​​見えていないものを見るためには

超能力の話ではありません(笑)

誰にでもできる「いま、見えていないものを見る力」についてのお話です。

私たちは0.1%以下の世界に生きている

その力とは「フォーカス(焦点化)」です。

フォーカスをコントロールすることによって、私たちは見えていないものを認識することができるのです。

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どういうことかと言うと…

 

一説によると、私たちは入手できるはずの情報の99.9%以上を見過ごしながら生きています。

つまり、本来得られるはずの0.1%以下の情報しか認識できていないということです。

私たちが目に見えている世界というのは、本来の姿の0.1%以下にすぎないと、言い換えることもできるでしょう。

 

人間は、特に何もしていなくても、1秒間に200万ビットもの情報にさらされています。

しかし、そのうち実際に処理できる情報量は134ビットにすぎません。

割合にして、たったの0.0067%です。

つまり、ほとんどの情報は認識できずにいるということです。

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この200万ビットという情報量は、どれくらいの大きさだと思いますか?

 

1ビットはコンピュータが扱う情報量の最小単位で、「0」または「1」という、2つの選択肢の中から一つを選ぶという情報量です。

「a」や「9」など半角1文字の情報量は1バイトで、8ビットに相当します。

「あ」とか「愛」など日本語の場合、全角文字になるので1文字は2バイトで16ビットということになります。

 

換算すると、200万ビットとは日本語にして125,000字に相当します。

つまり、私たちは1秒間に125,000字に相当する情報量にさらされているということです。

 

一方で、認識できる情報量である134ビットという数字は、日本語文字にするとたったの8文字です。

言い換えれば私たちは、125,000字のうちのたった8字だけを情報として捉えていて、

残りの124,992字は右から左に流れていってしまっているということなのです。

 

ちなみに、この200万ビット(≒244キロバイト)という情報量は、画像データだとこれくらいに相当します↓

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また、動画の場合は約2秒程度の動画に相当します。(MP4形式、ビットレート1000の場合)

 

私たちは都合のよい部分だけを見ている

これが何を意味しているのかを考えるために、一つの例を挙げてみます。

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あなたは引っ越しをすることになりました。

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どこの地域、どの物件を選ぶかを考えるために情報を集めなくてはなりません。

どうやって情報を集めようかと考えていたところ、電車の待ち時間にたまたま見ていたスマホの画面に、不動産サイトのバナー広告を見つけました。

すると、電車がやってきて、中に入ると今度は目の前に不動産会社の中吊り広告を見つけました。

やがて目的の駅に到着して、電車を降りるとフリーペーパーのスタンドに不動産情報誌があるのを見つけました。

あなたは驚きます。

「すごい!引っ越しを考え始めた途端、不動産情報がどんどん集まってきた」

果たして本当にそうなのでしょうか?

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当然ながら、あなたが引っ越しを考えたから、バナー広告や中吊り広告、フリーペーパーが突然現れたわけではありません。

それらはあなたの意思とは関係なく、「もともとそこにあった」のです。

しかし、引っ越しを考えていないあなたの目には、それらは目に止まりません。以前のあなたには必要のない情報だからです。

 

それまでは、きっと別のものが見えていたはずです。

ところが、引っ越しをすることになり、情報を集める必要性が生じたから、それまで周囲にあった必要な情報が「目に見える」ようになったのです。

 

無数の情報の中から、任意のものに狙いを定めること。これが「フォーカス(焦点化)」です。

 

特定の領域の関心が強くなったことで、脳のセンサーが働き、

周囲にある大量の情報の中から、自分にとって必要なものに無意識に焦点をあて、それを選んで映し出しているのです。

 

これが何を意味しているかというと、

あなたにとって必要な情報は、本当はすでに周囲にある

ということなのです。

 

意図的にフォーカスを定めるには

にもかかわらず、私たちは必要な情報になかなかたどり着けないことが多くあります。

 

・チャンスがない

・出会いがない

あるいは、

・時間がなくて、調べている時間がない

などと、思ったりします。

 

もし、周囲には私たちが認識している99.9倍以上の情報量があるのならば、私たちが探し求めている情報は、すでに身近に存在している可能性が高いです。

 

それなのに、その大部分を見過ごしてしまっている。なんとももったいないことです。

必要な情報にフォーカスするにはどうしたら良いのでしょう?

 

それには、

1.自分が望んでいる結果を明確にすること

2.それを実現する必要性と緊急性に迫られていること

という2点を、満たす必要があります。

 

先の例で言うなら、1に相当するのは「引越しをする」ということです。

シンプルですが、明確な「望んでいる結果」と言うことができます。

純粋に「引越したい」と思ったから、引越に必要な情報が目に見えるようになったのです。

 

ただし、この場合は「今の家にいる」→「引越する」というだけの変化なので、引越にまつわるあらゆる情報が集まってきていますが、

目指す結果がより具体的であれば、フォーカスの精度はさらに上がります。

 

・賃貸なのか?購入なのか?

・マンションなのか?戸建なのか?

・都心なのか?郊外なのか?

 

シナリオが具体的になるほどに、望む結果に直結する情報にフォーカスが定まっていきます

 

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とは言え、望む結果が明確になっているだけでは十分とは言えません。

どれだけ本気で「それを成し遂げなければならない」と思っているか。必要性や緊急性が問われます。

 

たとえ、引越をするにしても、

「そのうち、いい物件が見つかったら移ろう」

と、のんびりとした気持ちで願っているのと、

「定期借家の契約があと1ヶ月で切れるので、それまでにどうしても転居先を見つけなければならない」

と、迫られているのでは、本気度がまるで違います。

 

本気度が高ければ高いほど、脳はその結果を得るために、フォーカスをその課題に集中させます

周囲に無数にある情報の中から、結果に直結する情報を無意識のうちにキャッチしようとするのです。

であれば、それを逆手に取って、その目標を達成させる必要性と緊急性が高まるように、環境を自ら作ってしまえばいいと言えます。

 

・望む結果を明確にする

・その結果を得る必要性と緊急性が高くなるように環境を整える

 

この2点を満たすことによって、あなたは「いま見えていないものを見る力」を得ることができます。

必要な情報が引き寄せられるようにどんどん集まってくることで、それまでは不可能と思えたことですら、あなたは容易にできるようになるかもしれません。

 

自分自身を徹底的に分析し、理解すること。望む結果、なりたい姿を明確にすること。

そして、絶対にそれを達成しなければならないと思えるように、自分自身に仕向けること。

そうすることで、目標を達成させる資源が整ってくることでしょう。

 

本日も最後まで読んでいただき、ありがとうございました。

  

投稿者プロフィール

小松 茂樹
中小企業診断士・キャリアコンサルタント。株式会社ビジネスキャリア・コンサルティング代表取締役。人材派遣会社、健康食品会社を経て、経営コンサルタントに転身。営業力強化・業務改善・生産性向上・ビジネススキル向上など幅広い範囲で、業績向上や人材育成の支援を行っている。理論的な背景と情熱的な語り口を交えた講演スタイルに定評があり、セミナーや研修で高い支持を得ている。

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