ミッションが先、現実は後 ~井上裕之先生の講演会より~

昨日、日本橋三井ホールにて、私が師事している井上裕之先生の講演会が行われ、妻と一緒に参加してきました。

12105793_1050067008361409_8662902270335862262_n

※画像は、ご本人のFacebookページから拝借

新刊『努力の選び方』の出版を記念しての講演会でしたが、講演の後半では井上先生が提唱されているライフコンパスの理論についてのお話がありました。

私は今年の4月から7月にかけてこのライフコンパスを学んでいたので、セミナーやワークでやったことを振り返るような思いで聞いていました。

改めて考えさせられたのは「ミッションを持って生きることが、いかに人生を変えることになるか」ということです。

テーマであった努力の選び方、つまり「やるべき努力」「やらないでいい努力」を見極めるということについても、結局は「自分のミッションに沿ったことをやる」という一言に収斂されるのです。

 

個人のミッションを持つ

「ミッション」という言葉は、直訳すると「使命」という意味になります。

一般的には企業の「経営理念」の意味として、「その事業における目的を定めたもの」として使われることが多いです。

有名どころの企業では、

・世界中の情報を整理し、世界中の人々がアクセスできて使えるようにすること(Google)

・ユーザーの皆様に感動をもたらし、人々の好奇心を刺激する会社であり続ける(ソニー)

・世界中の人々のからだと心、そして精神をリフレッシュします(コカコーラ)

・真の気遣いや素晴らしい製品、サービスをお届けすることで、確固たる利益に貢献します(リッツカールトンホテル)

などが、ミッションです。自分たちが「誰のために、何をするのか」を明確に、かつ簡潔な文章としてまとめられています。

 

ライフコンパスで提唱されているのは、個人の人生においても「ミッションを持ち、それを基軸として生きる」ということです。

ここで言うミッションとは「人生における価値・目的」を意味します。つまり、価値・目的を明らかにした人生を送ろうということです。

 

人生における価値・目的が明確であり、現実の仕事や生活、自分自身のあり方などを、その価値・目的に沿ったものとして生きる

のと、

人生における価値・目的を明確にせず、目の前にあることに見境なく対応するような反応的な人生を送る

のとでは、

自分の成長も、それによって得られる成果も、大きな差が生まれてくるということです。

価値・目的を明確にするということは、「自分の軸をしっかり持つ」ということであり、それによって「ブレない自分」でいることができます。

つまり、自分の行動や思考に一貫性を持つようになるのです。この一貫性が、望む結果、なりたい自分の姿を引き寄せてくれます。

私自身、最初はよくわからなかった「ミッション」ですが、学びを深め実際にミッションに沿って生きることを心がけるようになった今では、ようやくこの意味を理解できるようになってきたのかなと感じました。

 

最初に書いたミッション

私がはじめてミッション・ステートメント(ミッションの宣言文)を書いたのは2011年の7月でした。7つの習慣を読み、フランクリンプランナーを使っていた時期のことです。

しかし、いま読み返してみると、その内容は格言集のようなもので、自分の価値観の説明を羅列したような作りになっていました。結局のところどのように生きるのかが、我ながらまったく伝わってきません(笑)

いかにミッションの意味と目的を理解しないで書いていたが伺えます。

また、この頃は自己分析も不十分だったため、なぜそれが自分のミッションになるのかすら、今となっては思い返すことができないという始末です。

 

それからしばらく、ミッションについて考えることもなかった私ですが、いろいろなきっかけが重なり、昨年の夏に再びミッション・ステートメントを書く機会が訪れました。

・キャリアコンサルティングの勉強をする中で、自分自身の過去から現在を振り返る機会を持ったこと

・井上先生の本を読み、ミッションが必要だと改めて考えるようになったこと

・前職で大阪から東京への転勤を言い渡され、異動先の仕事をする意味や、そもそもその会社で働く意味を考えるようになったこと

といったことが、同じタイミングで重なって訪れたのです。

 

