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2016.8.1
今回はやや過激な投稿になってしまったかもしれません。ひとつの考え方だと思って、寛容にご覧ください(^^ゞ
昨日、新しい都知事に小池百合子さんが当選されました。
注目されていた三名の候補者の中で、自分の意志で手を上げたのは小池さんだけ。真っ先に手を上げ、周囲の反対・抵抗と戦いながらも決して屈することのなかった姿からも、たいへん強い意志であったことをお察しします。
東京は世界トップクラスの巨大都市です。問題も山積しています。都知事は大変なお仕事です。どうせなら、やりたい人にやっていただきたいものです。これからが楽しみです。
さて、その小池さんですが、選挙中に「満員電車の問題を解決する」ことを掲げられていました。
実際にどうやって解決するかはこれからの議論でしょうし、その道程は平易なものではないでしょうが、課題として掲げていただいたことは嬉しい限りです。
何かをしようとすると、すぐ「どうやってやるんだ?」と方法論に焦点をあてたがる方もいますが、方法なんてどうとでもなります。肝心なのは意志と意欲です。
本気で「解決したい!」という志がなければ、「器作って魂入れず」です。どんな制度・システムを作ったとしても機能しません。
みなが「満員電車をなんとかしたい」と心を一つにできれば、運用はちぐはぐながらも後からついてきます。ビジョンを掲げることが最優先であり、最重点です。
小池さんの過去のご活躍で真っ先に思いつくのが「クールビズ」の導入です。小泉政権時、小池さんはクールビズの啓蒙担当として、夏場の日本人サラリーマンからネクタイを外すという偉業に大きく貢献してくださいました。
それまで、誰もが本心では「イヤだ」「不毛だ」と思っていながら、社会規範という強大な敵に抗えず、しぶしぶ服従せざるを得なかったネクタイの着用。
今でこそ、みな当たり前のように5月頃からネクタイを外すようになり、加えてジャケパンスタイルもずいぶんと浸透してきましたが、考えてみればそれもつい11年前の話です。
もちろん、一部の企業や個人事業主の方々は、クールビズ以前から自由な服装をされていたかもしれませんが、社会全体にインパクトを与えるとなると、やはり政治の持つ力は大きいと思います。
その意味では、夏場のネクタイと同様に、誰もが本心ではイヤだと思っていながら抗うことのできなかった満員電車問題に、政治が一石を投じてくれた意義は大きいです。
どうか話が流れることなく、都議会で議論されることを願います。
誰も好き好んで、毎朝ぎゅうぎゅう詰めの電車になど乗りたくはありません。みな本心では、そこから解放されたいと思っていることだろうと思います。
かつてクールビズがそうであったように、ハッキリとしたビジョンが掲げられ、みながそれに賛同し、本当に何とかしたいと思うようになれば、きっと現実も動きます。
毎朝、満員電車で息苦しい移動をする生活が、人の生き方として正常な状態とはとても思えません。
具体的な解決策としては、「ズレ勤」「テレワーク」「SOHO化」などが考えられるでしょうが、前述の通り方法論は後からで十分です。
むしろ、議論が過熱して、いっそのこと「雇用」というシステムそのものも見直されるきっかけにならないかなと願います。
人事経験者として感じることは、日本の企業は人を採用するのにも手が掛かり過ぎる上、一度採用したらよほどのことがない限り解雇ができません。
これが、年功序列という時代の役目を終えた制度を依然として支えている要因となり、生産性の低下を著しく招き、能力開発の鈍化とプロ意識の低下を招いているとも思います。
(日本人の一人あたり・労働時間あたりのGDPは諸外国と比べてもあまりにも低いです。決して能力が低いとは思いません。働き方が非効率すぎるのです)
日本の会社組織の多くは、完全に制度疲労に陥っています。本来であれば、もっと価値を生み出し、もっと利益を出せるはずなのに、足枷が大きすぎて、動きが鈍くなっていると言わざるを得ません。
グローバル化の今、企業に必要なのは規模ではなく、フットワークの軽さではないかと考えます。スリムな組織の方が、価値を生み出すまでのスピードは確実に早いです。
ポストのためのポストが無駄な仕事を生み出し、やっていることが事業価値に直結しない仕事が雪だるま式に増えて止められません。
競争加熱、格差拡大だという反論を抱かれる方もいるかもしれませんが、いっそのこと会社員がみな個人事業主化して、プロジェクトごとに事業主と業務委託契約を結ぶ・・・なんていう働き方も考えられるのではないでしょうか。
日本人にはもっと発揮できるはずの可能性や才能が眠っている。私はそう信じています。
人が人として幸せに生きるために、日本人にとっての労働というもののあり方が既成概念から解放されることを、経営コンサルタントとして、そしてキャリアコンサルタントとして切に願っていますし、
そのためにいま自分ができることを、日々の仕事の中で一つひとつやっていきたいです。
満員電車問題が、そのきっかけを作ってくれることを祈ります。
本日も最後まで読んでいただき、ありがとうございました。