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人材育成

2025.4.3

新入社員の成長を加速させるオンボーディングの進め方

近年、多くの企業が新入社員の早期離職という深刻な課題に直面しています。時間とコストをかけて採用した大切な人材が、短期間で会社を離れてしまうことは、企業にとって大きな損失です。また、新入社員本人にとっても、せっかく入社した会社で十分に活躍できないままキャリアを終えてしまうことは、大きな不幸と言えるでしょう。

このような状況を改善し、新入社員と企業の双方にとって持続的な成長を実現するために、今、最も注目されているのが「オンボーディング」という戦略的な人事施策です。

オンボーディングとは

オンボーディングとは、「新入社員がスムーズに職場に馴染み、組織の一員として定着し、早期に戦力化するための組織的な取り組みの総称」です。

わかりやすく言うと、「新入社員の受け入れ体制をしっかりする」ということです。

単なる入社手続きや研修だけでなく、新入社員が安心して業務に取り組める環境を整備し、必要な知識やスキルを習得できるよう、戦略的かつ継続的に支援するプロセス全体を指します。

新入社員が抱える課題

あなたの会社では、このようなことはないでしょうか。

  • 新入社員の成長速度が想定よりも遅い
  • 入社して間もないのに、離職や転職を考える新入社員がいる
  • 新入社員の仕事ぶりや貢献度が、指導担当者によって大きくばらつく

これらの課題は、オンボーディングがうまくいっていない場合に起こりがちです。

オンボーディングが不適切だと、

  • 新入社員は仕事ができるようにならず、自信を喪失してしまう
  • 仕事が面白くなくなり、会社に行くのが嫌になる
  • 上司や先輩とうまく関係が築けず、職場で孤立してしまう

その結果、早期離職や休職につながってしまうのです。

新入社員が明るく元気に活躍することは、職場の雰囲気を高めます。逆に、新入社員が会社に来なくなったり、辞めてしまったりすると、組織全体の雰囲気が悪くなり、生産性やモチベーションの低下につながります。

オンボーディングの基本的な進め方

オンボーディングの基本的な部分を確認していきましょう。この記事を読むことで、以下の効果が期待できます。

  • 新入社員を早期に戦力化し、仕事で活躍できる人材に成長させられる
  • 新入社員のモチベーションや成長速度が向上する
  • 離職を防止し、自社に定着させられる

新入社員は、自然に育つわけではありません。上司や先輩、組織全体がしっかりと受け入れ体制を作る必要があります。

重要なのは、「新入社員が最初に関わる現場の環境と育成体制を整備する」ことです。

新入社員が早く組織に溶け込み、自分なりの役割を自覚し、自分なりの目標を見出すことで、自発的に学び、仕事に取り組むようになることを目指しましょう。

オンボーディングを成功させるための3つのアプローチ

では、具体的にどのようなオンボーディングを行えば、新入社員の成長を最大化し、長期的な定着を促進できるのでしょうか。以下の3つの戦略的アプローチが重要です。

1.新入社員が安心して失敗できる環境作り

  • 「早く仕事が出来るようにならなければならない」と焦る。その結果、ミスや不注意で失敗するという悪循環に陥る
  • 上司や先輩が忙しく、報告や相談、対話の時間が十分に取れない。その結果、成長速度が鈍化する
  • 経験が不十分な頃から「自分の頭で考えろ」と言われ、気軽に相談や質問ができない

こうした状況が続くと、新入社員はミスを隠したり、疑問を放置したりするようになります。その結果、だんだん苦痛になり、仕事に行くのが億劫になってしまいます。

新入社員が早期に戦力として活躍し、長期的に会社に貢献するためには、安心して成長できる環境が不可欠です。特に、経験の浅い新入社員にとって、心理的安全性の高い職場は、能力を最大限に発揮するための重要な要素となります。

心理的安全性とは?

心理的安全性とは、自分の考えや気持ちを率直に表現しても、周囲から拒絶されたり、罰せられたりする心配がない状態を指します。つまり、新入社員が安心して質問したり、相談したり、時には失敗したりできる環境のことです。

なぜ心理的安全性が重要なのか?

新入社員は、経験や知識が不足しているため、業務や職場環境に対して不安や疑問を抱えやすいものです。心理的安全性の高い環境では、彼らは安心して質問や相談ができ、積極的に学ぶことができます。また、失敗を恐れずに新しいことに挑戦できるため、成長スピードも向上します。

心理的安全性を高めるための具体的な方法

気軽に話せる雰囲気づくり

  • 上司や先輩が積極的にコミュニケーションを取り、新入社員が話しかけやすい雰囲気をつくる
  • 忙しい中、毎日10〜15分でも良いので、新入社員と1対1で話す「タイミング」を確保する

フィードバックの工夫

  • 成功体験だけでなく、「失敗から何を学んだか」に焦点を当てる
  • 「なぜ?」ではなく、「どうすれば?」という質問を心がける(終わったことを蒸し返して反省させるだけではなく、次に向けて前向きに「これはどうやったら良かったんだろうね」という聞き方に変える)
  • 定期的な面談で、成長を実感してもらうことで自信につなげる

心理的安全性の高い職場は、新入社員の成長を加速させるだけでなく、組織全体の活性化にもつながります。上司や先輩が積極的に心理的安全性の高い環境づくりに取り組むことで、新入社員は安心して成長し、組織に貢献できるようになるでしょう。

