自分史を作成する

本日から、自分史の作成についてお話します。

自分史はその名の通り、「自分の歴史」です。生まれてから現在に至るまでの出来事をすべて振り返り、今の自分がどのようにしてできたのかを理解することで、自分の特徴を再認識するとともに、今後の人生をどう送っていくべきかのヒントを見つけることができます。これは、

自分が何を為すべきかは、自分だけが知っている

という考え方に基づいています。

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これまで申し上げてきた通り、「私」という人間は生まれてから現在に至るまでの数々の選択の積み重ねによって作られてきました。

今の自分は、間違いなく自分の意志によってできあがったのです。もちろん、そこには外部の環境によって大なり小なりの影響を受けています。

しかしその環境下において、ありうる複数の選択肢の中から、自分の価値観に基づいて何かしらの判断をくだし、選んでその道を歩んできた。「いかなる人間であっても、自分の意志で歩んできた結果が現在の自分である」というのが私の考え方です。

したがって、自分にどういう出来事があったのか、どういう経験をしてきたのか、ということを振り返り、把握することは自分という人間が生成されるプロセスを知ることであり、今後の人生設計を描く上でとても効果的です。

私の場合、作成した自分史を手帳に印刷し、いつでも振り返ることができるようにしています↓

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自分史の作成には時間と労力がかかります。根気も必要です。また、一気に仕上げることもできません。数日、数週間にわたって時間をかけてコツコツと充実させていきます。

しかしその分、ライフラインチャートやキャリアインベントリー以上に、自己理解が大きく進み、「私とはどういう人間なのか」を知る大きな武器になります。また、一度ベースを作れば、後は1年に一度その年を振り返り更新していくだけで済むようになります。

やる価値はきっとあります。必ずや、大きな財産になるでしょう。

・今のままの私でいいのか
・私は何をしたいのか
・私にはどれだけの可能性があるのか

と思ってらっしゃる方にとっては、自分史は進むべき道を目の前に示してくれます。

私自身、自分史と何度となく向き合うことで、自分のやりたいことが見えてきました。人材開発のプロになる、対人支援を本業にする、自己分析や自己実現のプログラムを開発する…

とことん自分と向き合ったからこそ、やるべきことが明確になり、情熱が燃え上がり、行動に踏み出すことができました。自分史は最強の自己分析ツールだと考えています。

自分史作成の大まかな流れは次の通りです。

1.自分がこれまで経験してきた出来事を年表形式で羅列する
2.羅列した中で、特に印象深い出来事を取り上げる(マーキングする)
3.印象深い出来事があった時、自分がどういう気持ちになったのか、自分の中でどういう変化があったのかを思い出す
4.自分がこれまで行ってきた役割を振り返り、リストアップする
5.役割ごとに、主な出来事とその時の気持ち・変化を時系列でまとめる
おまけ.役割ごとにまとめた歴史を一つにまとめ、自分の略歴を作成する

次回より、このそれぞれのパートについてご説明いたします。

  

投稿者プロフィール

小松 茂樹
中小企業診断士・キャリアコンサルタント。株式会社ビジネスキャリア・コンサルティング代表取締役。人材派遣会社、健康食品会社を経て、経営コンサルタントに転身。営業力強化・業務改善・生産性向上・ビジネススキル向上など幅広い範囲で、業績向上や人材育成の支援を行っている。理論的な背景と情熱的な語り口を交えた講演スタイルに定評があり、セミナーや研修で高い支持を得ている。

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