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コミュニケーション

2026.2.18

明るく楽しい職場を作る 仕事がデキる人の「知的なユーモア」

職場を明るく、楽しくするユーモアの力

あなたの職場は、どんな雰囲気でしょうか。

シーンと静まり返ったオフィスで、カチカチとキーボードを叩く音だけが響き、必要最低限の業務連絡もメールやチャットで済ませ、ほとんど誰も話さない。そんな息苦しい環境になっていませんか。

もちろん、集中して仕事に取り組み、限られた時間で終わらせようとすることは大切です。しかし、それだけでは仕事は「楽しく」なりません。職場が楽しくないと行きたくなくなりますし、楽しいと思いながら仕事をしないとパフォーマンスも上がらないのです。だからこそ、「職場を明るく楽しくする」ことを、特にリーダーやマネージャーは考えていく必要があります。

とはいえ、この凍りついた空気をほぐそうと、何か気の利いたことや面白いことを言いたいと思っても、滑るのが怖くてなかなか踏み出せない方も多いでしょう。面白いことが言える、ユーモアがあるというのは生まれ持った才能だと思われがちですが、実はそうではありません。ユーモアはトレーニングによって後天的に身に付けることができる技術、つまりスキルなのです。

今回は、知的なユーモアが話せる人になるために、大きく4つのポイントをお伝えします。なぜ職場にユーモアが必要なのか、そもそも面白いとは何なのか、ユーモアを身に付けるために何をすればいいのか、そしてユーモアを話すときの注意点です。

なぜユーモアが必要なのか

職場で笑いが起きるなんてけしからん、と思われる方もいるかもしれません。

もちろん、品のない、低俗な笑いを起こす必要はありません。しかし、張り詰めた緊張状態で恐怖心を感じながら仕事をしても、パフォーマンスは上がらないのです。場を和ませ、緊張をほぐし、穏やかな気持ちで仕事ができる環境は重要です。ユーモアを交えて話すというのは、戦略的に職場に潤滑油を入れていくようなものです。リラックスした方が創造的に、能動的に仕事ができるようになります。

ユーモアがもたらす効果は大きく3つあります。

心理的安全性が上がる

例えば、リーダーやマネージャーが昔の自分の失敗を面白おかしく話すと、聞いているメンバーは「この人も失敗していたんだ。失敗してもいいんだ」と安心感を覚えます。口では「新しいことに挑戦しろ」「失敗を恐れるな」と言っても、実際に失敗したときに詰められるのではないかという恐怖心があると、前に踏み出せません。しかし、自ら失敗を開示し、それを面白く語ることで、失敗が許される空気感を作ることができるのです。

知性の現れ

厳しい場面や差し迫った状況、気分が落ち込みそうなときに、それを何か別のものに例えて面白く表現する。これは実は、具体的な事象を抽象化して別の具体的な事象に置き換えるという、非常に知的な作業なのです。気の利いたことが言える、状況を面白おかしく言い換えることができる、そういう知性を感じさせるユーモアが、いい感じで場を和ませ、仕事に向かうエネルギーに変わっていきます。

ストレス耐性を高める

業績が厳しい、進捗が遅れている、目標の数字に届きそうにないといった頭を抱えそうな状況のときに、少し面白いことを言ってみましょう。「面白い」「楽しい」というのはプラスのエネルギーですから、そういう苦難に向かっていくエネルギーが生まれます。また、笑いに変えることで「大丈夫だ、考えすぎだ、心配しすぎだ」という安心感をもたらすこともできます。

ユーモアと笑いのある職場は、とにかく明るくて前向きでエネルギーがあります。そうした職場の方が、当然高いパフォーマンスを発揮することができるのです。

そもそも「面白い」とは何か

では、知的な面白さはどこから生み出されるのでしょうか。その原則を3つご紹介します。

期待と現実のズレ

人間の脳は無意識のうちに先を予測しています。「次はこう来るかな」という期待が、いい意味で裏切られると、「そう来ますか!」という驚きとともに笑いが生まれます。

例えば、私は研修講師として自己紹介をする際、経歴や実績、専門領域といった「期待通り」の内容を話した後、家族の写真を見せながら「現在、東京から神戸に移り住んで、小学校1年生の娘、幼稚園年中の息子、年齢不詳の妻と家族4人で暮らしております」と話します。

