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スキル・心構え

2024.11.8

確かな答えの出ない状況に耐える能力「ネガティブ・ケイパビリティ」を磨け

何が正しいのかを容易に判断できない時代

現代は変化の激しいVUCAの時代である。

こう言われるようになって数年が経ち、私も研修講義の中でたびたび口にしていますが、ここ1〜2週間は「何が本当なのか」を見極めるのが、実に難しくなってきたなと改めて実感します。

VUCAとは、Volatility(変動性)、Uncertainty(不確実性)、Complexity(複雑性)、Ambiguity(曖昧性)の頭文字を取った造語です。環境変化が激しく、将来の見通しが立ちにくく、状況が複雑で曖昧になっていく様を表しています。

時代を象徴するバズワードとして用いていますが、本当にそうなんだなぁとつくづく感じます。

アメリカ大統領選は偏向報道

アメリカ大統領選はトランプ氏の勝利で終わりました。日本のメディアはしきりにハリス氏優勢を報道し、開票が始まってもなお、ハリス逆転のシナリオを信じるかのように伝え、敗北が確定してからはトランプを支持した米国民の不可解化を論じる始末でした。

トランプ自身の是非はともかくとしても、アメリカの富の格差や治安の悪化と、「中産階級を復活させる」というトランプの主張を考えれば、トランプ支持が高くなるのは論理的に考えれば極めて当然だと言えます。グローバリストの左派に偏りがちな新聞やテレビのオールドメディアはともかく、頼みの綱だと思っていたNewsPicksですら偏向が否めなかったので、すっかり失望してしまいました。

トランプが当選したのは客観的な事実であり、この事実を受け入れられずになお恨み節を言い続けるのは、報道機関の姿勢として、憤りを通り越して呆れすら感じます。繰り返しになりますが、トランプを支持しろというのではなく、事実は事実として受け止めるべきではないのかということです。

元兵庫県知事の疑惑は捏造?

一方、国内ではいま兵庫県知事選が話題になっています。私も兵庫県民で選挙権があるので、非常に関心高くこのニュースを見ています。

「斎藤元知事のおねだりやパワハラは事実無根であった。元県民局長の自殺は斎藤知事のせいではなく、自らの悪事がバレることを危惧してのものだった。」NHK党党首の立花さんが「真実を伝える」として知事選に立候補し、斎藤元知事を支援する立場でこれを遊説して回っています。

何かと世間をお騒がせしている立花さんですが、言動が過激なだけで、彼の行動は「既得権益との戦い」で一貫しています。立花さんの活動のすべてを肯定はできないですが、一貫した姿勢や突破力、エンタメ性やカリスマ性には惹かれるものがあります。今回は、ご自身が兵庫県(淡路島)に縁があることに加え、何より自分の宿敵であるオールドメディアとの戦いにもなるので、自身のスタンスとも一致したからこそやっているのだと思います。

県議会やメディア、既得権益がグルになって斎藤元知事を陥れたというストーリーは、非常に刺激的であり、情緒的にも惹かれます。「斎藤さん誤解していてごめんなさい」という風潮は現に高まっていて、県内各所で斎藤さんと立花さんの遊説先では人が溢れかえっている光景がSNSで拡散されています。

もちろん、立花さん側の言い分だけを信じるのは危険です。盲信してしまったら、立場が逆で同じことが繰り返されているだけになります。とは言え、話を聞いている限り筋は通っているし、何より反論が出て来ずに「敵側」とされる陣営はだんまりを決め込んでいる。状況証拠的に「推定有罪」として考えても不自然ではない状況です。

一方の言い分だけを鵜呑みにしたくないので反論も欲しいところですが、発信されないとどうにも判断できないです。選挙が終わるまでしらばっくれて、組織票で他候補が当選すればそれで良しというシナリオかもしれません。勝てば官軍ですから。そうなると、ますます立花さん側の主張が正しかったことになりますが、それは検証されることなく闇に葬られることでしょう。

何が正解かわからない状況に耐える能力「ネガティブ・ケイパビリティ」

物事を判断するのためには正確な情報が必要です。正確な情報とは、事実に基づいた情報です。しかし、その事実情報を得るのが極めて困難だというのが実情です。

メディアの報道が偏っているからといって、SNSで出回っている情報を鵜呑みにするのも危険。複数のソースから異なる情報を得て、総合的に判断するのがあるべき姿ですが、これがなんとも難しい。正しく考える材料が得られないのです。

何が正解かわからない。この苦しい状況に耐えるために求めらるのが「ネガティブ・ケイパビリティ」です。ネガティブ・ケイパビリティとは、「明確な答えが存在しない状況や不確実性に対して、焦らずにその状態を受け入れ、耐える能力」を指します。

世の中に唯一絶対の答えなどない。それは頭ではわかっていても、実際に答えが明確にならない悶々とした状況は苦しいものです。そして、早く楽になりたいと思うほどに、安直な答えに飛びついてしまいます。

私はこの「ネガティブ・ケイパビリティ」という概念と出会い、悶々とした状況に耐えるのも能力だと知って、ハッとさせられました。先日、解説動画をアップしたので、ぜひご覧ください。不確かな時代を生き抜くために、「耐える力」を磨いていきましょう。

本日も最後まで読んでいただき、ありがとうございました。

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