お問い合わせはこちら

自律型人材

2025.7.8

仕事ができない人の典型的な特徴12選

仕事ができない部下をどう指導するか。

これは多くのリーダーやマネージャーが頭を悩ませているテーマです。どうしてこの人は結果が出ないのか。なぜ行動に踏み出さないのか。どうしてやることがズレているのか。組織における「できない人」への対応は本当に悩ましいものです。

私たちは「できる人を増やして社会をもっと快適にする」という理念のもと、経営コンサルティングや研修サービスを提供しています。仕事ができない人が成長するにはどうしたらよいのか、今回は共通する特徴と具体的な対策について詳しく解説していきます。

仕事ができない部下に困っているリーダーやマネージャーの方、あるいは「自分は大丈夫だろうか…」と少し不安な方、またはもっと仕事ができるようになりたいという方も、ぜひ最後までご覧ください。

1.できない理由ばかり探す

まず最初の特徴は「できない理由を探す」ことです。何か仕事の指示を出したとき、あるいは新しいタスクを依頼したとき、「やったことがありません」「前例がありません」「時間がありません」と、あれこれ理由を並べてやらない方向に持っていこうとする人がいます。

もちろん慎重さやリスク管理は大切ですが、「やらない理由」ばかり考えていると、本人も成長しませんし、組織としても成果が出ません。ではどうしたらいいのか。大切なのは「やる前提で指示を出す」ことです。

つまり、「やるかやらないか」を本人に委ねるのではなく、「やるのが当たり前」という前提で業務を進めるスタンスが重要になります。例えば「この仕事をやっておいて」と指示した時、「やったことがないからできません」ではなく、「どうやったらできるかを考えてみて」と一言加えるだけで、主体的な行動を促すことができます。

また、「こういうトラブルが起きました」「こういう問題があります」と報告が来たときも、「で、どうする?」とセットで考えさせるルールを組織内に根付かせることが大切です。どんな企業も余裕があるわけではありません。厳しい状況の中でも「じゃあどうするか?」という思考に持っていく。これができない理由探しからの脱却には不可欠です。

2.優先順位がつけられない

次の特徴は「優先順位がつけられない」ことです。「なぜ今それをやっているの?」と思うようなタスクに時間を割いてしまい、肝心な仕事が後回しになる人がいます。多くの場合、「何が大事か」よりも「やりやすいかどうか」「目の前のタスクを終わらせたい」という感情でスケジューリングしてしまうからです。

こうした状態が続くと、緊急ではないが重要なことが永遠に後回しになり、結局成果が上がらなくなります。ではどうするか。細かなタスク管理を徹底し、特に「重要だけど締め切りのない仕事」をいつやるかをあらかじめ決めておくことが必要です。

例えば「今週の予定は?」「このタスクはいつやるの?」と確認し、「この日はこれを必ずやろう」と約束させて進捗を管理します。大事なのは、本人任せにしないこと。重要だが緊急ではない仕事を先送りさせないように、リーダーが計画段階から関与していく必要があります。

3.報告・連絡・相談(ホウレンソウ)をしない

三つ目の特徴は「報告・連絡・相談をしない」ことです。部下が何をしているのかが分からず、問題が発生した時にはすでに手遅れになっていることもあります。リーダーとしては「もっと早く言ってくれれば良かったのに」と思うことが多いのではないでしょうか。

仕事上の問題は、早期発見・早期対処が原則です。時間が経てば経つほど、解決に必要な手間やコストは膨らみます。しかし、報告や連絡が上がってこない場合、対応が大きく遅れてしまいます。

ではどうするか。報告の経路やタイミング、方法をあらかじめルール化しておくことが重要です。「どのタイミングで」「どんな内容を」「どの手段で」報告するのかを明確に決めておけば、本人の意識に頼る必要がありません。最初は「言われた通りに報告する」ことから始め、慣れてきたら自主的に報告する習慣が身についてきます。

仕事ができる人は報告を徹底しています。うまくいっている時も、トラブルが起きている時も、こまめに情報共有してくれる人は安心して仕事を任せられるのです。報告・連絡・相談のルールを徹底し、管理の手間を減らすことが大切です。