ここで「うん?」と思わせておいて、「いやいや、子どもたち、本当に妻の年齢知らないんですよ。『ママ何歳?』って聞かれたら、ウチの妻は『ママ、お野菜』って答えるんです。それで納得しないから『いや、ママ何歳なの?』って食い下がると『ママ、白菜』って答える。すごいですよねぇ(笑)」と続けます。

企業研修の場で家族の話が出てくるギャップ、そして家族の話という温かみのある内容が、場を和ませるのです。これがまさに、「予想していたこと」と「出てきたもの」が違うという「ズレの面白さ」です。

緊張からの解放

張り詰めた空気というのは、エネルギーが抑圧されているような状態です。そこで緊張がほぐれると、エネルギーが溢れてきて、明るく前向きな笑いが起きます。

私は研修の自己紹介の最後に、プロジェクターに自分のYouTubeチャンネルの画面を映して、「私、実はYouTubeをやっておりまして。チャンネル登録よろしくお願いします!」と、ジェスチャーを交えて話します。企業研修の場にふさわしくない”YouTube”という単語が出てきて、しかも日頃からスマホ画面で見ているような「チャンネル登録お願いします!」というフレーズが目の前の人から発せられる。そのバカバカしさ、不意打ちが笑いを生むのです。

ちなみに、時にはスベることもあります。そんな時は「あ、ここ笑うとこですからね。」と言うと、そこで笑いが起きます。とにかく緊張をほぐすことが大切なのです。

共感と同意

自分の知らないことに対しては笑えません。自分が知っていること、体験していること、しかも「あるある」と共感できることに対して、人は面白いという感情を抱きます。相手が乗れる話、共感できて楽しめる話をしていくことが大事です。

ニュースや時事ネタ、著名人の名台詞などを用いると、共感的な笑いを得やすいです。また、私が研修でしばしばやっているのが「職場あるある」の小芝居。「こういう上司いるよね〜」と、少しわざとらしく演じることで、「確かに、いるいる!」と笑いが起きるのです。

ユーモアを身に付けるために何をするか

では、面白い話、ユーモアのある話ができるようになるために、何をすればいいのでしょうか。3つの方法をご紹介します。

面白いことを見つける

そもそも、日頃からあまり「面白い」という感情を感じない、笑わないという人が、他人を笑わせるようなことを言えるでしょうか。他人に笑いを届けようと思ったら、まず自分自身がよく笑う生活をすることが大事なのです。

ただ笑うだけでなく、自分が面白いな、笑えるなと思ったときに、それをメモに取ったりして後から見返し、「なぜ面白いと思ったんだろう」と考えてみましょう。続けていると共通点が見えてきます。

どういうものが面白いのか、どういう時に笑えるのかという「法則」が自分の中にないと、それを再現しようがありません。まず自分自身がよく笑い、面白いことを見つけていくことが大切です。

例え話の引き出しを増やす

共感、同意できるものの方が笑えます。知らないものに例えられても、何が面白いのか分かりません。多くの方々が共感、同調してもらえるような話材の引き出しを増やしましょう。

個人的にすごく使えると思っているのはニュースです。ある程度大きなニュースになると、テレビで繰り返し報道され、SNSにも何回も出てくるので、認知度が上がります。日々ニュースを見ながら「これは使えるな」と思ったものをストックしておきましょう。

メモを取るのも良いですが、面倒であれば、聞いたものをさっそく人との話で使っていくことで、自分の記憶に定着させるのも有効です。私は去年の11月以来、講義での例示で高市総理の発言をしばしば引用していました。

