キャリアインベントリーをまとめる 4

価値観の見つけ方の続きです。

③ リストから探す

①②の作業があまり進まない場合は、価値観リストとキャリアインベントリーを見比べて、「自分にある」と思うものをピックアップする方法も有効です。

自己分析が深化すれば、次第に自分の価値観に気づいていきます。ひとまず「これかな?」と思うものを自分の価値観として捉えておき、違和感が出てきたら別のものに修正するというスタンスでもOKです。

例として、キャリアカウンセラー養成講座のバリュー・カードの演習で日本マンパワーからいただいた、価値観カードの文言を列挙してみます。

・他者への影響力
・権威/責任
・社会的評価
・報酬と豊かな生活
・安全性/安心
・プライベートの時間
・身体的活動
・協調性
・自立性
・公共性/公益性
・多様性
・個性の発揮
・美的追求
・秩序/完璧性
・リスク/冒険性

また、日経ウーマンオンラインに「価値観を見える化する」という記事があり、価値観リストの例がありますので、よろしければ参考になさってください。

ワークシートで自分の価値観を見える化 -「自分のよりどころ」を明確にしよう:日経ウーマンオンライン【ジメジメの梅雨を吹き飛ばせ!】

価値観は、環境の変化によって変化することもあります。

年齢、結婚、出産、転職、引越、出会い、別れ…

自分を取り巻く環境は常に変化し、それによって自分も影響を受けていきます。その結果、自分の中での価値観が別のものにシフトすることは当然ありうることです。

しかし、年代を問わず、どの時期においても登場する価値観があれば、「自分にとって不動の価値観」と言えるでしょう。それは、何かの選択を行う際の極めて重要な判断基準となっていることが考えられます。こうした、自分にとっての不動の価値観の存在に気づき、それとうまく向き合っていくことで、望むようなキャリア、望むような人生に近づくための選択が、意識的に取れるようになっていきます。

価値観が整理できたら、最下段に価値観を記入しましょう↓これでキャリアインベントリーはいったん完成です。

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自分の職業経験を整理して持っていることは大きな強みになります。転職や独立を考える際はもちろん、昇進や異動になどで新たなことにチャレンジする際にも、自分の興味・能力・価値観を把握していることはとても役立ちます。

また、自分史の作成、あるいは現在の自分を分析する上でも重要な参考資料になります。できあがったインベントリーは保管し、いつでも振り返ったり、書き足したりできるようにしておきましょう。

キャリアインベントリー編はこれで終了。来週から自分史の作成についてのお話をします。

  

投稿者プロフィール

小松 茂樹
中小企業診断士・キャリアコンサルタント。株式会社ビジネスキャリア・コンサルティング代表取締役。人材派遣会社、健康食品会社を経て、経営コンサルタントに転身。営業力強化・業務改善・生産性向上・ビジネススキル向上など幅広い範囲で、業績向上や人材育成の支援を行っている。理論的な背景と情熱的な語り口を交えた講演スタイルに定評があり、セミナーや研修で高い支持を得ている。

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