4.期限を守らない

四つ目は「期限を守らない」ことです。これはリーダーやマネージャーにとって非常に頭が痛い問題です。たとえば仕事を外注しているフリーランスや副業の方などで納期が遅れがち、しかもその遅れを報告してこない。そんな状況に陥ると、全体のスケジュールが崩れてしまいます。

締め切りを守ることは、ビジネスにおいて最も基本的な信頼関係のベースです。遅れることが分かった時点で早めに報告してもらえれば、巻き取りやリカバリーの選択肢も残っています。ところが「黙って遅れる」ことで、最悪のタイミングで発覚し、大混乱を招くこともあるのです。

これを防ぐには、いわゆる「前倒し締め切り」を設定するのが有効です。本番締め切りの少し前に「確認締め切り」を設け、もし遅れても本番には間に合うようにスケジューリングします。また、日頃からこまめな報告を習慣づけることで、遅れそうな兆候が早期にキャッチできます。こうして管理側のリスクを下げていくことが大切です。

5.メモを取らない・記録を残さない

五つ目は「メモを取らない、記録を残さない」ことです。仕事の指示や会議の内容、決定事項をその場限りで流してしまい、後で「そんなこと言われていません」となるパターンが後を絶ちません。

記録はチームプレーにおいて不可欠です。何か問題が起きたとき、「いつ、誰が、何を決めたか」が明確に分かっていれば、すぐに原因を特定できます。逆にこれがなければ、仕事は属人化し、チーム全体がカバーできなくなります。

指示を出す時は「必ずメモを取ること」を徹底させましょう。会議やミーティングでも「誰が、いつまでに、何をやるのか」だけは必ず記録し、関係者全員で共有します。これを習慣化すれば、仕事の抜け漏れや行き違いが格段に減るはずです。

6.ミスを隠す・認めない

六つ目は「ミスを隠す・認めない」ことです。これはどの職場でも起こりがちですが、ミスが起きた時に自分の責任だと認めず、あるいは隠そうとする人がいます。「怒られるのが怖い」「面倒を避けたい」という心理が働くのか、間違いを報告せず、問題が表面化する頃には取り返しのつかない状態になっている。そんな経験をされた方も多いのではないでしょうか。

こうした事態を防ぐには、まず「ミスを責めない文化」を作ることが重要です。ミスやトラブルを報告した人を叱責するのではなく、「早く報告してくれてありがとう」と評価する。

失敗は組織全体でカバーし、次に活かす材料として扱うことが大切です。早期報告を賞賛することで、「悪い報告もしていいんだ」という雰囲気が生まれます。これがミス隠しの連鎖を断ち切る第一歩です。

7.改善しない・学ばない

七つ目の特徴は「改善しない・学ばない」ことです。同じミスを何度も繰り返し、指摘しても一時的には直るがすぐ元に戻る。こうしたタイプの部下も少なくありません。これは「このままで十分」と思考が停止し、現状維持に安住してしまっているケースが多いのです。

このタイプには定期的なフィードバックが効果的です。良かった点・悪かった点をその都度伝え、同じミスを繰り返さないためにはどうしたらいいかを自分で考えさせる、面談やミーティングを設けましょう。

それでも改善しない場合は、本人の問題だけでなく「構造や仕組み」にも目を向けるべきです。例えば、間違いが起きにくい業務フローやチェック体制を作る。本人にも「仕組みを変える提案」をさせれば、当事者意識も育ちます。人の問題と仕組みの問題、両方の視点が不可欠です。

8.変化に抵抗する

八つ目は「変化に抵抗する」ことです。新しいやり方を導入しようとすると「前のままがいい」と反発したり、改善や挑戦そのものに消極的な人もいます。しかし、仕事を取り巻く環境は常に変化しています。今まで通りでは現状維持すら難しい、むしろ衰退してしまう可能性が高い時代です。

変化や挑戦を推奨する文化を作るには、結果だけでなく「新しいことに挑戦したプロセス」を評価・賞賛することが重要です。現状維持のままの人はほどほどの評価にとどめ、たとえ失敗しても挑戦した人を高く評価する仕組みを導入しましょう。プロセスに光を当てることで、「変化した方が得だ」と思える風土ができ、徐々に行動が変わっていきます。

