信念をもって挑戦する~不安や恐怖とのつき合い方~

どんなに綿密な計画を立てて臨んだとしても、物事はなかなか思い通りにいってくれないものではないでしょうか。

十分な情報収集を行い、万全の計画を立てたと思える時ほど、「こんなはずはないんだが・・・」と頭を抱えたくなってしまいます。

 

とはいえ、私たちが見えている世界は、世の中のごく一部でしかありません。

実際の世の中は、思っている以上に複雑な要素で構成されているものです。

 

すべての状況を予測し、必ず成功できる計画を立てることは、現実的ではありません。

「不測の事態は起きるもの」として、目の前の状況を素直に受け入れることも必要です。

 

その時に重要なのは、現状に対して「信念をもって挑戦する」ということです。

不安や恐怖に立ち向かうには

万全を期して臨んだはずなのに、想定外の出来事が起きた場合、私たちは不安や恐怖を感じます。

 

「物事が予定通りに進む」という想定で、良い結果を思い描いているからです。

シナリオは成功ありきなので、計画と異なる展開になると、その成功を信じられなくなります。脳裏に失敗がよぎるようになります。

 

するとあなたは、「いや、そんなことはない。うまくいかないケースも想定している」と思われるかもしれません。

確かに、「うまくいった場合」「順当な場合」「最悪のケース」など、考えられるリスクを想定して広く準備をとる場合もあります。

しかし、それでも物事がうまくいかないことがあります。文字通り「想定の範囲外」のことが起きてしまうからです。

それほど世の中は複雑であり、人が見えている範囲は限られているものだと言えます。

 

不安や恐怖はつきものです。完全に逃れることは難しいかもしれません。ならば、そうした感情とうまくつき合っていける方法を考えた方が、自分も楽になるというものです。

 

不安や恐怖をはねのけ、困難な状況を打開していくにはどうしたら良いのでしょう。

それは、

信念をもって挑戦する

ということです。

 

・大丈夫。最後には必ず成功する

・そのためにできることは何だってやってみせる

 

という信念をもって挑み続けることです。

信念は人の能力を引き出し、時に信じられない力を発揮させてくれることがあります。

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思考と行動の9割は無意識によるもの

人間は思考と行動の9割を無意識(潜在意識)で行っています。

 

そして、一説によると、人は1日に約6,000回、物事を考えていると言われています。

しかし、毎日そんなに何かを考えている覚えもありません。

つまり、ほとんどは無意識が考えているのです。

 

例えば、あなたがある問題に直面したとします。

何日もかけてずっと解決策を考えていても良い案が浮かばず、あきらめかけていたその時、思いがけないタイミングで妙案が浮かんでくることがあるでしょう。

それは、考えるのをやめた後でも、無意識で考え続けていた結果なのです。

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また、行動の多くも無意識によって行われます。

無意識で考えたことが、無意識の行動となって表れるのです。

例えば、仕事からの帰り道に、ひどく落ち込んだり、悩んだりしていても、私たちは家にちゃんとたどり着くことができます。

歩いたり、電車に乗ったり、自動改札機を通過したりと、家に帰るまでに必要な行動を無意識が考え、それを無意識が実行してくれている結果なのです。

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これらはどちらも、何の根拠もなしに無意識が勝手に行っていることではありません。

 

特定の問題や課題を繰り返し考えていたことや、特定の行動を繰り返し行っていたことが、記憶の中に刻み込まれた結果、

無意識がそれを継続したり、再現したりするようになるということなのです。

 

つまり、同じことを繰り返しインプットすると、無意識の思考や行動のパターンに影響を与えるということが言えます。(いわゆる「習慣化」はこのメカニズムです)

 

不安や恐怖に支配されていると、自分の考えや行動のパターンが不安や恐怖に基づいたものになってしまいます。

それが続くと、自ら失敗のシナリオを歩き出し、自滅への道へ進んでいくことになってしまいます。

また、自分が信じられなくなったことを、他の人が信じるわけがありません。

「もうムリだ」「どうせやってもムダだ」と周囲の雰囲気も失敗モードになっていきます。

 

人間の意識や脳は、思考と行動の一貫性を保つようにできています

不安や恐怖に襲われ、失敗をイメージしてしまうと、失敗するための行動を自ら取るようになってしまうのです。

 

したがって、そういう時こそ、

・大丈夫。最後には必ず成功する

・そのためにできることは何だってやってみせる

と、信念をもって挑み続けることが大切です。

 

信念と希望的観測の違い

信念は、単なる希望的観測ではありません。

 

希望的観測は、現状を受け入れなくてもできます。

「大丈夫、きっと最後は状況が良くなる。このままやっていこう。」

こう考えるのは、ただの都合の良い解釈です。身のほどを知らないだけとも言えます。

 

状況が良くなることを祈ることは、環境変化に身を任せるということです。

成否の要因を環境、つまり自分以外のものに委ねてしまっています。

環境が自分の都合の良い方向に動いてくれる保証はありません。

希望的観測を持つだけでは、状況を打開することは期待できないのです。

 

一方、信念とは「自分の能力と可能性を信じること」です。

一点の曇りもない自分への信頼と決意をもって、最後まであきらめずに挑戦し続けること。これが信念です。

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信念を持つためには、まず目の前の苦しい現状を受け入れることが必要です。

目指すゴールと現状との間にある残酷な乖離を正しく認識し、その差を埋めるための方策を論理的、現実的に考えるのです。

 

そして、

・大丈夫。最後には必ず成功する

・そのためにできることは何だってやってみせる

という覚悟をもって、考えられる限りの具体的な行動に全力を尽くします。

 

はじめは根拠のない自信です。

しかし、結果を信じて行動し続けることは、自分への信頼を育んでいきます。

 

「大丈夫。これだけのことをやっているのだから、最後は必ずうまくいく」

行動を伴った迷いのない自分への信頼は、繰り返す中で無意識に刻み込まれていきます。

そして、残り9割の無意識からくる思考と行動が、成功へ向けて動き出すのです。

 

もちろん、だからと言って必ずしも成功するとは限りません。

しかし、信念をもって挑戦し、万事を尽くしたならば、そこには一切の悔いが残りません。

その結果であれば、素直に受け止めることができることでしょう。

そして何より、自分を信じた全身全霊の行動が、自分の器を一回りも二回りも大きくしてくれます

不安や恐怖はいつの間にかいなくなっています。代わりに現れるのは、成長した自分の姿です。

 

・あなたが、現在うまくいってないことは何ですか?

・欲しい結果と現状に、どれくらいの乖離がありますか?

・その乖離を埋めるために、今すぐ行動できることは何ですか?

 

諦めるのは、万策尽きてからでも遅くはないかもしれません。

 

本日も最後まで読んでいただき、ありがとうございました。

  

投稿者プロフィール

小松 茂樹
中小企業診断士・キャリアコンサルタント。株式会社ビジネスキャリア・コンサルティング代表取締役。人材派遣会社、健康食品会社を経て、経営コンサルタントに転身。営業力強化・業務改善・生産性向上・ビジネススキル向上など幅広い範囲で、業績向上や人材育成の支援を行っている。理論的な背景と情熱的な語り口を交えた講演スタイルに定評があり、セミナーや研修で高い支持を得ている。

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