自分の価値観はなんだろうか 2

前回の続きです。これまでの自己分析の中から、あなたの中にある価値観を探していきましょう。

キャリアインベントリーから価値観を見つける

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キャリアインベントリーを作成している場合、記載した出来事の傾向から価値観を見つけることができます。

「昇進」「出世」「転勤」などを大きく取り上げている場合であれば、「名誉」「優越感」「経済的な豊かさ」が価値観に強く影響しているでしょう。仕事の結果そのものの記載が多い場合、「貢献」や「達成感」が価値観としてあるかもしれません。

また、興味や能力から価値観を導くこともできます。方法は以前の記事で述べています。詳しくは8/14-15の投稿をご覧ください。

▼キャリアインベントリーをまとめる 3▼
▼キャリアインベントリーをまとめる 4▼

自分史から価値観を見つける

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自分史(自分年表)を作成している場合、どんな項目を多く取り上げているかを見ることで、価値観を探ることができます。カテゴリごとの色分けができていれば、各カテゴリの分布具合を見ることによって、自分の人生の中で大切な事の傾向を見ることができます。

私の場合、20代の前半は仕事と恋愛に関する事柄が多く、20代後半は趣味や友人との出来事が多かったです。こうした場合、

・仕事→成長、達成感
・恋愛→愛情、異性とのつながり
・趣味→自分の時間、ライフバランス
・友人→人とのつながり

といった価値観が見て取れます。

自分年表の使い方については、過去記事を参照ください。

▼自分年表から重要な部分を見分ける▼
▼印象深い出来事と向き合う▼

Have,Do,Beリストから価値観を見つける

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Have,Do,Beリストを作成した場合、どんなことを書いたかを読み返すことによって、価値観の傾向を見ることができます。また、過去を分析するツールと比べ「いま現在の気持ち」がより強く出ているので、価値観も鮮明に出てくるでしょう。

特にBeの欄に記載した内容は、価値観が強く影響しています。私自身はここから、「健康でいること」を価値観の上位に見出しました。

リストの作り方については、9/11の投稿をご覧ください。
▼Do,Have,Beリスト▼

一分間日記から価値観を見つける

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1分間日記を書いている場合、「夢や目標」「やりたいこと」に価値観が強く現れています。

・何がやりたいか
・何が欲しいか
・どうなりたいのか

を書き出したら、「それは自分の何を満たすためなのか」を考えてみましょう。

Do,Have,Beリストと同様、日記に書き出すことには「いま現在のあなたの感情」が強く現れています。そこには、あなたの価値観がしっかりと現れていることでしょう。

日記の書き方については、以前ご紹介した今村暁さんの考え方をご参照ください。
▼今、ここの感情と向き合う-1分間日記 その1▼
▼今、ここの感情と向き合う-1分間日記 その2▼

ステータスシートに価値観を書き出す

これまでご紹介した方法を使用して、価値観が明らかになったら、それをステータスシートに記載します。興味や能力と同様、価値観にも順位をつけてください。

ある問題に直面した時に「どういう判断をするべきか」を考える上で、価値観の順位はとても重要です。

例えば、仕事で取引先から不誠実な話が持ち込まれた時に、

正直さ>経済的な利益 の人と

正直さ<経済的な利益 の人とでは

取る行動が正反対になります。前者は上司や会社と対応を検討するでしょうし、後者の人は自分の腹の内に秘めてしまうことでしょう。

「ブレない自分」を作り、目標に向けて一貫した行動を取るためには、価値観の順位がはっきりしていることがとても大切になります。

私の場合は、このようになります↓

1. 誠実であること
2. 家庭を大事にすること
3. 心身が健康であること
4. 自己実現を果たすこと
5. 向上心と向学心を持ち続けること
6. 自分の主体性と独立性を保つこと
7. 相手に喜んでもらうこと
8. 全体の利益を図ること
9. 一流・高級を目指すこと

価値観を明文化し、優先順位がつけられたら、それをステータスシートに追記します。

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以上、これまでご紹介してきた自己分析ツールを使って価値観を見つける方法をご案内してきました。次回は、これらのツールからでは思うように価値観を見つけられなかった場合の対応として、リストから探す方法をご紹介します。

  

投稿者プロフィール

小松 茂樹
中小企業診断士・キャリアコンサルタント。株式会社ビジネスキャリア・コンサルティング代表取締役。人材派遣会社、健康食品会社を経て、経営コンサルタントに転身。営業力強化・業務改善・生産性向上・ビジネススキル向上など幅広い範囲で、業績向上や人材育成の支援を行っている。理論的な背景と情熱的な語り口を交えた講演スタイルに定評があり、セミナーや研修で高い支持を得ている。

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