セルフマネジメント
2025.5.12
目次
近年、企業の経営者や人事の方々との会話の中で、非常に多く耳にするキーワードがあります。それが「メンタル」です。
メンタル不調、あるいはメンタル疾患によって休職されたり、残念ながら離職を選択されたりする方が増加しているという話を何度も耳にするようになりました。
「最近の若い人たちは、昔に比べてメンタルが弱いのではないか?」という意見もありますが、私は必ずしもそうではないと考えます。
もちろん昔は昔で大変な時代だったと思います。
しかし、現代は「ハイパーチェンジの時代」と呼ばれるように、技術革新、特にインターネット、スマートフォン、そして最近では生成AIの進歩によって、私たちの生活や仕事の仕方が目まぐるしく変化しています。
昔とは比較にならないほどの情報量を処理しなければならず、意思決定に求められるスピード感も全く異なっています。
つまり、現代はとにかくストレスが多い時代なのです。
そのような状況下でストレスに対処できなくなった方が、心の病や不調を抱えてしまうのはある意味当然のことかもしれません。
これは個人だけでなく、企業にとっても非常に大きな問題です。
職場では従業員のストレスチェックが義務付けられ、メンタルヘルスケアの重要性が認識されるようになってきました。
言うまでもなく企業によるケアや予防も大切ですが、「自助努力」つまり私たち自身の努力も不可欠です。
今後、生成AIの進化はますます加速し「ハイパーチェンジ時代」は「ウルトラハイパーチェンジ時代」へと突入していくでしょう。
そのような時代を健全な心で生き抜くためには、日頃から心を強くする取り組みが欠かせません。
今回はメンタルを強くするための10の方法をご紹介します。これらの方法を実践することで、激動の時代を力強く生き抜くための「鬼メンタル」を身につけましょう。
個人として将来どうありたいかというビジョンを持つことが重要です。長期的な目標を持つことで、目先の出来事に一喜一憂せず、客観的に物事を捉えられるようになります。
人生には思い通りにいかないことも多いですが、ビジョンがあれば「今は過程に過ぎない」と捉えられます。
私自身も結果が見えにくい日々に直面することが多々あります。しかし、「最終的には成功する」と信じ、努力を続けることが大切です。
長期的なビジョンや目標があれば、目先の出来事に振り回されず、メンタルが強くなります。
たとえ過程に過ぎなくても、その過程を精一杯楽しみ、全力を尽くしましょう。
私たちがコントロールできるのは、結果ではなくプロセスです。良い仕事をしても、必ず評価されるとは限りません。また、素晴らしい提案をしても必ずお客様に採用していただけるとも言い切れません。
結果は様々な要因が複雑に絡み合って生まれるものであり、私たちにはコントロールできないのです。
しかし、結果に向かってどれだけの努力をするかというプロセスは、私たち自身でコントロールができます。そのプロセスに没頭することで「やるべきことはやった。あとは結果を待つだけだ」という境地に達することでしょう。
コントロールできることに集中する。それがストレスを減らし、メンタルを強くする秘訣です。
自己効力感とは、「自分ならできる」という自分の能力に対する自己評価のことです。自信を持つ上で自己効力感は非常に重要な要素となります。
「無理だ」「できる訳ない」と思いながら何かをして、良い結果を得るのは困難です。しかし「もしかしたら失敗するかもしれない。けど、私ならうまくいくだろう」と前向きに挑戦することで、成功に近づくことができるでしょう。
自己効力感を高めるためには、日頃から習慣的に努力を続けることが大切です。例えば、
など、様々な方法を取ることができます。
自己効力感は、これら様々な要素が絡み合って高まっていくため、少しずつ「デキる自分」への信頼を構築していくことがメンタル強化への道です。
成功体験を積み重ねることも大切ですが、私は「達成」という言葉にこだわっています。
というのも、「成功」の定義は曖昧だからです。「何をもって成功とするのか?」という問いに対して、人は様々なイメージを描くことでしょう。
しかし「達成」は違います。「自分がやると決めたことを決めた通りに成し遂げる」ことは、すべて達成です。
たとえば、「今日は本を1ページ読む」「5分間の短い動画を3本見る」といった、小さなことで構いません。大切なのは自分の意思で何かを成し遂げたという実感です。
達成を積み重ねることで自己効力感が高まり、メンタルが強くなります。
