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人材育成

2026.2.4

効果と満足度を高める研修会社の選び方

はじめに

社員研修を実施したいと考えているものの、どの研修会社に依頼すればよいのか分からないという悩みを抱えている経営者や人事担当者の方は少なくありません。複数の研修会社から提案を受けたものの、何を基準に極めていいのかわからないと悩まれることもあるでしょう。

研修会社選びは非常に重要な意思決定です。当社でお請けする研修案件の中には、他社からの転換というケースも少なくありません。以前依頼していた研修会社に物足りなさを感じたり、期待と異なる内容だったりという理由で、新たにご相談をいただくことがあります。詳しくお話を伺うと、「なぜその会社に依頼してしまったのか!」と感じることも多いのが実情です。

研修には相応の費用がかかります。せっかく投資をするのであれば、優れた研修会社を選び、質の高い講師を招くことで、期待する効果と満足度を得ることが望ましいです。今回は、研修会社を見極める視点について解説いたします。

研修会社の実力を決める三つの要素

研修会社の実力は、「企画力」「開発力」「講師力」という三つの要素で決まります。

企画力:顧客ニーズに寄り添う力

企画力とは、言い換えれば「顧客ニーズに寄り添う力」です。当たり前のことのように思えるかもしれませんが、実際にはこれができている会社はそれほど多くありません。

お客様からご相談をいただく際、多くの場合、課題は非常に曖昧な状態です。「何かをしなければならないことは分かっているが、具体的に何をすればよいのか分からない」という状況で相談されるわけです。したがって、お客様が抱えている課題を分析して明確にし、それを解決するために何をすべきかを考えられる会社、担当者でなければ、期待外れの結果に終わってしまいます。

例えば、「若手社員のモチベーションが低い」という問題があったとします。この相談に対して、「分かりました。それではモチベーションアップ研修を実施しましょう」と答えるのは最悪の対応です。モチベーションが低いと思われている若手社員を集めて、モチベーション研修を行うと告げたら、どのような雰囲気になるでしょうか。「自分たちはモチベーションが低いと思われているのか」という反発心が生まれ、最初から研修の雰囲気が悪くなってしまいます。

モチベーションが低いというのは結果であり、その結果そのものに対処しようとするのは対症療法に過ぎません。仮に、その研修で一時的にモチベーションが上がったとしても、根本的な原因が解決されていなければ、すぐに元に戻ってしまいます。

真の企画力とは、モチベーションが低い原因を探り、どこに手を入れるべきかを考える力です。原因としては、会社の目的や理念、価値観が共有されていないこと、心理的安全性が低いこと、コミュニケーション不全や人間関係の問題、仕事の評価や承認が不足していること、将来への漠然とした不安など、様々な可能性が考えられます。

効果的な企画を立てるためには、お客様との対話を重ねて潜在的なニーズを掘り下げるヒアリング能力、得られた情報を論理的に組み立てる問題解決能力、曖昧な課題を言語化する力が必要です。これらの能力を持つ会社であれば、ヒアリング内容に基づいた適切な企画が作れますが、そうでない場合は既存のパッケージ商品の中から選ぶ対応しかできず、期待外れに終わる可能性が高くなります。

開発力:企画を具体的なプログラムに変える力

開発力とは、企画に基づいて具体的な研修プログラムをつくる力、すなわち「具現力」です。優れた企画ができたとしても、それを実際の研修に落とし込めるかどうかは別の能力が必要になるのです。

研修を実施する際には、時間や予算の制約、受講者の人数、集合形式かオンライン形式かといった様々な条件があります。そうした条件の中で企画を実現するために、どのような研修プログラムを設計すればよいかを考えなければなりません。

研修で効果を得るためには、話を聞くだけでは不十分です。研修は講演会とは異なります。もちろん、インプットとして知識や理論の学習も必要ですが、実際に何かを行うアウトプットの場面を作らなければ、能力開発にはつながりません。それでは、研修ではなくセミナーになってしまいます。

研修のゴールに到達するためには、どのような演習を設けるべきかを考え、実際にそれを作る必要があります。具体的には、チェックリストや診断ツール、ケーススタディ、ロールプレイングの場面設定、グループワークのアウトプットイメージなどを作成します。これらを用意しておかなければ、研修が円滑に進まなくなってしまいます。このような教材は誰でも作れるものではありません。話が上手な講師であっても、研修プログラムを自分で作ることができない方も、実際に多くいらっしゃいます。

企画力と開発力の組み合わせによって、研修の質は大きく変わります。企画力も開発力も低い場合、既存のパッケージの中から選んでもらうというスタイルになります。多くの研修会社がこのパターンです。もちろん、パッケージ研修でニーズに対応できれば良いですし、当社にもパッケージはあります。しかし、それで対応しきれないことも実際に多いのです。

