セルフマネジメント
2026.2.15

いつも成果を上げている人、限られた時間の中でしっかり結果を出してくる人、大事なところで確実に決めてくれる人。こうした「仕事がデキる人」は、一体何が違うのでしょうか。時間が2倍あるわけでも、特殊能力があるわけでもありません。同じ人間ですから、能力に大差はないのです。しかし、確実に何かが違います。
コンサルタント・研修講師として、多くの企業で仕事がデキる方々を観察していると、ある共通点が見えてきます。それは持って生まれた才能ではなく、単純に「意識の向け方が違う」ということです。
つまり、どなたでも意識して行動を取り続けていけば、仕事がデキる人になることができます。今回は、仕事がデキる人が圧倒的に優れている3つの力についてお伝えします。それは、選択力、推進力、継続力です。そして、この順番が非常に重要なのです。

仕事がデキる人がまず優れているのは、「選択力」すなわち仕事を選ぶ力です。仕事がデキるできる人は、大量に仕事をする人ではありません。同じ24時間の中で働き、休みも取ります。やれることには限度があるため、やるべきことを選ぶということが、まず最初の仕事なのです。
多くの方は、人から頼まれた仕事、目についた仕事、緊急そうな仕事に飛びついて、それに振り回されているうちに1日が終わってしまいます。しかし、仕事がデキる人はそうしたものに振り回されません。今やらなければいけないことは一体何なのか、これをしっかりと見極めて、優先順位をつけていくのです。
大事なことは、その仕事の緊急度ではなく重要度を優先するということです。急ぎかどうかというよりも、その仕事が大事なのか、やる価値があるのか、そこを見極めて大事な仕事を確実にやっていく。だから仕事がデキるようになっていくわけです。
この「優先順位をつける」ことに関連して非常に大事になってくるのは、やることだけではなく、「やらないことを決める」ことです。時間は限られています。すべてのことをきちんとやろうとするのは無理なのです。だから諦めなければいけない。これはやらなくてよい、こちらをやるべきだ、そう考えていくことが重要です。
そして、何をもってやるべきか、やらないべきかを判断するかというと、それは「自分の得意なことに集中する」ということです。人間誰しも得意・不得意があります。自分が苦手なことを平均レベルに引き上げるのは、非常に大変です。だから苦手なことにはあえて手を出さない。それが得意な人に任せてしまえばよいのです。
自分は自分の得意なことに集中する。こういう仕事の配分をしていった方が、当然その得意領域で高い成果を出していけるという話になります。
選択した仕事を実際に進めていくのが、2番目の「推進力」です。
重要な仕事が選択できたとしても、それが実際に形にならなければ何の意味もありません。仕事がデキる方は、とにかく仕事が早いのです。すべての準備が整うまで行動に移さないというのではなく、走りながら考えます。今の段階で考えられる最善のものをひとまず進めていく。もし間違っていたら、気づいた段階で直す。走りながら考えるのです。
「クイック・アンド・ダーティー(Quick & Dirty)」という言葉があります。完璧なものを作るまでに時間をかけるよりも、粗くてもよいから、とっとと早く動き出して形にするということです。
実際のところ、自分の中で完璧だと思っていても、それを実際にお客様にお披露目すると、「何か違う」と修正に追われることになります。実際に、自分の考えに基づいてやったことが正しいか、お客様にご評価いただけるか、これは形にしてみないと分かりません。
だから、「大体こんな感じですかね」というものをいち早く仕上げて、それを実際に見せると、ああした方がよい、こうした方がよい、ということを言っていただけるので、それをもとにして素早く直していくと、結果的に形になるまでが早いのです。
前提が違うのです。完璧なものを1度に作ろうとするのではない。どうせ完璧になどならないと思いながら、とにかく早く動いて、0を1にする、1を10にする。このスピードを早めていくのが、仕事の推進力なのです。
とはいえ、なるべく無駄なルートは通りたくないので、逆算思考で物事を考えていきます。目的のゴールをしっかり見据えて、そこから逆算して最低限何が必要なのかを考えて、その最短経路を辿ろうとするのです。
車の運転に例えると分かりやすいでしょう。目的地が分かっていても、道順がよく分からないまま走り出すと時間がかかりすぎます。やはりルート検索をして、できる限り無駄がないようにルートを設計していく。運転で考えればみんなやっていることです。だから、それを仕事でもやれば良いのです。
とにかく早く形にする、早く仕上げていく。その仕事で一定の成果が出たら、そこで終わらせません。再現性を高めていくのです。特に不慣れな仕事は、どうしても時間がかかります。次に同じことをやる時に、同じ時間をかけたくない。だから、振り返りを行います。
その仕事の工程を思い出して、しっかりと記録に残しておく。作業手順をチェックリストにまとめておいたり、今回作ったものをテンプレート化したりする。2回目はより早く、3回目はさらに早く、こうした視点で仕事を回していくのです。仕事の経験値を積めば積むほど、どんどん早くなっていくことができます。