「人間は一度聞いただけでは覚えられないんです。大事なことは何度も何度も繰り返し伝えていくことが大事です。例えば、馬車馬のように働いて働いて働いて働いて働いてまいりましょう。これなら印象に残りますよね」と演じると、やはりそれなりにウケるのです。

もちろんニュースにも鮮度があるので、常に入れ替えが必要です。しかし、「これはウケた」という経験が増えてくると、笑いを取りに行くことに対して恐怖心を覚えにくくなります。そして、もちろん、スベッても良いのです。プロの芸人さんだってスベるのですから、素人がやったろころで、スベるときはスベリます。そうしたら、素直に「あ、今のスベリましたね」と言えばいいのです。これで、少なくとも苦笑は勝ちることができます(笑)。

小さな失敗を資産にする

やってはいけない笑いの取り方というのがあります。安全なのは「自分のことをネタにする」ことです。しかも、自分の成功した話や武勇伝を話したところで、聞いている方からするとシラケます。そうではなく、自分の失敗を自分で茶化すような形で話をする。それがクスッと笑えるような話になります。

ただし、致命的な失敗はネタになりません。あまりにも大きな失敗について語ると、笑うに笑えません。些細な失敗をネタにするのです。「ついこの間やっちゃったんですよ〜」というように、気軽に話をすると「ああ、この人も完璧じゃないのね」と相手に安心感を与えます。

例えば、私の今年の目標の一つはダイエットです。今年はアプリを使って摂取カロリーを管理しようと、食べたものの記録をつけています。1日の食事を、2,100kcal以内に収めようとしているのです。そして、摂取カロリーを統制しなければならないのに、たまにしか行かないような場所で、美味しい店に連れて行っていただくと、つい食べ過ぎてしまう。

「ああ、もう、せっかく朝から頑張ってきて、いい感じに収まりそうなのに、まさかデザートがついてるなんて思わなかった。あぁ、このチーズケーキを食べると完全に300kcalぐらいオーバーするんだけど、、、、うーん、ダメだ、負けた〜(モグッ)」という話をすると、ウケます。共感できるからです。しかも私は、セルフマネジメントや自律型人材というテーマで研修をすることが多いです。「そうは言っても、あなたも負けるときは負けているじゃないか(笑)」というのが、ユーモアになるのです。

ユーモアを交えるときの注意点

最後に、やってはいけない笑いの取り方についてお話しします。それは、

特定の個人や属性、性別、年齢、人種などを対象にして、批判したり攻撃したり、差別したりするような言い方をしない

ことです。思えば、昔の笑いはこんな感じでしたが、現代ではそれは完全に不適切です。

他人を下げて笑いを取る。これは決してやってはいけません。相手との関係性が完全に悪くなってしまいます。たとえ特定の個人をイジったとしても、その人と同じ属性の人は、やられている方に共感しますから、こちらを敵視するようになります。そうやって、「他人に対して攻撃をしてくる人だ」と思われたら、相手は当然、こちらに恐怖心を覚え、場の空気が凍っていくことになります。

それとはまったく逆なのです。相手が共感し、同意してもらえるような話をした方が良いのです。相手と共有している状況をもとに話をしたり、共通している課題について話をしたりします。そうしたものがないのであれば、あくまで自分の失敗をネタにしましょう。他の誰でもなく、自分自身を下げて笑いを取る。すると、「失敗も許されるんだね」「この人も人間なんだね」と、心理的安全性が高まっていって、穏やかな気持ちで、明るく前向きに仕事ができる環境が整っていくのです。

まとめ

ぜひあなたも、

  • まずは自分自身がよく笑う
  • 日頃のニュースや会話の中から、使えそうな話をストックしておく
  • 何か失敗をしたら、「これもまた話のネタになるな」と気楽に受け止める
  • その失敗をどんどんネタにして使っていく

など、ユーモアのある職場を作るための一歩を踏み出してみてください。

明るく楽しい職場は、高いパフォーマンスを生み出します。知的なユーモアを身に付けて、あなたの職場を笑顔あふれる場所にしていきましょう。

本日も最後まで読んでいただき、ありがとうございました。

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