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セルフマネジメント

2026.4.24

職場の「嫌なやつ」から心を守る!感情のコントロール術5選

職場の「嫌なやつ」に感情を乱されていませんか?

朝からいきなり理不尽な要求をされてイライラが止まらない。
同僚から心ない言葉を投げかけられて気持ちが萎えてしまう。
周りに目障りな人がいて仕事に集中できない。

こうした経験は、多くの方に共通するものではないでしょうか。

せっかく今日も頑張ろうという気持ちで出社したのに、周りの誰かのせいで気持ちが乱れてしまう。そうなると仕事のパフォーマンスが下がるのはもちろんのこと、何より気分が悪くなります。かといって「我慢しなければ」と思えば思うほどますます苦しくなりますし、感情を乱されないようにしようと意識していても、なかなかうまくいかないものです。

そのような状況が続くと、

「自分は人の影響を受けやすいのかもしれない」
「感情のコントロールができないタイプなのかもしれない」
「考えていることが顔に出てしまう性格なのかもしれない」

と、自分の内面や性格の問題として捉えてしまう方もいらっしゃるかもしれません。

しかし、感情のコントロールは性格ではなく、技術です。

実際に仕事で成果を出している方は、総じて感情のコントロールが上手です。不機嫌な様子で、感じの悪い状態のまま仕事をしてうまくいっている人はあまり見かけません。うまくいっている人はいつも機嫌が良く、にこやかで余裕がある雰囲気を持っています。

もちろん、生まれ持った気質の部分もあるかもしれませんが、そのような方々であっても、意識的に感情をコントロールする技術を身につけているのです。

マイナスの感情を表に出すと、マイナスを呼び寄せていきます。問題が次々と起き、人が離れていったり、付き合いにくい人が近づいてきたりします。プラスの感情で仕事に取り組む状態を保つことが、仕事においても人間関係においても非常に重要です。

この記事では、感情をコントロールするための具体的な方法を5つご紹介します。ぜひ最後までご覧いただき、気持ちよく仕事ができる日々のヒントにしていただければと思います。

感情コントロールの大前提となる「心の傘」を差す考え方

具体的な方法に入る前に、まず大切な原則をお伝えします。

感情が乱される場面では、「あの人さえいなければ、私の心は平和なのに」と思いがちです。しかし、そう思えば思うほど苦しさは増していきます。相手を変えようとするから苦しくなるのです。

嫌なことを言ってくる相手を止めたい、その人から離れたい、どこかへ追い払いたい。そういった気持ちはよく理解できます。しかし、他人を変えることは難しいものです。

自分の気持ちを乱してくる周囲の人間も、環境の一部です。環境に文句を言っても変わらないのは、道を歩いていて突然雨が降ってきたときに「雨、降るな!」と叫んでも雨が止まないのと同じことです。

では雨が降ってきたときにどうするかといえば、傘を差すわけです。雨そのものを止めることはできなくても、傘を差すことで自分の身を守ることができます。感情のコントロールも、これと同じ発想です。

心の傘を差せばよいのです。

理不尽なことを言ってくる人、嫌なことを言ってくる人を完全に遠ざけることは難しいかもしれませんが、心の傘を差しておけばダメージを受けずに済みます。自分自身を撥水加工することができれば、雨に濡れることなく、つまりダメージを受けることなくやり過ごすことができるのです。

それでは、その具体的な方法を5つ見ていきましょう。

感情をコントロールする5つの具体的な方法

 出来事と自分を切り離す「メタ認知」

1つ目は、メタ認知です。「メタ」とは「より上位の」という意味を表す概念です。自分自身を客観的に観察するという意味合いで、「メタ認知」という言葉が使われます。

具体的には、自分の状況を一歩引いた視点から見て、まるで実況中継をするように状況を捉えていくのです。

気持ちが乱されるのは、自分自身の感情とその出来事がぴったりとくっついているからです。そこで、その二つを引き離すイメージを持つことが重要です。たとえば、誰かに嫌なことを言われたとき、心の中でこのように実況中継してみてください。

