キャリアインベントリーをまとめる 3

前回の続きです。

価値観というのは、一言で言えば

「自分が大事にしていること」

です。

以前、人生は「選択」の積み重ねだということを申し上げました。価値観というのは、自覚している/していないにかかわらず、その選択の判断基準となっているものです。

キャリアインベントリーの中には、「仕事において自分が大事にしてきたもの」が潜んでいます。それを見つけ、納得し、自覚することで、今後の選択・判断において意識的に「基準化」することができます。これが「ブレない自分」への第一歩となります。

まずは、自分の価値観が何なのかを探していきましょう。

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① キャリアインベントリーの記載内容そのものに、「これが自分の価値観だ」と思える記載があれば、それをマーキングします(能力・職歴と異なる色にすると見やすいです)

私の場合であれば、

「ExcelのVBAプログラミングを勉強し、帳票の作成を自動化することで、作成までの時間を短縮し、正確さを高めた」
→効率、生産性、信頼性

「会議室利用報告、店頭来店履歴、資産・備品の管理台帳など、各支店がそれぞれ個別にExcelで記録していたデータを、社内システムを開発して一元管理することを提案し、開発と導入を行った」
→合理性、効率、即時性

「間接部門の人員を削減することになり、業務をシステム化・自動化して人の作業を減らしていった。部下に別の部署やグループ会社への異動を進めると同時に、最終的には自分の役割もなくなるといった経験から、会社に頼らず自分の力で能力を高め、市場価値を保持・上昇させていく必要性を感じるようになった。」
→自主性、自己責任、自立

といった感じになります。

このように、「その時に抱えていた自分の思い」を言葉で定義するこで、それを「自分の価値観」として捉えることができます。

② 書きだした「興味」や「能力」に共通する要素を探す

キャリアインベントリーの下欄に抜き出した興味や能力を、改めて見なおしてみます。
私の場合、抜き出した興味・能力はこのようになりました↓

blog019

これを、似たようなジャンルで分類し、次のようにまとめます↓

blog020

分類したジャンルについて、その根底にある自分の価値観は何かを考え、それを言葉で表現してください↓

blog021

キャリアインベントリーをまとめる際、自分では客観的に記述している場合でも、取り上げた出来事や業務内容自体が、すでに自分の価値観というフィルタを経由しています。

したがって、いくつかの業務歴を並べてみると、意外に共通するような記述が散見されるようになります。(価値観だけではなく、興味や能力にも起因していますが)

キャリアインベントリーを見なおしても、なかなか自分の価値観を表す言葉が見つからないという方は、リストから選ぶという方法もあります。次回の投稿でそれについて述べます。

  

投稿者プロフィール

小松 茂樹
中小企業診断士・キャリアコンサルタント。株式会社ビジネスキャリア・コンサルティング代表取締役。人材派遣会社、健康食品会社を経て、経営コンサルタントに転身。営業力強化・業務改善・生産性向上・ビジネススキル向上など幅広い範囲で、業績向上や人材育成の支援を行っている。理論的な背景と情熱的な語り口を交えた講演スタイルに定評があり、セミナーや研修で高い支持を得ている。

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