人生の体験BEST10から欲求に気付く

前回の続きです。

自分の中に眠る素直な欲求に気づくにはどうしたら良いでしょう。

私は過去・現在・未来の3つの視点から自分自身と向き合い、欲求を発掘することが効果的だと考えています。

1.過去の欲求を知る
2.現在の欲求を知る
3.未来の欲求を知る

今回は、過去の欲求を知るためのワークを一つご紹介します。

人生の体験BEST10を書く

以前、このブログでも習慣化コンサルタントの古川武士さんの著書『人生を絶対に後悔しない 「やりたいこと」が見つかる3つの習慣』をご紹介しました。

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著者の中で、自分のやりたいことを見つけるためのワークがいくつか紹介されていたのですが、その中でも最もシンプルで取り組みやすく、かつ効果があったのが「人生の体験BEST10を振り返る」というものでした。

その名の通り、これまでの人生を振り返って印象に残る出来事を10件取り上げるというものですが、実際にこれをやってみると単に出来事を思い返すだけでなく、自分についての新たな発見があるのです。

私も実際に自分の体験BEST10をノートに書き出してみました。いざ出来事を書き出してみると、その時の自分の記憶や感情が蘇ってきます。それと同時に、より客観的にその出来事を見ることで、その時には気づかなかった感謝が溢れ出してきたのです。

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人生の体験BEST10の振り返り方

古川さんの弁ではなく私の解釈になりますが、人生の体験BEST10の振り返り方をご紹介すると次の通りになります。

1.印象深い出来事を羅列します。特に自分の努力や熱意によって達成した出来事方が良いかもしれません

2.その中から10の出来事を選び出し、自分にとって「影響が大きかった」と思う順に並べます

3.その出来事を迎えた時の日付(もしくは時期)と年齢を書きます

4.「なぜその出来事が自分にとって影響が大きいのか」の理由を2~3点箇条書きで書きます

5.4で書きだした「理由」を読み返し、自分の中で「何が満たされたのか」を振り返ります
⇒これが、その出来事によって満たされた「欲求」になります

6.この出来事が成し遂げられたのは、誰の力添えがあったからなのかを改めて考えてみる

BEST10の振り返りの目的は、自分のこれまでの「欲求」を見つけることですが、ワークの結果、自分が感謝するべき相手が見えてきます。私自身、これは想定外の副産物でした。

当時は「自分の力でできた!」と思えたことであっても、いま改めて振り返ってみると、「支援・協力してくれた方のおかげである」と思えてくることも出てくるものです。

例えば私の場合、一人暮らしをはじめたことを1つに挙げました。自立したい、自分の時間を確保したい、他人を自宅に招き入れる環境が欲しいなどの欲求に基づいて、ほとんど貯金なしの状態で踏み切りましたが、それが実現できたのも、家具や家電や消耗品を分けてくれた友人たち、不動産屋を紹介していただき口添えしていただいた上司、そして両親の理解のおかげであったと素直に感謝できます。

不純な同期の方が人は行動する?

私の場合、読み返してみてと面白かったのが、「欲求」としてあがってくる内容があまりカッコいいものではなかったことです。

・周囲からすごいと思われたい
・優越感を味わいたい
・彼女が欲しい
・好きな子の気を引きたい…

人生の体験BEST10として挙げた項目の原動力がこういう欲求だったと考えると恥ずかしくもなりますが、実際、これらの欲求に基づいて行ったことは、紛れもなく自分が頑張って成し遂げたことだと自負したものばかりです。

人は、シンプルで不純な動機の方が高いエネルギーを持続するものなのかもしれないなと思いました。

  

投稿者プロフィール

小松 茂樹
中小企業診断士・キャリアコンサルタント。株式会社ビジネスキャリア・コンサルティング代表取締役。人材派遣会社、健康食品会社を経て、経営コンサルタントに転身。営業力強化・業務改善・生産性向上・ビジネススキル向上など幅広い範囲で、業績向上や人材育成の支援を行っている。理論的な背景と情熱的な語り口を交えた講演スタイルに定評があり、セミナーや研修で高い支持を得ている。

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