以前勤めていた会社の経営者からいただいた「迷ったら難しい方を選べ」という格言が、今の私の重要な指針になっています。あえて困難な道を選ぶことで、人は大きく成長できます。
困難な道を選べば当然、楽な道を選ぶよりも苦労することがあるでしょう。しかし、困難を乗り越えた時の達成感は、楽な道を選んだ時の比ではありません。
「こんなに難しいことを乗り越えた自分はすごい!」という自信が湧き、メンタルも鍛えられます。
他人の評価に左右されず、過去の自分を乗り越えていくことが大切です。
たとえば、年収3,000万円の人がいたとして、それと比べてしまったら、たとえ自分の年収が1,000万円であったとしても、劣等感を抱いてしまうでしょう。
しかし、年収だけで人生の幸福度が決まるわけではありません。ましてや、人間としての価値が決まるわけでもありません。
大切なのは、過去の自分を乗り越えていくことです。他人と比較しても、上には上が、下には下がいます。他人と比較するのではなく、過去の自分と比較することで、成長を実感できます。
「過去の自分よりも成長できた!」という実感は、自信につながり、メンタルを強くしてくれます。
新しいことや難しいことに挑戦すれば、必ず失敗はつきものです。初めてやることをいきなり完璧にこなせる人はいません。失敗して当たり前という気持ちでいいのです。
失敗から学び、改善を重ねることで、最終的には成功に近づけます。失敗を恐れて、何もしないことが自分の成長を自ら止めることになるのです。
失敗を恐れず、積極的に挑戦していくことでメンタルを鍛えていきましょう。
体と心は密接につながっています。適度な運動や健康的な生活習慣はメンタルを安定させます。
心身のバランスを整えることは、メンタルを強くする上で非常に重要です。
ストレスによる食べ過ぎや忙しさによる運動不足、寝不足などは体を壊すだけでなくメンタルも弱ってしまいます。日頃から自分の体に気を配り、心身のバランスを整えるように心がけましょう。
ネガティブな情報ばかりに触れているとネガティブな気持ちになりやすくなります。
ネットの記事やSNSの投稿、人間関係など、私たちは日々様々な情報に触れています。しかし、それらの情報を取捨選択することは可能です。
できる限りエネルギーが高く、前向きでプラスの言葉を使う人と接するようにしましょう。そのような人の発信情報を見ることも効果的です。
逆に、自分の気持ちを下げるものには、なるべく触れないように情報収集の環境を整えましょう。健全な情報環境の構築が、メンタルの強化につながります。
アイデンティティとは、「自分はどのような人間だと思っているか」という自分の個性や特性を表す概念です。つまり、「自分は〇〇だ」という〇〇の部分が、あなたのアイデンティティとなります。
たとえば私の場合、
「私はデキる人を増やすコンサルタントだ」
「私は分かりやすく楽しい研修をやる研修芸人だ」
といったものが私のアイデンティティです。
そして、その中に「私は鬼メンタルだ」というものを加えるのです。
最初は嘘のように思えても、それを何度も口にしていると、だんだん本当のことのように思えてきます。なぜなら自分が言った言葉を、自分自身が一番よく聞いているからです。
そして、その言葉が潜在意識に蓄積されていき、ある一定のラインに達した時、自己イメージが「自分は鬼メンタルだ」と書き換えられるのです。
つまり、「自分は鬼メンタルだ」と何度も何度も言い聞かせることで、本当に鬼メンタルになれるということです。
そして、うまくいかない時こそ「いや、でも俺は鬼メンタルだから大丈夫だろう」と、毎回自分を鼓舞するのです。それをずっと続けていると、本当に鬼メンタルになれるでしょう。
以上、今回は「鬼メンタルの作り方10選」ということで、様々な方法をご紹介しました。「環境変化が激しい」「スピードが早い」と言われていますが、これからもその傾向は続いていくでしょう。
そのような時代を健全な心で生き抜くためには、受動的に流されるのではなく能動的にメンタルを鍛える意識が重要です。具体的にどのようなことに取り組むのかを決めておくことで、実際に行動に移しやすくなります。
指針を持つことは、自分のありたい姿を作ることにつながります。ぜひ、今回ご紹介した10個の方法の中からできそうなものから始めてみてください。そして、どのような状況においても負けない「最強の鬼メンタル」を身につけていただければと思います。
本日も最後まで読んでいただき、ありがとうございました。
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