ライフラインチャートを描く(前編)

前回の記事でご紹介した3つの過去の振り返りの中で、最も手っ取り早く、また直感的にできるのが「ライフラインチャート」です。手軽にできる一方で可視性が高く、これまでの自分の心情・感情の揺れ動きをひと目で把握することができます。

それでは、ライフラインチャートの構成と作り方をご案内します。アウトプットは下図のようなイメージです。グラフは最後に描きます。いきなりグラフを描こうとせず、まずは人生に影響を与えた出来事や人物を振り返ってみましょう。

WS2_ライフラインチャート_page001

1.主な出来事・転機

パッと思いつく大きな出来事を描きます。

  • 学校の入学/卒業
  • 就職/退職/転職
  • 交際/失恋/結婚/出産
  • 転居/自立
  • 海外旅行/ホームステイ

などです。

無理に思い出そうとせず、思いついたものから書き出すので十分です。進めていくうちに記憶が連鎖し、次々と思い出されてきます。

2.影響を受けたこと・人・本

人物が一番書きやすいと思います。

  • 家族/親族
  • 学校/塾/習い事などの先生
  • 近隣/地域の人々
  • 友人
  • 交際相手、または片思いの相手
  • アルバイト先の社員さんやバイト仲間
  • 会社の上司/同僚/後輩
  • その他、忘れられない強烈な印象の人

などの中から「自分は、この人の影響を受けている」と思える人をピックアップしていきましょう。幼い頃の交友関係を思い出せない場合には、昔のアルバムをめくり、写真から当時を思い返すのが手っ取り早く、効果的です。

本は、「いつ読んだのか覚えていないけど、どこかで読んで、印象に残っているなぁ」と思うものがあれば、空いているスペースにどこでもいいから書き入れていきましょう!この場合、時代区分はあまり重要ではありません。「どういう本か」ということが大事です。

また、なかなか思い出せないという場合には、本棚に眠っている本を見返してみるのも1つの手です。「本棚は人格を表す」とも言われます。今では自覚がなくても、当時は強く影響を受け、それが今の自分の性格や習慣に結びついているという本があるかもしれません。当時、どんな本を読んでいたか、で、自分が何を考えていたかを思い出すことができます

出来事は自分の出来事ではなく、周囲や社会の出来事の中から「自分の考え方が変わった」と思えるものを挙げてみましょう。
時代ごとの出来事をまとめてくれているサイトがあるので、それらを参考にされても良いでしょう

昭和できごとヒストリー – 昭和の日 オフィシャルサイト
昭和22年〜平成17年の出来事
平成ノスタルジー 昭和生まれのための平成年表

ここまで書けたら、次の「成功体験」「失敗体験」の記入に移っていきます。

次回に続きます。

  

投稿者プロフィール

小松 茂樹
中小企業診断士・キャリアコンサルタント。株式会社ビジネスキャリア・コンサルティング代表取締役。人材派遣会社、健康食品会社を経て、経営コンサルタントに転身。営業力強化・業務改善・生産性向上・ビジネススキル向上など幅広い範囲で、業績向上や人材育成の支援を行っている。理論的な背景と情熱的な語り口を交えた講演スタイルに定評があり、セミナーや研修で高い支持を得ている。

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