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2022.5.23
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先週、ある企業様でタイムマネジメント・仕事の進め方の研修をしていました。その際、受講者からいただいた「やりたいことをする時間がない」という質問に対する回答をご紹介します。
あなたは、いろいろとやりたいことがあるのに、やるべきことが多すぎて時間が作れないといったことはありませんか。「いつか時間ができたらやろう」と言っていることは、いつまでたってもできません。「いつか」は永遠にやってこないのです。
やりたいことをする時間が作れないのは、やりたいことを後回しにしてしまうからです。目の前のやるべきことに振り回されず、やりたいことをする時間が確保するには、下記の手順に従って「やりたいことの優先度を上げたスケジュール」を立てることが望ましいです。
スケジュールを立てる際は、1週間単位で考えることをお勧めします。一日の予定は崩れやすいからです。突発的な出来事、仕事の指示や依頼などはたびたび起こります。1日のスケジュールを立てて、それを忠実に守り切ろうとするのは現実的ではありません。
むしろ、一週間の中で帳尻を合わせるという考え方が有効です。たとえ1日のスケジュールは予定通りいかなくても、1週間でやることを決めておいて、週の中で時間をやりくりしながら、どこかで時間を確保すればいいのです。それで、1週間の計画は達成できたことになります。
加えて、使える時間を見える化することが効果的です。1週間の「埋まっている時間」「空いている時間」を可視化して時間管理を行うことで、やりたいことをする時間を捻出することができます。バーティカル(垂直)タイプの手帳やシートを使うと、埋まっている時間と空いている時間を視覚的に把握できるようになります。
週間計画を作る準備ができたら、次にその1週間でやることをリストアップします。ここで重要なのは、必要に迫られていることだけを予定にしないということです。
スケジュールを立てる際に「やるべきこと」「やらなければならないこと」だけをリストアップする方がいます。しかし、それだと自分の「やりたいこと」「自分のためにやること」は常に後回しになってしまいます。そして、いつか時間ができたらやろうと思い続けて、結局できないままになるのです。
やるべきことだけではなく、自分がやりたいことも計画に加えましょう。他の人と関わったり、影響したりしないこと、自分のためだけに行うことも予として計画に組み込むのです。
つまり、「やりたいこと」と「やるべきこと」を同列に扱うということです。必ずしも「やるべきこと」を優先的に考える必要はないのです。やりたいことは自分のための用事、やるべきことは他人のための用事です。なぜ、他人の用事ばかりを優先しなければならないのでしょうか。自分のための用事も、大事にしてしまええば良いのです。
やることをリストアップしたら、次に日時が決まっている予定の時間帯をブロックします。会議やミーティング、アポイント、現場作業など、どうしても、その日・その時間でなければならない用事というのがあります。こればかりは自分の都合で勝手に動かすことができないので、その予定が入っている日時を週間計画表でブロックします。
こうした予定を一通り埋めた後に、週間計画表で空欄になっている部分が、その1週間で使える残りの時間ということになります。
日時が決まっている予定をブロックした後、先に「やりたいこと」をする時間を確保します。大抵の場合、この段階で「やるべきこと」をいつやろうかと考え、優先して時間を確保しようとしてしまいます。しかし、繰り返し申し上げている通り、このやり方をしている限り、やりたいことをする時間は永遠にやってきません。
順序が逆なのです。まず、やりたいことをする時間を優先的に確保する。残りの時間でやるべきことを終わらせようと試みるのです。やりたいこと、つまり自分のための時間の優先度を上げましょう。他人の都合だけではなく、自分の都合も大切に扱うことによって、やりたいことをする時間を確保することができます。
そして、最後の工程として、やるべきことについて考えます。やるべきこと、やらなければならないことをする時間を割り当てるのです。多くの場合、この順序が逆になってしまいます。だからいつまでも自分のやりたいことができないのです。やるべきこと、やらなければならないことは、どうせいつか必ずやります。必要に迫られていることは、最後どこかで必ず終えられるのです。ところが、やりたいことは自分で優先度を上げないといつまで経ってもできません。
もし、やりたいことの時間を先に確保したために、やるべきことが時間内に収まらなくなったらどうするのか。その場合、やりたいことをする時間を削るのではなくて、やるべきことそのものを減らすことを考えましょう。具体的には、その用事の関係者と調整や交渉を行うのです。その期日でないと本当にダメなのか。そこまでのクオリティでやらないと本当にダメなのか。最低限、どこまでの水準で、いつまでに終えればいいのかを相手とすり合わせるのです。そして、できる限り最小限で済ませてもらえるよう、必要となる労力を削減していきます。
そんなにうまくいくか、と思われるかもしれません。もしそう思うのであれば、お尋ねします。あなたが最後に上司や顧客、関係者に対して、品質・納期の妥協を迫る交渉をしたのはいつでしょうか。どうせそんなことは無理だと思って、あるいはそんなことを思いつくこともなく、相手から言われた要求にそのまま応じていたのではないでしょうか。
面と向かって、改まって頼めば、意外とすんあり応じてくれたりするものです。もちろん、用件にもよりますが、必ずしも「そこまでやらなくて良かったのに」という水準にまで、いつの間にか話が膨れ上がってしまうこともあります。さらには、お互いのイメージを確認しておらず、自分が勝手に水準を引き上げてしまっていたというケースも起こり得ます。必要なのは、話を持ちかけて、交渉をしようとする勇気です。それで自分のやりたいことをする時間を作ることができるのです。
加えて、週間計画表のすべての時間を予定で埋めないということも大切です。たとえ時間内に収まるからと言って、やるべきことで時間をすべて埋めてしまわないようにしましょう。計画の段階では予期していないこと、忘れてしまっていることなど、想定外の用事が何かしら後から入ってきます。もし、スケジュールをパンパンに詰めていると、予定外の何かが1つ発生するだけで計画が崩壊してしまいます。やや余裕を持ったスケジュールを目指し、その中にやるべきことを収めようとすれば、不測の事態に振り回されることなく、自分のやりたいことを実現する時間を確保することができます。
以上、「やりたいことを実現できるスケジュールの立て方」をご紹介いたしました。「いつか時間ができたらやろう」という「いつか」は永遠にやってきません。他人の都合だけではなく、自分の都合も大切に扱いましょう。「やりたいこと」と「やるべきこと」を同列に扱うことが重要です。ぜひ、あなたも一週間の計画を立てて、やりたいことをする時間を予定として先に確保してみてください。
本日も最後まで読んでいただき、ありがとうございました。
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