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2019.11.11
メール、電話、会議。
生産性向上や業務効率化、時間管理などの講座をやっている中で、受講者の方々が挙げる問題の約半分が、こうしたコミュニケーションの問題です。
私自身も、一緒にプロジェクトを進めているメンバーや、外注先のパートナーさん、営業を担当いただいている方、バックオフィスのスタッフなど、仕事を進める上でいろいろな方と接します。
その中には、お互いに「1を言って10を知る」話が通じ合える方もいれば、「何が言いたいのかわからない」「どう聞いたらそう解釈するのかわからない」話の通じない方もいます。
もちろん、私の伝え方にも改善すべき点はまだまだあるのですが、話が通じる人がいる以上、できればそうした方とお仕事をしたいと考えますし、話が通じない方とはなるべく接点を持ちたくないと思ってしまいます。メールのやりとりやミーティングで、時間を浪費させられてしまうからです。
「話が通じない人」になってしまうと、それだけで人が離れていき、チャンスが逃げていってしまいます。円滑に仕事を進めるためにも、最低限のコミュニケーション能力は持ち合わせておく必要がありますし、「話が通じる人」になれば、人が寄ってくる人、チャンスを呼び寄せる人になれるとも言えます。
今回は、話が通じる人になるために必要な、コミュニケーション能力についてお話しいたします。
話が通じない最大の理由は「自分が話したいこと」を話してしまうことになります。
しかし、コミュニケーションには相手がいますので、話が通じるためには「相手が知りたいこと」にそって話を進める必要があります。
時には、自分の中で頭が整理できていない状態で、話しながら相手への要望を考える方までいます。これは結果として、相手の貴重な時間を奪うことになる失礼な行為にあたると言っても過言ではありません。
もちろん、「相談」というスタンスで、自分の頭を整理するために相手に付き合ってもらうケースもあります。しかし、その場合でも、事前にある程度は自分の中で仮説を立て、論点を整理してから、相手に相談に乗ってもらうべきです。
自分の頭で考える前から相手に相談を持ちかけることは、自分の課題を相手に「丸投げ」しているのと同じになってしまいます。
仕事におけるコミュニケーションの大原則は「相手が何を知りたいのかを考えて話す」ということです。
話が通じるようになるためには、「自分が相手に期待すること」「相手が自分に期待すること」の双方が、会話の中で明らかになっている必要があります。
そのためには、たった2つのことに留意すれば十分です。
1.相手に望むことを明確に伝える
2.要望の理由を論理的に伝える
仕事におけるコミュニケーションでは、常に話す相手に対して、
やって欲しいのかを明確に伝えることが求められます。
例えば、販促施策の企画案を提出して欲しい場合には、「今週金曜日の17:00までに、新商品の販売施策における目的・目標と実行プランを、A4用紙2~3枚程度で提出して欲しい」と伝えます。
あるいは、打合せの日程調整をする場合には、「来週一週間の中で1時間程度の打合せができる日時を、本日の17:00までに、3つ候補に挙げて欲しい」と伝えます。
こう聞けば相手は何をして欲しいのかを容易に理解できますし、誤解や都合のいい解釈を防ぐこともできます。
明確に要望を伝えることは、相手に失礼になったり、負担をかけることになったりすると思われる方もいるでしょう。しかし、むしろ要望を伝えてくれなかったり、あいまいに伝えられたりすると、聞いた相手の方が「いつまでに」「何を」「どのレベルで」を自分で考えなければならず、かえって負担になります。
提示された条件で要望に応えられない場合には、実現できるレベルにまで、条件を調整すれば良いだけの話です。要望が不明確だと、何を調整するべきなのかも見えてきません。
要望を明確に伝えることは、むしろ相手の考える負担を和らげる「優しい」行為であり、話が通じ合える相手とは、これがお互いに円滑にできていると言えます。
次に留意すべき点は、要望の理由を論理的に伝えることです。
論理的とは、
が明らかになっていることです。
目的が不明確なことに意欲的に取り組むことは困難です。要望を明確に伝えたとしても、「なぜ、それをしなければならないのか」がわからないと、実際に行動に移す動機づけが行われません。その要望に応じる必然性を理解する必要があるのです。
例えば、先ほどの販促企画の例であれば、
と論理的に伝えることにより、目的を明らかにした上で、相手に要望を伝えることができます。
働き方改革が叫ばれる昨今、誰もが「余計なことに時間を割きたくない」とますます考えるようになってきています。
限られた時間の中で成果を上げるためには、大事なことに集中することが必要です。そうした環境の中で、他の人とうまくやっていくためには、
を明確に伝え合っていくことが求められます。
ただし、これを実現するためには、仕事の全体像を描く、後工程を想像する、想定されるリスクを把握するといった業務管理能力や、礼儀・礼節、言葉づかい、タイミングなどの配慮・マナーも問われます。論理と感情の両面から、常に自分のコミュニケーション能力を磨き続ける意識が必要です。
円滑なコミュニケーションは、余計なストレスを軽減させるだけはなく、お互いに仕事に対する動機づけを与え合うことにもつながります。
お互いが「話の通じる人」になることが、良いアイデアや成果を生み出したり、生産性の高い仕事をしたりできることにつながるのではないかと、私は考えます。
本日も最後まで読んでいただき、ありがとうございました。