モチベーションは「上がらない」

おはようございます。小松茂樹です。

11月に入り、急激に冷え込んできましたね。いよいよ本格的に冬が到来するなと感じます。(むしろ、すでに到来していると言うべきでしょうか)
体調を崩さないよう留意していきたいですね。

さて、前回から少し日が経ってしまいましたが、久々の投稿です。今日はモチベーションについてのお話をします。

 

よく「モチベーションが上がらない」という台詞を耳にしますが、この表現には違和感を覚えます。

「モチベーション上がらないかなぁ」とぼやいて上がるのをじっと待っていたとしても、それで実際にモチベーションが上がることはほとんどありません。

 

モチベーションは自然発生的に上がったり下がったりするものではなく、意図的に「上げる」ものです。

その要因が自分の外部(環境や周囲の人)からくることもあれば、内部(自分自身)からくることもありますが、いずれにしても条件を整えることで「上げる」ことができます。

 

すなわち、モチベーションはスキルであると、私は考えています。
そして、スキルということは、訓練によって習得可能だということです。

モチベーションが「上がらない」状態とは?

ここで、「モチベーションが上がらない」と口にするのはどういう状態かを考えてみましょう。

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多くの場合、

  • やらなければならないことがあるのに
  • やる気がおきないので
  • やれない(やらない)

という状態が思い浮かぶのではないでしょうか。

 

これを一つひとつ分解して考えてみます。

やらなければならないこと=「思考」

「やらなければならないことがあるのに」ということは、何をすべきなのかは頭では理解しているということです。

しかし、実際にモチベーションが上がらない状態をよくよく考えてみると、やるべきことは「なんとなく」わかっていても、正確には把握していない、あるいは整理できていないという場面があります。

 

例えば、あなたが上司から何か大きな、新しいプロジェクトを任されることになったとします。

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あなたは「ついにオレの時代が来た!」と喜び、勇み足でさっそく仕事に取りかかります。

しかし、いざ実際にはじめてみると、ものの数分の間に意欲が低下してしまいました。

ゴールが遠すぎて、何から手をつければいいのかわからず、途方に暮れてしまったのです。

計画を練ろうにも、調べなければならないことが多すぎて、すでにもううんざりしています。

 

これは「思考」の問題です。

やるべきことの最終的な姿はわかっていても、そこに至るまでの細かな過程が整理されていなければ、どんなにやる気があったとしても、実際に行動に移すことができません。

そして、仕事が思うように進まないことに苛立ちを覚え、モチベーションはみるみる低下してしまいます。

意欲的に物事を進めるには思考が整理されている必要があるのです。

 

 

やる気がおきない=「感情」

最終的なゴールも、そこに至る道筋も明確で、思考が整理された状態であったとしても、それだけで高いモチベーションを維持できるとは限りません。

順番に物事を片付けていけばゴールにたどり着くはずで、後はやればいいだけ。頭ではわかっているのに、どうしても行動に移せないという状況があります。

 

この状況を別の言葉で表現すると、「気分がのらない」状態だと言えます。

気分がのっていれば、次々に仕事を進めることができます。気分がのらないと、一向に進みまなくなります。

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これは「感情」の問題です。

 

人間の感情は、大きく「快」と「不快」に二分することができます。

「快」の感情とは、好意・安心・希望・信頼・敬意・親近感・友情・充実などを指し、

「不快」の感情とは、嫌悪・不安・絶望・不信・敵意・疎外感・孤独・後悔などを指します。

 

そして、「快」の感情を抱いている時は気分がのり、「不快」の感情を抱いている時は気分はのらなくなります。

高いモチベーションを保つためには、「快」の感情を抱いている必要があると言えます。

 

なお、「やる気がある」=「モチベーションが高い」と解釈されるかもしれませんが、本稿においては、やる気はモチベーションの一要素として位置づけます。

やる気がしない、自分では納得していない仕事であっても、別の側面(報酬・名誉・立場など)から動機づけを行い、自分を動かしていかなければならない場面というのが、現実にはあると考えているからです。

(むしろ、この状況を打破するために、モチベーションはスキルとして捉える必要があるとも言えます)

 

やれない(やらない)=「行動」

やるべきことを猛烈に進めていながら「モチベーションが上がらない」などと口にしている状態は考えにくいです。

「モチベーションが上がらない」と言っている時は、概して手が止まっている、あるいは動いていても非常にスピードが遅い状態だと言えます。

 

モチベーションの上下は「行動」に如実に表れます。

思考が整理されていて、「快」の感情を抱いて気分がのっていたとしても、それが行動に表れていなければ「モチベーションが上がっている」とは言えないのではないでしょうか。

何もしないでじっとしている状態で「モチベーションが上がっています」と言われても、誰もそれを信じられないでしょう。

 

やりたくて、やりたくて仕方がない。じっとしているとうウズウズする。早く実行に移す。これが「モチベーションが上がっている」状態ではないかと考えます。

つまり、モチベーションは行動に直結しているのです。

 

モチベーションを「スキル化」する3要素

まとめると、モチベーションは

  • 思考
  • 感情
  • 行動

の3つの要素が組み合わさって、形成されていると考えることができます。

そしてこれは、3つの要素をコントロールすることができれば、意図的にモチベーションを「上げる」ことができることを意味します。

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次回からは、モチベーションを上げる「スキル」として、思考・感情・行動をどのようにコントロールしていけば良いかについてお話しいたします。

 

本日も最後まで読んでいただき、ありがとうございました。

  

投稿者プロフィール

小松 茂樹
中小企業診断士・キャリアコンサルタント。株式会社ビジネスキャリア・コンサルティング代表取締役。人材派遣会社、健康食品会社を経て、経営コンサルタントに転身。営業力強化・業務改善・生産性向上・ビジネススキル向上など幅広い範囲で、業績向上や人材育成の支援を行っている。理論的な背景と情熱的な語り口を交えた講演スタイルに定評があり、セミナーや研修で高い支持を得ている。

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