「おっと、〇〇さんは今ムカッとしていますね。自分のストレス発散のためにこちらを攻撃してきました」

天井から自分とその周囲の状況を見下ろすようなイメージです。自分を状況から切り離し、観察者の立場に置くことで、「これを見ている自分」と「その場にいる自分」を別の存在として認識できるようになります。そうすることで、ダメージを受けにくくなっていくのです。

② 怒りをやり過ごす「6秒ルール」

2つ目は、6秒ルールです。アンガーマネジメントの手法としてよく知られている考え方です。

そもそも怒りの火種は、人間の脳の「扁桃体」という部分で生まれます。この火種が脳の理性的な部分に移ったとき、怒りの感情を認識するようになります。そして、この火種が理性の部分に移るまでの時間が、約6秒と言われています。

つまり、その6秒をなんとか堪えることができれば、怒りの火種はそれ以上大きくならずに済むということです。

何か言われたり、されたりしてカチンときたら、心の中で「1、2、3、4、5、6」と数えてみましょう。鼻から大きく息を吸い、口から細くゆっくりと吐き出す。6秒かけて深呼吸をすることで気持ちを整えます。これにより、脳の興奮を抑えることができ、怒りの火種をそのまま消すことができます。それ以上燃え広がらなくなるのです。

感情的になればなるほど頭が回らなくなります。感情を乱されてしまうと余計に状況が悪化してしまいます。この6秒ルールは実際に職場で非常に有効な手段です。

③ 相手に期待しない「課題の分離」

3つ目は、「課題の分離」というアドラー心理学に登場する考え方です。アドラー心理学では「すべての悩みは人間関係の悩みである」というスタンスに立ちます。そして、その人間関係の悩みを解決する方法として、「自分の課題」と「相手の課題」を分けて考えることが提唱されています。

課題には、「自分が対処できること」と「対処できないこと」があります。自分の手に負えない相手の課題についていくら考えても、なす術はありません。できることは、やり過ごすことだけです。だからこそ、自分の課題に集中することが重要です。

たとえば、上司の機嫌が悪かったとします。しかし、その上司の機嫌が悪いということは、上司側の課題です。機嫌の悪い上司の気持ちをこちらが変えることは、不可能ではないかもしれませんが、非常に難しい話です。であれば自分はどうするべきかというと、不機嫌な上司のことはそのままにして、自分の仕事に黙々と淡々と集中するしかないのです。

イライラさせてくる存在、目障りな人がいたとしても、その人をどうにかしようとすること自体を諦める。自分はただ自分のできることに集中する。相手に変に関わろうとしない。そのくらい冷静な距離感で周囲を見ていった方が、自分の感情は安定し、コントロールしやすくなります。

「他者の機嫌は、自分の課題ではない」——この視点を持つことが心の安定につながります。

④ 物の見方を変える「リフレーミング」

4つ目は、リフレーミングです。「リ」は「再び」、「フレーミング」は「枠組みを作る」という意味です。つまり、物を見る枠組みを変えることです。

この「枠組みを変える」という感覚は少しつかみにくいかもしれません。「眼鏡の掛け替え」というイメージで考えると良いでしょう。目に映るものの見え方を、別の捉え方に変えてしまうということです。

そもそも、出来事そのものに「良い」「悪い」はありません。事実は事実です。その事実に対して「良い」「悪い」という評価を付けているのは、私たちの解釈です。この解釈そのものを変えることができれば、事実は何も変わっていないのにダメージを受けずに済むようになります。

例えば、口うるさい上司がいるとします。その上司を「口うるさい嫌な人」のまま捉えていたら気分は悪いままです。しかし、この上司を「自分の忍耐力を高めてくれるパーソナルトレーナー」として捉え直したらどうでしょう。仕事の邪魔をしてくる人がいれば、「ゲームの難易度を上げてくれる敵キャラ」のように思っておくのも一つの方法です。