9.人の話を聞かない

九つ目は「人の話を聞かない」ことです。人の話を最後まで聞かず、話の腰を折る、自分の意見だけに固執して他人の提案に耳を貸さないタイプです。こうした姿勢ではチーム内の信頼を失い、孤立していくのは時間の問題です。

この問題に対しては、コミュニケーション力のトレーニングが有効です。1on1ミーティングやグループワークを活用し、「相手の話を最後まで聞く」「共感的に耳を傾ける」姿勢を実演・体験させていきましょう。

また、逆の立場で「話の腰を折られる」体験をさせることで、改善の必要性に気付かせることもできます。継続した指導・教育を通じて、相手の話を尊重する習慣を育てることが大切です。

10.責任を取らない

十番目は「責任を取らない」ことです。何かトラブルが起きても「それは私のせいじゃない」と責任転嫁し、自分の役割を全うしようとしない人がいます。こうした姿勢が定着すると、仕事を頼む側も安心して任せることができず、本人も成長の機会を失い、やがて孤立してしまいます。

対策としては、役割や責任の範囲を明文化し、「どこまでがあなたの担当なのか」「どの部分はあなたが責任を持つのか」をはっきり伝えることです。また、「この部分は自分で決めていい」「ここまではやってほしい」と権限もセットで与えることで、本人の自覚も育っていきます。責任と権限を繰り返し伝え、仕事の現場で経験を積ませていきましょう。

11.感情のコントロールができない

十一番目は「感情のコントロールができない」ことです。すぐ怒り出したり、不機嫌になったり、ネガティブな感情を表に出してしまうタイプは、チーム全体の士気を大きく下げます。心理的安全性が損なわれ、他のメンバーも本音を言えなくなる雰囲気が生まれやすくなります。

仕事において感情のコントロールがいかに重要か、その理由をきちんと説明し、感情と生産性の関係を理解してもらうことが第一歩です。さらに、EQ(感情知能)のトレーニングや、アンガーマネジメントの研修などを通して、「自分の感情と上手につきあう力」を身につけてもらうことが必要です。穏やかな気持ちで仕事に臨むことの大切さを、組織全体で意識していきましょう。

12.指示待ち人間

最後の十二番目は「指示待ち人間」です。言われたことはきちんとやるけれど、それ以上のことには自分から取り組まない。自主的に考え行動しないため、マネージャーの手がかかり、チームとしての自律性や強さがなかなか生まれてきません。

このタイプを「自律型人材」に変えていくには、まず仕事の目的や背景をしっかり伝えることが大切です。ただ作業指示を出すのではなく、「この仕事は何のためにあるのか」「最終的なゴールは何か」を明確にします。最初は細かく指示し、徐々に応用を求め、指示の量を減らしていく。以前やったことを応用してみる、自分の頭で考える。そうしたプロセスを増やしていきましょう。

本人にも「自分の意思で行動することが大事」というメッセージを繰り返し伝え、自覚を促していくことが重要です。書籍や外部の研修を活用するのも有効ですし、組織として「自律型人材」を増やす仕組みづくりに取り組むことも大切です。

まとめ

今回は「仕事ができない人の典型的な特徴12選」というテーマで解説してきました。

多くの方にとって、この中のいずれかに該当する方に覚えがあるのではないでしょうか。もちろん、一人ひとりみな違う人ですから、仕事ができない人には個別対応が必要です。しかし、共通するパターンを見出すことで、その対策も見えてきます。

最も大切なのは「できない部下を放置しない」ことです。「何を言っても聞かないから…」とあきらめず、指導・育成を続けていくことが、リーダー自身の成長にもつながります。

また、「できない理由」や「本人の資質」だけでなく、仕組みや構造にも目を向けてください。仕事ができる人・できない人を生み出すのは、組織の文化やシステムも大きく影響しています。そして、自分自身も「自律型人材」として行動し、部下を導いていくことが、強い組織をつくる第一歩になるのです。

本日も最後まで読んでいただき、ありがとうございました。

関連サービス

関連動画

神戸・大阪で人材育成・社員教育をお考えの経営者、管理職、人事担当者の方々。下記よりお気軽にお問い合わせください。(全国対応・オンライン対応も可能です)

弊社にご関心をお持ちいただき、ありがとうございます。お気軽にお問い合わせください。

TEL.
078-600-2761