企業や組織は、なぜ人を育てなければならないのか?

「人材開発のプロになる」と書き始めたこのブログ。

休み休み続けてますが、この投稿で99件目となります。

 

投稿を重ね、また勉強を続ける中で、

そもそも、人材開発とはなんだろうか

という根本的な問いが、頭をよぎることが再び多くなりました。

100件目の投稿を前に、いま一度ここで人材開発に関する私の考えをまとめてみることにします。

 

シンプルなビジネスモデル

どうしたら会社の業績を伸ばすことができるのか

あらゆる企業や組織にとって、これは永遠の命題ではないでしょうか。

 

業績を伸ばすためにはどうしたらいいかを考えるため、ここでビジネスの基本的な構造を整理してみます。

ビジネスとは、そもそも何なのでしょう?

その本質的な問いを考えるために、生産者と消費者という2つの立場だけで構成される超シンプルなモデルを描いてみます。

 

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1.生産者は、人々の生活に役立ったり、助けたり、豊かにしたりする商品やサービスを「生産」し、世の中に提供します。

2.その商品やサービスに「価値」を見出した方が消費者となり、その「価値」を受け取り、対価(=感謝)としてお金を支払います。

3.通常、販売価格は生産原価、および商品を提供するための経費の合計を上回るよう設定しているため、生産者が消費者からお金を受け取ると、そこには「利益」が発生します。

つまり、消費者は生産者に対し、生産と提供に関わる費用(「原価」+「経費」)+「感謝の気持ち」を「価格」として支払うのです。

4.生産者は、消費者からいただいた「利益」を元手として、情報を収集したり、設備を増強する、従業員を雇用するなどの「投資」を行います。

「投資」をすると、新しいものを開発したり、既存のものを改良したりして、商品やサービスのさらなる品質向上と「再生産」がなされます。

5.そして、再び商品やサービスを世の中に提供するのです。

業態・規模を問わずあらゆるビジネスは、シンプルに考えるとこのモデルを基本として成り立っているのです。

 

経営の4資源

こうしてビジネスのモデルを考えると、生産活動を行うには資源が必要なことがわかります。

一般的な理論では、経営の資源として

・人
・物
・金
・情報

の4つが挙げられます。

しかし、

・物は、人が作り
・金は、人が作り出し
・情報は、人が生み出したり、収集したりするのです

したがって、4つの経営資源の中で最も重要なのは人であるのだと、私は考えます。

 

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業績を上げるためには、商品やサービス、ビジネスモデルも確かに重要です。

しかし、それらをも生み出すのは、結局は「人」なのです。

企業や組織を構成する「人」が人格・能力の両面で優れていればいるほど、物・金・情報は自然と生み出されていきます。

したがって、人のレベルを引き上げることが、最終的に成果や業績に結びついていきます

よって「人材開発は経営の最重要課題である」というのが、私の考えであり、人材開発を効果的に行うことができればあらゆる企業活動は成功への道を辿ることができると思うに至りました。これが、私が人材開発のプロを志そうと思った理由です。

 

次回に続きます。

  

投稿者プロフィール

小松 茂樹
中小企業診断士・キャリアコンサルタント。株式会社ビジネスキャリア・コンサルティング代表取締役。人材派遣会社、健康食品会社を経て、経営コンサルタントに転身。営業力強化・業務改善・生産性向上・ビジネススキル向上など幅広い範囲で、業績向上や人材育成の支援を行っている。理論的な背景と情熱的な語り口を交えた講演スタイルに定評があり、セミナーや研修で高い支持を得ている。

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