3つ目は継続力です。ここは結構見落とされがちですが、実は非常に大事なところです。
仕事がデキる人は、常に全力疾走しているわけではありません。短距離のスピードで長距離は走れないのです。特に、職位が上がっていったり、プロジェクトが大きくなっていくと、数週間、数カ月、場合によっては数年かけて取り組んでいく仕事になってきます。マラソンのように考えていかなければならないのです。
マラソンにおいて最も重要なことは、途中で力尽きないことです。一定のペースを保ちながら、しっかりと完走できるように自分のエネルギーをうまくコントロールしていく必要があります。
まず大切なことは、ゴール地点をしっかりと決めることです。上司やお客様が求めている「最小ライン」を見極めていくのです。成果物、ゴールのイメージをすり合わせる。品質レベルが過剰にならないように、「最低限どこまでできていたらよいのか」という認識を、まず最初に合わせていくのです。そうしないと、ゴールまでの距離がどんどん長くなっていきます。相手のニーズを満たしつつ、オーバースペックで納品しないで済むように、「最低限どこまでできていれば良いのか」を考えます。
そして、報告のタイミングを先に決めておくのです。仕事ができない人は、仕事が出来上がってから報告をするという順番で考えています。そうすると、仕事を頼んだ方は心配になります。終わるまで報告が上がってこないのです。
仕事がデキる人は、仕事を受けた段階で、あらかじめ報告のタイミングを決めます。最終納品はいつか、途中途中の進捗報告をいつの段階でするかを先に決めておく。そうすると、最初の報告までに仕上げるところに集中するのです。マラソンで例えると、初めから42.195kmを見据えて走り始めるのは大変です。まず最初の3km、5kmに焦点を当てる。
手前側のゴールに焦点を見据えていかないと、先が遠くて心が折れそうになります。報告をこまめに設けることで、「いまのステージ」に集中することができ、プロセスが改善され、加速していくのです。
その過程の中で、上司やお客様からフィードバックを受けます。このフィードバックをきちんと素直に受け入れる。これも大事なことです。「せっかくやったのに」と思うこともあります。そこで感情的にムッとくることもあるでしょう。
しかし、感情と課題を分離しましょう。そのムッとする感情は認めつつも、指摘された事実や相手からの要求には、しっかり向き合っていかなければいけません。反省は短く、改善は早くです。もし自分に見落としたことがあっても、そこで落ち込んでいてもしょうがないのです。「もう過ぎたことは仕方がない。とにかく今から直そう」という形で、いち早く次の行動に向かっていく。仮に途中で立ち止まることがあっても、再び走り始めるまでの時間を短縮していくのです。
そして、重要なのがペース配分です。途中で力尽きないようにするため、まず無駄な消耗を避けることです。必要最低限の仕事の設計をしていきましょう。休息も大事です。睡眠不足になると、翌日のパフォーマンスが下がります。睡眠負債は借金のように積み上がっていきます。しかも、これは返済ができないのです。
自分が常に高いパフォーマンスの状態で、限られた時間の中でやることが重要です。コンディションが悪い状態でダラダラやるよりも、限られた時間の中で調子のよい状態を保っていった方が、結果的に仕事のクオリティも良くなるし、早くなるということを仕事がデキる人はよく知っているわけです。
そして、1日仕事をするにしても、集中力が上がる時間、下がる時間をしっかり見極めて、集中力が高い時に大事な仕事、集中力が下がる時には軽めの仕事を割り当てる、というスケジュール管理をしっかりしていくのです。
1日の中で最も能率が高くなるのが、一般的には11時前後、午後では15時前後です。この2カ所に重要な仕事を入れていく。それ以外の時間はパフォーマンスが下がるので、軽い仕事を入れていく。そうやってうまくペース配分をしていくことが、走り続けられる人の仕事の仕方なのです。
以上、仕事がデキる人が圧倒的に優れている3つの力についてお伝えしました。
この中でも最も重要なのが、何と言っても選択力です。やらないことを決める、やることに集中する、これが重要です。まずは、仕事がデキる人への第一歩を踏み出すためにも、是非この「仕事を選ぶ」「やらないことを決める」から始めてみてください。
本日も最後まで読んでいただき、ありがとうございました。
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