企画力が高くても開発力が低い場合、打ち合わせで聞いた内容と実際の研修が異なるという期待外れの結果になります。一方、開発力が高くても企画力が低い場合、研修の内容自体は良くても、お客様が求めていたものとは異なるというミスマッチが起こります。

理想は、企画力も開発力も高い会社です。顧客ニーズを潜在レベルまでしっかりと掘り下げ、それを具体的な研修プログラムとして作り上げることができる会社が、真に価値のある研修を提供できます。そして、当社ビジネスキャリア・コンサルティングは、明確にこのポジションでやっています。

パッケージ研修とオーダーメイド研修

パッケージ研修が悪いわけではありません。費用が安く抑えられ、納品までが早いというメリットがあります。すでに完成しているものを提供するため、極端な話、明日実施してほしいという要望にも対応可能です。ただし、お客様のニーズには完全には合致しません。

ニーズに応えるならば、オーダーメイドで研修を作成するか、パッケージ研修をアレンジ・カスタマイズする方が、効果性は高くなります。デメリットとして、料金が高くなることと、納品までに時間がかかることが挙げられますが、効果は抜群です。

当社でのオーダーメイド研修の例として、あるIT企業で問題解決研修を依頼された際、その会社で実際に起きたインシデントの事例を題材にして教材を作成してほしいというご要望をいただきました。

このような要望に対応できない会社は多く、「それは難しいので、当社が用意している別のケーススタディで」と提案することが一般的です。しかし、実際に当事者の方にお話を伺い、それを文章にして教材化し、受講者が自分ごととして考えられるようにアレンジすることで、「その会社に合った」問題解決のイメージを提供することができ、高い効果を得ることができます。これが開発力なのです。

講師力:研修を成功に導く要素

良い研修プログラムができたとしても、それをしっかりと納品できるかどうかは、また別の問題です。ここで問われるのが講師力です。多くの研修会社では、研修プログラムを作る人と登壇する人が別であることがあります。せっかく優れたプログラムを作成しても、それを本番でしっかりと再現できなければ、期待する効果は得られません。

講師力を構成する要素として、まず話術があります。企業で実施する研修の場合、受講者の約7〜8割は積極的ではない状態で参加しています。「なぜこんなに忙しいのに研修などに参加しなければならないのか」という気持ちで来る方も多いのです。そのような状態でも満足していただくためには、前提として、まず研修は面白くなければなりません。

話術としては、物事の本質や結論を明確にズバリと言えることと、それを具体的な例え話に置き換えて、受講者が自分事として捉えられるようにすることの両方が重要です。抽象的すぎてもピンと来ず、具体的すぎても何が言いたいのかわからない。抽象と具体を往復しながら説明する技術が必要です。

より重要なのがインストラクションスキル、つまり研修の運営能力です。演習の指示を的確にできるか、時間の制約や状況に合わせて臨機応変に対応できるか、そして受講者の発表に対してしっかりとフィードバックを返せるかが問われます。

また、教材理解力も重要です。研修プログラムを作る人と実際に研修を行う人が別である場合、講師が研修プログラムをしっかりと理解できていなければ、表面的な説明で終わってしまいます。理想的には、登壇する人が研修プログラムを設計することが望ましいです。当然、講師にはそれができる高い力量が求められます。

さらに、状況把握力と柔軟性も必要です。どのような例え話をするか、どこまで掘り下げて説明するかは、実際の受講者の反応を見て変えていかなければなりません。決められた通りにしかできない講師だと、途中でタイムオーバーになってしまったり、重要な部分をスキップしてしまったりすることがあります。

そして最後に、最も重要なのが人としての魅力、人間性です。研修講師という意味において重要な人間力は、言行一致、つまり言っていることとやっていることがしっかりと一致しているかどうかです。自分自身でやっていないことは力強く言えません。自分がやっていることだからこそ、自分の事例で説明することができ、高いエネルギーを持って伝えることができます。そういう講師からの話は、満足度が高く、その後の行動変容につながります。

まとめ

研修会社はどこでも良いわけではありません。お金をかけるのであれば、多少費用がかかっても優れたものを作ってもらい、質の高い講師に来てもらう方が、効果性は確実に高くなります。研修を企画する際に、得たい効果について一緒にしっかりと考えてくれる会社に依頼することで、優れた研修ができます。

ただし、優秀な講師は人気があるため、早めに日程を押さえなければその人を呼べないことがあります。研修は計画的に行うことが重要です。私も、早い場合は1年半前からご依頼をいただくこともあり、半年前になると繁忙期はもう受けられない状態になっています。

企画力、開発力、講師力の三つの視点から研修会社を見極め、自社の課題解決に真に貢献できるパートナーを選択することが、人材育成の成功につながります。

本日も最後まで読んでいただき、ありがとうございました。

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