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キャリア

2026.4.18

楽して稼ぎたい人が根本的に間違っていること

「働きたくないけどお金は欲しい」という発想の落とし穴

新入社員研修や若手社員研修で、若い世代の方々とお話をする機会が多くあります。休憩時間などに「これからどうするのか」「将来どうしたいのか」といった話題になると、驚くような回答が返ってくることが少なくありません。

「早く仕事を辞めたい」「なるべく働きたくない」「投資で儲けたい」といった言葉を、周囲に人事担当者がいる場でも平然と口にする若い方が増えています。今の若い世代の方々が、こうしたことをオープンに話す姿はひとつの価値観の変化だと感じながら聞いています。

こうした考え方を持つこと自体を否定するつもりはありません。生き方に正解はなく、人それぞれです。しかし、「仕事はしたくない、働きたくない、でもお金は欲しい」というのは、かなり厳しい発想です。

特に注目したいのが「投資で稼ぎたい」という考え方です。NISAなどの制度が整い、投資が身近になったこともあり、20代の方からこうした声をよく耳にします。投資そのものは悪いことではありませんし、余剰資産を効果的に活用する手段としては有効です。しかし、投資をメインの収入源にしようという発想は非常に危険です。

投資とは、他人の事業にお金を委ねることです。株式を購入するということは、その会社の事業にお金を出し、他人の努力に乗っかってお金を動かしているに過ぎません。根本は他力本願であり、コントロールが利かないものに自分の収入を委ねている状態です。着実に稼ぎたいのであれば、他人の事業ではなく、自分自身に投資するべきでしょう。自分自身であれば「コントロールが可能」だからです。

ビジネスの本質は「人のニーズを満たすこと」

お金持ちの8割程度は、自らビジネスを行うことで収入を得ています。ビジネスの本質は、人のニーズを満たすことです。そのための製品やサービスを作り、提供し、その対価としてお金をいただく。ビジネスとは価値交換であり、より多くの人のニーズを満たし、より大きな価値を提供することで、収入は拡大していきます。

しかし、最初からたくさんの人のニーズを大きく満たすことは難しいものです。まずは小さなところから始めて、徐々にスケールを拡大していくことが大切です。規模の大小があっても、本質的な構造は全く同じです。人のニーズを見つけ、そのニーズを満たす。この基本的な構造さえ押さえておけば、あとはそれをスケールさせていくだけです。

会社員として働いている方であれば、まず上司の指示を完璧以上にこなすことから始まります。ただ仕事をこなすだけではなく、徹底的かつ圧倒的に仕事に取り組み、突出した成果を出す。そうすると「この人はすごい」と評価され、より大きな仕事を任されるようになります。上司だけでなく、同僚、先輩、取引先、お客様と、満たすべきニーズの対象が広がり、仕事のレベルが上がっていくことで、稼げるようになっていくのです。

目の前の仕事すらできない人が、より多くの人の、より大きなニーズを満たせるわけがありません。小さなことができない人が、大きなことをできるはずがないのです。目の前の仕事は、ビジネスで成功するための力を身につける修行のようなものです。それを軽視している間は、次のチャンスはやってきません。

自分でビジネスを作り、仕組み化して他の方に動いていただくことで収益が上がる構造を作れたなら、そのときはじめて「楽をする」ことが許されるのだと思います。しかし、そのビジネスを作るという過程を省略して、リスクを背負って頑張っている人たちの努力にただお金だけを注ぎ込んで楽をしようとしても、それで人生がうまくいくはずがありません。まずは働くこと、そこからすべてが始まります。

稼げる仕事の3つの条件

稼げるようになるためには、稼げる仕事の条件を理解したうえで、今自分がいるステージの中でそれを再現していくことが重要です。その条件は3つあります。

自分たちの手で作り出したニーズであること

1つ目は、自分たちの手で作り出したニーズであることです。例えばコンサルタントや中小企業診断士の世界でも、稼げている方と稼げていない方がいます。稼げていない方の多くは、どこかの会社や公的機関からの依頼を受けて仕事をする「下請け」の構造になっています。

もちろん、立派な仕事です。しかし立派な仕事であることと、稼げることは必ずしも一致しないのです。稼げるかどうかは構造の問題であり、稼げる仕組みの仕事をしなければ稼げるようにはなりません。

自分たちが発見した、あるいは作り出したニーズ、特に「潜在ニーズ」を見極めることが大切です。お客様から明示的に求められていなくても、「きっとこういうものが役に立つだろう」と自ら考えて提案していく。これがビジネスになります。