事実や状況は変わりません。しかし、いかに自分にとって都合のよい解釈をするかによって、気持ちの平穏さを保つことができます。

⑤ 自分を褒める「自画自賛」

5つ目は、自画自賛です。自分で自分を褒め、自己肯定感・自己効力感を高めていくことです。誰かから何か言われても「自分には関係ない」「自分はすごい」とある意味で自己暗示をかけていくようなイメージです。

そもそも、周囲から批判されたり攻撃されたりするときに、自分まで自分を責めてしまったら逃げ場がなくなってしまいます。それよりも、自分自身がどっしりと構えて、むしろ「あなたは何を言っているのか」くらいの気持ちで受け流せるようになることが理想です。それくらい自分のことを好きになり、「自分はすごい」と言い聞かせていくことが大切です。

もちろん、これは一朝一夕にできることではありません。積み重ねが必要です。

おすすめの方法の1つとして、「自分褒め日記」があります。毎日2行程度で構いません。「今日はこれができた」「こんなことをやり遂げた」内容は些細なことで十分です。予定していた仕事を計画通りに終えられた、面倒な仕事を一つ片付けた、それで十分です。

毎日毎日積み上げていくと、「自分はすごいな」という感覚が育まれていきます。この自画自賛を繰り返すことで、やがて本心から「自分はすごい」と思えるようになり、それを疑わなくなっていきます。そうなると、他の人から何か言われても気にならなくなります。むしろ、「自分の良さや能力がわからないのかな」という目線で相手を見られるようになっていくのです。そうなれば、周囲に感情を乱されることがぐっと減っていきます。

感情コントロールは練習で上達する技術

今回ご紹介した5つの方法をまとめると、以下のとおりです。

·       メタ認知——出来事と自分を切り離し、状況を客観的に実況中継する

·       6秒ルール——カチンときたら深呼吸で6秒をやり過ごし、怒りの火種を消す

·       課題の分離——相手の課題に巻き込まれず、自分のやるべきことに集中する

·       リフレーミング——出来事の解釈を変え、都合のよい意味づけをする

·       自画自賛——自分を褒めて自己肯定感を高め、外部の評価に左右されない土台を作る

これらの方法には、得意・不得意や向き・不向きがあります。すべてを一度に実践しようとするのではなく、まずは自分が使いやすそうなものを選んでいただき、それを繰り返し試してみてください。感情のコントロールは技術ですから、練習すればするほど上達していくものです。

感情が乱されて気持ちが落ち込んだり、イライラしたりすると、良い仕事ができなくなります。そして良い仕事ができなくなると、さらにイライラが増していきます。この悪循環に入ってしまうと、なかなか抜け出せなくなってしまいます。

気持ちよく仕事をする。安定した心で仕事をする。そのためには、心に傘を差して、周囲からのダメージを受けないようにバリアを張ることが必要です。ぜひ今回ご紹介した方法の中から、あなたに合ったものを試しながら探してみてください。

感情のコントロールを磨くことは、仕事のパフォーマンスを高めることに直結します。日々の積み重ねの中で、少しずつ「心の傘」を育てていきましょう。

本日も最後まで読んでいただき、ありがとうございました。

この記事を書いた人

小松 茂樹(こまつ しげき)

中小企業診断士・キャリアコンサルタント。株式会社ビジネスキャリア・コンサルティング代表取締役社長。「デキる人を増やして社会をもっと快適にする」を理念に、人事・組織コンサルタントや研修講師として活動。理論的な背景と情熱的な語り口を交えた講演スタイルに定評があり、セミナーや研修で高い支持を得ている。登壇実績 862件、1,015日間(のべ受講者数17,334名)*2025年12月末現在

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