【⼈⼯知能DX時代到来】ChatGPTに仕事を奪われないための3つの戦略【経営コンサルタントが解説】

今回のテーマは、ChatGPTに仕事が奪われないようにするための3つの戦略です。OpenAIが開発したChatGPTは、文章生成能力が非常に高く、短期間で広まりました。展開のスピードが早く、APIが一般向けにリリースされ、多様なアプリケーションと統合されています。しかし、その影響で人間の仕事が奪われることも懸念されています。

ChatGPTは人間の仕事を奪うのか

人工知能によって職業が失われる懸念は以前からあり、2014年にオックスフォード大学のマイケル・オズボーンが、20年後に人類の仕事の約半分がAIや機械に置き換わるという論文を発表しました。チャットGPTの登場で、この予測が現実味を帯びてきました。ChatGPTはまだ不完全で、誤った回答をすることもありますが、技術は進化し続けています。スマートフォンの歴史と同様に、生成系AIも進化し、今後はより高品質な人工知能が当たり前の世界になるでしょう。

ChatGPTにより、プログラマーやライターの職業が危機にさらされていると言われています。プログラマーは、人間の言葉をプログラミング言語に変換してコンピューターに命令を与える仕事ですが、ChatGPTの自然言語処理能力により人間の言葉でコードを書くことができるため、プログラマーの役割が縮小される可能性があります。また、ライターも文章生成が得意なChatGPTにより、仕事が奪われる可能性があります。指定されたキーワードや要約を元に、詳細な文章を容易に生成することができるため、ライターの仕事も危機に瀕していると言われています。

加えて、ChatGPTの普及により、多くのホワイトカラーの職業が置き換わる可能性があると言われています。例として、データ入力職員、レセプションミスト、秘書アシスタント、電話オペレーター、工場の組み立て作業員、銀行窓口担当者などが挙げられています。しかし、ChatGPTはあくまで道具であり、単純作業が代替されるだけで、職業そのものが消滅するわけではありません。むしろ、人工知能が単純な仕事を担当することで、人間はより高度で重要な仕事に集中できるようになると言うこともできます。

上流工程の仕事をする

仕事がChatGPTに奪われない戦略の1つは、上流工程の仕事に従事することです。人工知能やロボットは単純作業を実行することができますが、自分で課題を立てたり、クリエイティブでオリジナルなアイデアを出すことはできません。問題定義や製品開発、デザインなどのクリエイティブなプロセスは人間が担当します。人間が課題を設定し、具体的な作業を人工知能が行うことが一般的になっていくことでしょう。例えば、プログラマーやライターの仕事では、人間が解決したい課題と要件を定義し、人工知能が解決策を実行するプログラムを書く役割を担うようになるでしょう。人工知能は脅威ではなくむしろ優秀な部下と捉え、その能力を使いこなすスキルを身につけることで、今まで以上のスピードと正確さで仕事を進められるでしょう。

未来志向で仕事をする

2つ目の戦略は未来志向で仕事をすることです。人工知能は過去のデータを集計・分析し、推測を行うもので、ディープラーニングなどの技術により精度は向上していますが、過去のデータを基にした平均的な答えしか返せません。過去のデータを超えたアイデアは人工知能では出てこないため、未来志向で仕事をすることが重要です。

人工知能は過去のデータ分析や現状把握においては優秀なパートナーになりますが、未来予測や複雑な問題解決には人間のクリエイティブな脳が必要です。例えば株価予想では、不確定要素が多く100%の確率で予測できません。過去データだけでは答えが出せない問題や複雑な課題解決は、依然として人間が担当することになります。

自分のブランド価値を上げる

ChatGPTに仕事を奪われない戦略の3つ目は、自分のブランド価値を上げることです。人工知能の精度が上がり、皆がそれを使うようになると、誰しもアウトプットの質が変わらなくなり、差がつかなくなります。そのため、誰が言うか、誰がやるかが重要になり、論理や情報ではなく、発信する人間力、魅力、カリスマ性などが差別化要因になっていきます。

自分のブランド価値を高めることが、ChatGPTと競合して仕事を維持するために重要になります。人工知能が一般的になると、専門知識や情報だけでは差別化が難しくなります。そこで、個性や人間性をアピールすることで、他の人との違いを強調し、クライアントや顧客に選ばれるようになることが大切です。自分のブランド価値を高めるためには、ネットワークやコミュニケーション力の強化、信頼関係の構築などが重要な要素となります。これらの努力を通じて、人間としての魅力を磨き、人工知能と共存しながら独自の価値を提供し続けることが求められます。

仕事を続けるためには、自分の魅力やブランド価値を高める必要があります。企業が社会貢献や環境に配慮することで評価されるように、個人もブランディングが重要です。必ずしもSNSでインフルエンサーになる必要はなく、周囲から一目置かれる存在になることが大切です。人間力を向上させ、魅力を発揮することが、人工知能時代に求められる人間ならではの力です。個人のブランド価値を高め、人間の魅力で勝負することが重要です。

まとめ

今回は、ChatGPTに仕事を奪われない3つの戦略を紹介しました。人工知能やロボットが単純作業を代行することは、人手不足の解消や生産力向上に繋がり、社会にとって喜ばしいことです。少子高齢化による人口減少が進む中で、人間は高度で複雑な、より重要な仕事に集中できるようになるでしょう。デジタル時代に適応し、人工知能を使いこなすスキルを身につけ、人間ならではの仕事に集中できる状態を作り上げる準備が重要です。

本日も最後まで読んでいただき、ありがとうございました。

  

投稿者プロフィール

小松 茂樹
中小企業診断士・キャリアコンサルタント。株式会社ビジネスキャリア・コンサルティング代表取締役。人材派遣会社、健康食品会社を経て、経営コンサルタントに転身。営業力強化・業務改善・生産性向上・ビジネススキル向上など幅広い範囲で、業績向上や人材育成の支援を行っている。理論的な背景と情熱的な語り口を交えた講演スタイルに定評があり、セミナーや研修で高い支持を得ている。

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