そして私はこの時、次の言葉を自分のミッションとして定めました。

人材開発のプロとなり、キャリア支援を通じて、人生の目的と成長の機会を提供する

これを手帳に書き、毎日読み返すうちに、実際に人生に変化が起こりはじめてきました。

ミッションが先、現実は後

このミッションを書いたとき、私は健康食品と化粧品の販売会社でイベント企画の仕事をしていました。

それまで行っていた人事の仕事からは完全に離れており、仕事でこのミッションを実践する状況にはありませんでした。また、キャリアコンサルティングも資格取得前であり、まだ一回も実践でやったことのない状況でした。

つまり、このミッションを実践することのできる環境は、現実にはまだなかったのです。

 

しかし、私はどういうわけか「これが自分のミッションである」と思っていました。

どうやってそれをやるかは大した問題ではなく、「自分のミッションが何なのか」の方がはるかに重要だと自然と思えていたのです。

 

すると不思議なことに、私のブログを読んだ友人の紹介で、ある男性の就職活動を4ヶ月にわたり支援させていただくという機会をいただき、実際に「キャリア支援を通じて、人生の目的と成長の機会を提供する」を行うことになったのです。

その他にも、別の方々から就労上の悩みや将来のキャリア形成のご相談をいただくなど、ミッションを実践する機会を次々といただき、結果的には、キャリアコンサルティングの資格を取得したのは、実際にお仕事をした後となりました(笑)

 

そして、今年に入ってからは本業も経営コンサルタントへ転身することとなり、企業研修や公開セミナーなどで人と組織の成長に貢献するお仕事をさせていただくようになりました。

個人的な活動についても、個人の方から定期的なコンサルティングのお話をいただいたり、就職・転職のご相談をいただくなどして、ミッションの実現に向けて一歩ずつ、確実に歩みを進めています。

ミッションを書いてから一年足らずで、公私ともに自分の活動がミッションに即したものへと変化したのです。
この経験を通して、私はミッションの効果性についてひとつの確信を得ました。

環境が整っていないから、やりたいことができないのではないのです。

やりたいことをミッションとして明確にしていないから、それをする環境が現れないのです。

 

・自分が人生においてやるべきことは何か?
・誰のために、何をすることを自分の役割とするのか?

これをミッションとして明確にする。そして、紙に書き出して、毎日読む。

 

やりたいことを行うことのできる環境は、その後に自然に現れます。

ミッションが先、現実は後なのです。

 

今年に入ってミッションに対する学びを一層深めるようになり、いまの私のミッション・ステートメントは、

「人材開発のプロとして、人と組織の成長と成功を支援し、愛と豊かさに満ちた社会づくりに貢献する」

という文章になりました。

 

私が今やっていること、これから先やりたいことは、すべてこの一文に込められています。

ミッションを持つと、現実が変わる

昨日の井上先生のお話は、それを改めて思い起こさせ、その確信を深めてくれるものでした。

私も、その考えに賛同する者の一人として、「ミッションを持った人生」を唱えていきたいと思います。

 

本日も最後まで読んでいただき、ありがとうございました。

  

投稿者プロフィール

小松 茂樹
中小企業診断士・キャリアコンサルタント。株式会社ビジネスキャリア・コンサルティング代表取締役。人材派遣会社、健康食品会社を経て、経営コンサルタントに転身。営業力強化・業務改善・生産性向上・ビジネススキル向上など幅広い範囲で、業績向上や人材育成の支援を行っている。理論的な背景と情熱的な語り口を交えた講演スタイルに定評があり、セミナーや研修で高い支持を得ている。

関連記事

  1. 基本的なことを徹底し、他人のことも考えよう

  2. カタチだけの仕事をしていないか?〜セールス電話から考える「仕事の質」〜…

  3. デジタル時代のビジネスパーソンに求められるスキル「課題設定力」

  4. 人間力を構成する9つの要素4(個性)

  5. キャリアインベントリーをまとめる 2

  6. 「新年の目標」が達成できない5つの理由と達成させる5つのポイント