そのためには、人を観察し、人の話を丁寧に聞くことが必要です。人のニーズを大きく分けると「痛みを避けること」と「快楽を追求すること」の2つしかありません。今困っていることを解消するか、より良い状態に導くか、その役に立つ製品やサービスを作っていくことが基本です。

自分たちの手で作った製品・サービスであること

2つ目は、自分たちの手で作った製品・サービスであることです。人のニーズを満たすための商材を入手する方法としては、他人が作ったものを仕入れるか、自分たちで作り出すかの2つがあります。仕入れて売ること自体に問題はありませんし、品質の高いものを提供するためにあえて仕入れを選ぶ場面もあります。当社もインバスケット演習など、自社が作るよりも良いものがあれば、それを仕入れて販売しています。

しかし、仕入れた商材を扱う場合、儲かる幅は限られます。仕入れコストを差し引いた差分しか利益が出ないからです。一方、自分たちの手で作ったものは、原材料費を除けばすべて利益(付加価値)になります。丸儲けなのです。

自分たちの手で作り出したニーズに対して、自分たちの手で作った製品やサービスを納品していく。これがビジネスの基本であり、それが収益につながります。大手のスーパーやコンビニがプライベートブランド商品を展開するのも、まさにこの理由です。

継続できる仕組みがあること

3つ目は、継続できる仕組みがあることです。ビジネスは一度きりで終わりではなく、自然にお金が入ってくる構造を作ることが必要です。毎回ゼロからニーズを探し、商材を作り、お客様を獲得していては、資源がいくらあっても足りません。再現性を持って繰り返し同じことができる仕組みを作ることが重要です。

例えば、サブスクリプション型のサービスや、他社の製品・サービスに乗り換えにくくするスイッチングコストの高い設計、あるいはエコシステムの構築などが挙げられます。できる限り取引を継続していける仕組みを作ることで、安定した収益を確保することができます、

また、中小企業や個人事業であっても実現できる再現性の仕組みとして、特に有効なのが「標準化」です。一度作ったものを別のお客様に再販できる汎用的な形にしていくことで、開発・生産・納品コストが下がり、数をこなすほど品質も安定し、提供価値も高まっていきます。1の労力を10にも100にも回収できるようになることで、楽に稼げる構造が生まれていきます。

自分自身への投資こそが最大のリターンをもたらす

お金持ちを目指すことは良いことです。私もお金が大好きです。やりたいことを実現するためにはお金が必要です。お金があれば、いまの自分にできないことをどんどん実現していくことができます。

そして、お金を稼ぐためにはビジネスをする必要があり、ビジネスの本質は人のニーズを満たすことです。より多くの方のニーズ、より大きなニーズを満たすことで、稼げるようになっていきます。そのためには、自分たちの手で作り出したニーズに対して、自分たちの手で作った製品・サービスを納品できるようにしていくこと、それに継続性と再現性を持たせることが大切です。

こうしたことは、経営者や社長にならなければできないことではありません。業種や職種、立場を問わず、本質は同じです。まず人のニーズを満たすことに全集中する。そのためにも、徹底的かつ圧倒的に仕事をする。「お願いするならあなたがいい」と言われる存在に、まず自分がなることです。

自分でコントロールできないものに、自分の人生を賭けるのは望ましい姿とは言えません。自分の資産を最大化するための最良の投資先は、何といっても自分自身なのです。自分の能力と魅力を磨き続けることが、すべての土台となります。

稼ぐ力さえ身につければ、どのような状況でも道は開けます。目の前の仕事を完璧以上にこなし、圧倒的な存在になれば、より高いニーズを満たしてほしいという要求が必ずやってきます。それに応え続ける限り、雇用されて働く立場であっても、自ら事業を起こす立場であっても、今よりはるかに稼げるようになっていきます。どこに行っても通用し、どんな時代にも生き残れる、圧倒的に仕事ができる人を目指していきましょう。

本日も最後まで読んでいただき、ありがとうございました。

この記事を書いた人

小松 茂樹(こまつ しげき)

中小企業診断士・キャリアコンサルタント。株式会社ビジネスキャリア・コンサルティング代表取締役社長。「デキる人を増やして社会をもっと快適にする」を理念に、人事・組織コンサルタントや研修講師として活動。理論的な背景と情熱的な語り口を交えた講演スタイルに定評があり、セミナーや研修で高い支持を得ている。登壇実績 862件、1,015日間(のべ受講者数17,334名)*2025年12月末現在

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