部にこだわるのをやめる」ということです。

 

私たちは、仕事をしているとつい、自分のこだわりにしたがって細部に力を入れてしまうようになります。

 

例えば、

  • 企画書であれば図表・ビジュアル表現を最小限にとどめる
  • 報告書であれば、状況の説明を最小限にとどめ、結論だけ書く
  • 打合せであれば、話し合う目的と結果のイメージを事前に確認し、それ以外の話はしない

といった具合です。

 

その仕事を行う根幹の目的が果たせていれば、細部に必要以上にこだわる必要はありません。

それよりも、時間が足りなくて中途半端な完成度になってしまったり、期限に遅れてしまう方が、よっぽど問題だと言えます。

 

やるべきことを全力でやる。やらなくてもいいことには手を出さない

 

これを貫くだけでも、時間の使い方は激的に変化します。

 

 

次回は、残るひとつの原則についてお話します。

本日も最後まで読んでいただき、ありがとうございました。

  

投稿者プロフィール

小松 茂樹
中小企業診断士・キャリアコンサルタント。株式会社ビジネスキャリア・コンサルティング代表取締役。人材派遣会社、健康食品会社を経て、経営コンサルタントに転身。営業力強化・業務改善・生産性向上・ビジネススキル向上など幅広い範囲で、業績向上や人材育成の支援を行っている。理論的な背景と情熱的な語り口を交えた講演スタイルに定評があり、セミナーや研修で高い支持を得ている。

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