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2016.7.21
ビジネス書や雑誌を読んでいると、「デキる人はスピードが早い」「後回しにせず、今すぐにやることが大切だ」というような台詞をよく目にします。
確かにその通りではあるのですが、あまりにも目の前のことをスピーディに対応してしまうと、短期的な成果を得ることはできても、長期的な成功を逃してしまう可能性があることも否めません。
仕事に取りかかる際には、そのスピードだけではなく、重要性についても考える必要があります。
現代の仕事は極めて高度に、複雑になってきています。やろうと思えば、やることはいくらでもあります。また、それぞれについて、時間をかけようと思えば、いくらでもかけることができます。
例えば、
などです。
もちろん、時と場合に応じて緻密に、丁寧にやる必要はあります。しかし、すべての場面において完璧を求める必要は必ずしもない、と考えることもできるのではないでしょうか。
極端な話、メールの返信が1日2日遅れたからといって致命的な問題になることは稀です。(緊急の場合、放置していたら電話がかかってきます)
資料に誤りがあったとしても、気づいた時点で謝罪して訂正すれば、大抵の場合は大事には至りません。報告書や日報も必要最低限のことが簡潔に書かれていれば、それ十分です。(読む方も忙しいです)
目の前の仕事に集中していると、仕事が溜まっている状況にウンザリしてくるので、手当たり次第片付けてしまいたくなるものです。
しかし、不思議なもので、どれだけテキパキ片付けていっても、やるべきことがゼロになることはほとんどありません。やったそばから、次のやることが次々と増えてきます。
そして、気づけば雑事を片付けるのに時間を使いきってしまった・・・という状況に陥ってしまうのです。
そうなると、急ぎではないけども重要なことは、どんどん後回しになってしまいます。
読もうと思っていた本は積み上げられ、「今年こそ」はと思って買った資格取得の教材が手付かずで放置されることになります。
そして、自分の成長が鈍化し、いつまでたっても仕事の質が根本的に変わらない状況が続いてしまうのです。
時間はお金では買えない貴重な資源です。人生を豊かにするには、できるだけリターンの高い行動に貴重な時間を投資していくことが望ましいと言えるのではないでしょうか。
しかし、目先のことをすべて片付けようとすると、どうしても急ぎでない行動は、たとえ本当はとても大事なことであったとしても、つい後回しになってしまいます。
目先の小さな物事を片付けるのに躍起になってしまうのです。これでは人生の豊かさは、なかなか手に入りません。
そこでオススメしたいのは、やることが多くて大変に思えた時には、
「これは、この先5年後・10年後を考えた時に、本当に必要なことなのだろうか?」
という問いを自分に投げかけてみることです。
先一週間、一ヶ月だけを見ていると、目の前にあることのすべてが重要であるかのような錯覚を覚えてしまうものです。
しかし、視野を5年・10年レベルで広げてみると、「すぐにやらなければならない」と思っていることのほとんどが、実にどうでもいいようなことのように思えてきます。
「それを1日2日先延ばしにしたところで、特別何か損をするわけではない。それよりも、将来の自分に必要な○○を優先してやろう」
こう考えると、より高い次元から自分の仕事や生活を俯瞰できるようになり、自身の成長と成功に直結した行動を選択できるようになります。
私自身、前期の仕事のピークを終え、比較的時間の自由がとれるようになった今は、少なくとも毎日1〜2時間は「目先の仕事でないこと」に時間を投資しています。
たとえ、目の前の仕事が溜まっていたとしても、「どうしても今日中にやらなければならない」事案を除いては、将来への投資と呼べる行動の時間を、確実に確保するようにしています。
今すぐ行動することは処理速度の面では効果的ですが、「本当に今すぐやらなければならないこと」はさほど多くありません。
目の前のことに全力で取り組むことと、目の前のことに盲目になることは大きく異なります。
「優先すべきは何か?」
それをより高い視点、長期スパンから考えて選択する力が、人生をより豊かにしてくれるのではないだろうかと思います。
本日も最後まで読んでいただき、ありがとうございました。