常に複数の選択肢を持っておく

先週木曜日(2022年7月21日)ビジネスチャット&ビデオ通話ツールMicrosoft Teamsで障害が発生し、学校や職場などでのオンライン接続ができなくなる事態になりました。Teamsを使って授業や仕事のミーティングなどを行なっていたところでは、活動の停止を余儀なくなされたことと思います。

「Microsoft Teams」で障害 ~OfficeやSharePointなどの関連サービスにも影響拡大

先日のKDDIの障害についても言えることですが、どんな通信技術やITシステムであっても、人が作ったものであり、万全・絶対ということはありません。こうした障害は起こるものと覚悟しておき、いざという時に別の手段に切り替えられるように、常に複数の選択肢を持っておくことが必要です。

例えば、ビデオ通話であればzoomやLINE、メッセージ送信であればslackやFacebook Messenger、もしくはメール。決して日頃使うことはなくても、いざという時にすぐに使えるように、代替手段を備えておくことが必要です。

私は会社組織を離れてしまっているので、組織としてのバックアップをしているわけではありませんが、日頃からよく連絡を取り合う方々とは、slackを日常のコミュニケーションツールとしつつ、いざとなったらFacebookやメールで連絡が取れるように備えています。

仕事のツールに限らず、事業運営においても、個人のキャリア形成においても、常に複数の選択肢を持ち、「最悪の事態になっても生き残れる」ように備えておくことが重要です。

事業戦略には、複数の選択肢を持つ

先週は、経営者や管理職の方々に向けた経営戦略セミナーを行なっていました。ちょうど講座の最中にTeams障害のニュースがあったので、それを引き合いに出しながら、複数の選択肢を持つ重要性をご説明しました。

企業経営において最も重要なのは、会社を存続させ続けることです。つまり、会社を潰さないこと。これを、ゴーイングコンサーン(企業の永続性)と呼びます。ひとたび事業を始めたら、それを継続させることが経営者の責務です。事業は様々な利害関係者とのかかわりの中で続けていきます。顧客には商品やサービス、従業員には雇用の確保と賃金支払、取引先には仕入れ、出資者には配当を、継続的に提供していくことが期待されます。みなそれをアテにして事業を行い、生活を営んでいくわけです。

しかし、事業環境は常に変動しています。同じことを同じようにやり続けていても、商品も技術もいずれは陳腐化していきます。市場そのものが縮小していくこともあります。コロナ禍など予期せぬ惨事によって、主力事業の停滞を余儀なくされることもあります。

個々の事業においては、「理想的なシナリオ」「順調なシナリオ」「悪いシナリオ」の複数パターンを想定しておき、最悪の状況になっても事業が継続できるよう備えておくことが必要です。また、必ずしも規模を均等にする必要はありませんが、複数の事業、複数の取引先を持っておくことが重要です。複数の選択肢があれば、事態が変わった時には、人員や資金などの資源の配分を変えることで、生き残りをかけた戦いを仕切り直すことができます。選択肢がないと、状況の悪化とともに倒れるしかありません。

0を1にするのは容易ではなく、危機が訪れてから慌てて仕掛けても間に合わない可能性が高いです。しかし、1を10や100にするのは、もちろん大変ではありますが、0を1にするのに比べたら少ない労力、低いリスクで実施が可能です。最悪の状況に備えて、将来を見据えて予防線をはっておく。これは、事業が順調な時にこそ、地道にコツコツと進めておくことが有効です。

例えば私自身の場合、本業は法人向けの研修やコンサルティングで、その多くは前職の会社から受託で行っています。生活に必要な分くらいはこれで十分に稼げていますが、将来を見越して、他ルートからの仕事や個人向けの仕事を小規模ながらも徐々に広げています。ブログやYouTubeでの情報発信もコツコツ続けています。

決して受託業務を無碍にしているわけではありませんが、特定の何かに過度に依存している状態は健全ではなく、適切な関係性や意思決定ができなくなる恐れがあります。いざという時に自力で立て直せる状態を作っておくことが、自らへの自信や安心につながり、また多方面に仕事のルートを確保しようと動いている経験が、結果的に受託業務のクオリティを上げていくことにもなるだろうという考えです。

個人のキャリアにおいても、複数の選択肢を持つ

個人のキャリアにおいても、複数の選択肢を想定しておくことが有効です。近年は副業・兼業への緩和も進んでいることから、サラリーマンが複数の収入源を確保することも決して困難ではなくなりました。

必ずしも転職を考える必要はなく、現在の職場で職務内容や待遇が充実しているなら、それに越したことはありません。しかし、その場合であっても、「いざという時に他社で採用してもらえるのか」と自らに問い、腕を磨き続けておくことは必要です。

私はコンサルタントになる前は健康食品の会社に勤めていました。新卒採用のプロパーが圧倒的に多く、中途採用者が少ない環境だったこともあり、「外部からの視点」を持っていることが自分の存在価値の一つになっていると考えていました。中途採用者であっても、勤務年数が長くなればなるほど、次第に組織の価値観や考え方に染まっていきます。それはそれで決して悪いことではありませんが、外部からの視点を失わないようにするために、「いざとなったら、いつでも他社に行ける人材」であり続けようという姿勢を保とうとしていました。

具体的には、複数の転職エージェントに登録し、定期的に職務経歴をアップデートして、どのようなスカウトのオファーが来るのかを確認していました。提示されるオファーの業務内容、ポジション、報酬を見ることによって、自分の市場価値を確認することができ、それをどのように高めて行けるのかを考えることが、結果的に当時の職務の質を上げることにつながっていたのではないかと思います。

世の中に絶対はなく、不測の事態というのはいつでも起こり得るリスクがあります。たとえ現在の状況が非常にうまくいっていたとしても、それが永遠に続くわけではないという前提に立ち、「何があっても立て直せる」ように複数の選択肢を持っておくことが、結果的に現在の状況をより良くすることにもつながるのではないかと考えます。

本日も最後まで読んでいただき、ありがとうございました。

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