2.仕事の全体像を示す

新入社員が早期に組織に溶け込み、主体的に仕事に取り組むためには、自分の仕事が組織全体の中でどのような位置づけにあるのか、どのような貢献をしているのかを理解することが欠かせません。しかし、多くの現場では、忙しさから作業指示が断片的になりがちで、新入社員は自分の仕事の意義や全体像を把握できないまま業務をこなしているのが現状ではないでしょうか。

断片的な指示がもたらす悪影響

  • 単発の指示だけでは、自分が何ができるようになったのか、どのような成長を遂げているのかを実感しにくい。
  • 周囲の同僚や先輩が何をしているのか分からず、自分だけが孤立しているように感じる。
  • 自分の仕事が組織にどう貢献しているのか分からず、仕事へのやりがいを見いだせない。

その結果、仕事に対するモチベーションが低下し、主体的な仕事をしなくなってしまう傾向にあります。

全体像を示すことの重要性

新入社員が自分の仕事の全体像と組織における位置づけを理解することで、以下のような効果が期待できます。

  • 貢献意欲の向上

自分の仕事が組織全体にどのように貢献しているのかが分かり、周囲の役に立ちたい、貢献したいという意欲が湧く。

  • モチベーションの向上

自分の仕事の意義や目的を理解することで、仕事へのやりがいを感じ、モチベーションが高まる。

  • 主体的な行動

仕事の全体像を把握することで、自ら考え、行動するようになり、主体性が育まれる。

全体像を示すための具体的な方法

  • 会社やチームのビジョン、目標を共有する
  • 新入社員の仕事が、組織全体にどのように貢献しているのかを伝える
  • 良かった点だけでなく、改善点も含めて、具体的なフィードバックを行う。

「とりあえず、これをやっておいて」といった断片的な指示だけでは、新入社員は仕事の面白さややりがいを感じることができません。たとえ新入社員であっても、自分の仕事が周りの役に立っているという実感は、仕事へのモチベーションを高める上で非常に重要です。

まずは、会社や職場のビジョン、戦略、目標といった仕事の全体像を新入社員と共有することから始めましょう。

3.指導者の育成スキルを高める

新入社員の成長を加速させ、組織への定着を促すためには、指導担当者の育成スキルが非常に重要です。しかし、多くの企業では、指導担当者が多忙であることや、育成に対する意識が低いことから、十分な指導が行われていないのが現状です。

指導担当者が抱える課題

  • 時間的余裕のなさ

指導担当者自身も業務に追われ、新入社員の育成に十分な時間を割けない。

  • 育成に対する意識の低さ

人材育成の重要性を理解しておらず、「なんで自分が新人の面倒を見なければならないのか」と不満がある。

  • 指導スキルの不足

一通り仕事を教えて「わからないことがあったら聞いて」と実質的に放置状態では育成として機能しない。「なんちゃってOJT」で育成した気になってしまう

指導担当者の育成スキルを高めることで、新入社員の成長速度や成長意欲、帰属意識を高めることができます。そして、組織における人材育成の意義、人を教えることが自分の成長、キャリア形成に繋がると伝え、理解していただくことが重要になってくるでしょう。

指導担当者の育成方法

  • 指導スキルの習得

コミュニケーション、コーチング、メンタリングなどの指導スキルを研修などを通じて習得してもらう。

  • 実践を通じた練習

習得したスキルを実際の指導場面で練習し、経験を積む。

  • 組織的なサポート体制の構築

指導担当者一人に責任を負わせず、上司や同僚も含めた組織全体で新入社員を育成する協力体制を築く。

指導担当者育成の第一歩

指導担当者の育成は、新入社員の成長を最大化するための重要な戦略です。まずは、指導担当者に対して教える技術を習得する場を提供し、組織全体で新入社員を育成する協力体制を構築することから始めましょう。

オンボーディングの注意点

オンボーディングを成功させるためには、いくつかの注意点があります。

  • 形式にとらわれすぎない

 新入社員一人ひとりの個性やキャリアプランは異なります。新入社員の感情や成長実感を置いてけぼりにしないようにしましょう。

  • 新入社員を特別扱いしすぎない

新入社員だけを特別扱いすると、他の社員から不満が出る可能性があります。組織全体の調和を保ちながら、新入社員をサポートするバランスが重要です。

  • オンボーディングは継続的なプロセスである

オンボーディングは、入社後数ヶ月で終わるものではありません。新入社員が組織に定着し、活躍し続けるためには、継続的なサポートが必要です。

新入社員だけでなく、ベテラン社員も含めた組織の全員が常に挑戦し、成長を追求する文化を築くことによって、新入社員も自律的に主体的に成長を目指し、組織に溶け込みやすくなります。

まとめ

オンボーディングは、新入社員の成長を最大化し、長期的な定着を促進するための戦略的な人事施策です。

新入社員が「この会社に入って良かった」と心から思えるような環境や仕組みを整えましょう。育成担当かどうかに関わらず、組織の一員として新入社員を温かく迎え、成長を支援する気持ちを持ち、指導担当者は特に、新入社員がそう思えるように努めましょう。

今回ご紹介した3つの戦略的アプローチと注意点を参考に、ぜひ自社のオンボーディングを見直し、改善してみてください。

本日も最後まで読んでいただき、ありがとうございました。

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