小さな成功体験がもたらしてくれる自信の「幅」と「深さ」

昨日、マラソンの練習会に参加してきました。
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この練習会では、毎回異なるタイプの練習プログラムを提供していただいています。

昨日のメニューは「500mをハイスピードで走る×8本」というものでした。

 

マラソンの練習では、

・スタミナをつけるための長距離トレーニング
・スピードをつけるための短距離トレーニング

の両方が必要だそうです。

 

ただし、同じ長距離のトレーニングでも、距離を定めて走るとスピードの強化の要素が強まるし、時間を定めて走ると純粋にスタミナ強化につながります。

 

短距離で以前やったメニューは「3km×5本」というものでした。

10kmや20kmを走る練習に比べて、1回あたりの距離がだいぶ短いので、スピードを上げて走ることができます。

その時も、かつてないペースで走ることができたので、「自分の限界を破る」という感覚を味わうことができましたが、

今回はさらに距離が短いので、その時と比べてもさらにハイペースで走る経験を積むことができました。

 

 

こうして、できることを増やしていくことで、「自分はできる」という感覚を強化していくことができます。

新しい経験は、自分の幅を広げてくれるのだなと、改めて思いました。

 

2週間後に東京マラソンを控えているので、良い収穫をいただきました。

練習会を開催してくださるスタッフの方々には本当に感謝です。

 

「小さな成功体験」の2つの側面

自信をつけるためには「小さな成功体験を重ねる」ことが有効だ、という話をよく耳にします。

 

なるほどその通りだと思いながらも、その意味についてあまり深く考えることがなかったのですが、

今回のマラソン練習を通じてよくよく考えてみると、この「小さな成功体験」には

1.「新しい」小さな成功体験

2.「繰り返す」小さな成功体験

という2種類があって、それぞれ自信の「幅」と「深さ」という、別のものをもたらしてくれるのだと思いました。

つまり、「自信」には2つの側面があるということです。

そして、自己イメージを高めるためには、この両方が必要になってきます。

 

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新しい成功体験=自信の「幅」

新しい成功体験は、自信の「幅」を広げてくれます。

別の言い方をすると「可能性」を広げてくれるということです。

 

今まで知らなかったこと、できなかったことをやってみて「できた」という経験は、

それまで自分が思っていた「できること」の範囲を広げてくれます。

 

例えば、今まで一度も国内から出たことのない方が、はじめて海外に行くとします。

行くまではすごくドキドキします。

・現地の人とコミュニケーションはとれるのか?
・パスポートを盗まれたり、なくしたりしないだろうか?
・水や食べ物は合うだろうか?体調を崩したりしないだろうか?

一度も経験がないので、なかなかイメージが描けません。

いろいろとシュミレーションをしようとしても、いまいち現実味に欠けてしまい、実感がわきません。行くまでの間は、不安がなかなか頭から離れないでしょう。

 

しかし、一度でも経験するとその時の記憶が残るので、それ以降はイメージがしやすくなります。

不安がゼロになることはないかもしれませんが、少なくとも未経験の時に比べたら「できるだろう」という感覚が非常に強くなります。

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経験がゼロなのか、1以上あるのかは、自分が「できるかどうか」を判断する上で、とても大きな差を生み出します。

新しいことをする経験が多ければ多いほど、自分の可能性が広がると言えます。

 

繰り返す成功体験=自信の「深さ」

一方、繰り返す成功体験は自信の「深さ」を広げてくれます。

これは「確実性」を強めてくれる、と言い換えることもできます。

 

すでにやったことのあることを再び経験することで、「やっぱり、できるんだ」という感覚を得ることができます。

同じ経験、あるいは似たような経験を繰り返すことは、その行動に対する再現性を高めることになり、(あくまで自分が考える限りにおいてですが)成功する確率を上げてくれるのです。

 

先ほどの海外の例でも、経験が1回や2回の方と、何十回・何百回の方、実際に住んでいたことがある方とでは、「できる」「大丈夫」という自分への信頼度が大きく異なります。

 

また、私は20代の頃にギターやピアノで弾き語りをしていたことがありますが、楽器は非常に良い例です。

覚えたての頃は、なかなか思うように演奏することができません。よく間違えるし、手が止まります。ましてや弾きながら歌うなんて、最初はとてもできませんでした。

しかし、繰り返し練習を積み、繰り返し本番を重ねることで、次第に「できて当然」という感覚になってきます。

これは「弾き語りができた」という成功体験を繰り返すことによって、その自信をより強固なものにしているのです。

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とは言え、もう何年も演奏していないので、今ではとても当時のような自信はありません。

自信の深さを保つためには、定期的に経験を繰り返すことが必要だとも言えます。

 

自信の「幅」と「深さ」

これをビジネスシーンに置き換えて考えてみます。

例えば、人前に出て、何かのプレゼンテーションをする場面を想定してみましょう。

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最初は経験の種類を増やして、自信の「幅」を広げていきます。

・自分の部署の会議で話す
・会社の上層部に対して話す
・お客様に対して話す

といった「相手との関係性」の違いも経験の種類ですし、

・10人に対して話す
・30人に対して話す
・100人に対して話す

といった「人数」の違いも経験の種類です。

 

これまで話をしたことのない相手、話をしたことのない人数に、はじめて話をする経験はすべて「新しい」成功体験となります。

このバリエーションの幅が広ければ広いほど、自分ができと思える範囲が広がります

これが自信の「幅」です。

 

一方で、それぞれの種類の経験について、どれだけ「場数を踏んだか」が、その再現性の高さを左右します。数多く経験を積んでいることほど、「できる」「大丈夫」という感覚が強くなります

これが自信の「深さ」です。

 

この経験の「幅」と「深さ」の両方をバランスよく兼ね備えていること。

それが自分から見ても、他人から見ても、「これだけの経験があればできる」という信頼感を生み出します。言い換えれば、これがその人の持つ「能力」だと言うこともできるでしょう。

 

・新しいことに挑戦する
・数(量)を重ねる

自分の能力を高め、自信を高めていくためには、この2つの側面の両方を追求していく必要があると言えるでしょう。

 

本日も最後まで読んでいただき、ありがとうございました。

  

投稿者プロフィール

小松 茂樹
中小企業診断士・キャリアコンサルタント。株式会社ビジネスキャリア・コンサルティング代表取締役。人材派遣会社、健康食品会社を経て、経営コンサルタントに転身。営業力強化・業務改善・生産性向上・ビジネススキル向上など幅広い範囲で、業績向上や人材育成の支援を行っている。理論的な背景と情熱的な語り口を交えた講演スタイルに定評があり、セミナーや研修で高い支持を得ている。

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