自分年表を作成する

前回、自分史を作成する6つの手順についてお話しました。

今日は最初のステップとして、

1.自分がこれまで経験してきた出来事を年表形式で羅列する

について述べます。

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自分史作成の目的は、過去の経験をもとに心情の変化や成長の過程を見ることですが、それらを振り返るためにはまず「自分の身にいつ、何があったのか」を整理する必要があります。

したがって、まず最初に着手するステップとして、自分に起こった出来事を「片っ端から列挙する」ことからお話します。

最終的な目標は、自分の考え方や状況に影響を与えた出来事から、自分の変化の推移を読み取ることですが、現時点では自分では思ってもいなかったような出来事が、思い返すと強く影響を与えていた、ということがあるものです。

したがって、需要度はこの時点ではあまり考える必要がなく、「片っ端から列挙する」ことが必要です。思い出したそばから、紙に書き出していきます。

紙への書き出し方は、私がいろいろ試してみた結果「年表形式」が最も良いと思いました。

・「仕事」「趣味」などカテゴリで分けようとすると、ある出来事が複数のカテゴリにまたがっている場合などは分類に困る。
・「◯◯」時代など時代で分けようとすると、出来事の順序関係に不明確さや誤りが生じる。出来事が起こった順番はかなり重要。
・時系列は単純明快で、「どこに書けばいいか」書く時に迷わない。

という理由からです。

年表形式だと書式設定も簡単です。私が出来事を書き出す時は、このような書式↓を使いました。

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私の場合、12月生まれなので西暦と年齢がほぼイコールになることもあり、特にこの形式がはまったと思います。

枠組みを作る時、西暦と年齢のどちらを軸にするかは、自分がどちらの方がイメージに入りやすいかで決められると良いでしょう。年齢を軸とする場合は「◯◯歳(xxxx年-xxxx年)」などの表記がわかりやすいと思います。

書式を設定したら、出来事を思いつく限り片っ端から埋めていきます。

順序は考える必要ありません。その年だとわかるものは、その年の欄に記入します。どの年だったかわからないものは、「だいたいこのあたり」と思うところに書きましょう。

他の物事を思い出しているうちに、連鎖的に「いつだったか」が思い出されます。記憶は連鎖します。今は思い出せないことでも、ある一つの出来事を思い出したことをきっかけに、その当時のことがあれもこれもと思い出されてくるものです。

ただ、日付がわかるものは日付を入れましょう。後から同じ年に出来事を追加する際に、位置の目安になります。順序は考えなくていいのは最初の書き出す段階の話。書きだした後に整理していく時には、可能な限り正確に時系列に並べていきます。

なぜならば、自分がたどってきた経験も、その順番に起こっているからです。出来事の順番も少なからず「今の自分」がつくられた過程に影響していると、私は考えています。

学校の入学、卒業や就職、卒業などの大きなイベントはすぐに思い出せるでしょう。また比較的最近の出来事は容易に思い出せると思います。

すでにライフラインチャートやキャリアインベントリーを作成している場合、それを参照にすると重要な事柄はある程度埋まっていくでしょう。

しかし、自分の記憶だけで、今までの自分の歴史をすべて振り返るのは容易ではありません。

そもそも、すべてを振り返ること自体に無理はあります。目的は年表を埋めることではなく、「自分自身の人格・人生に影響を与えた出来事を振り返る」ことですから、最終的には印象深いものだけも思い出せればOKです。

そして、そうした重要な出来事は、何かしら記録が残っているものです。そうした記録を手がかりにして、出来事、そして当時の気持ちを呼び起こすことができます。

例として、私が自分年表を作成する際に使用した手がかりは↓のようなものです。

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次回は、これら手がかりについて詳しくご説明いたします。

  

投稿者プロフィール

小松 茂樹
中小企業診断士・キャリアコンサルタント。株式会社ビジネスキャリア・コンサルティング代表取締役。人材派遣会社、健康食品会社を経て、経営コンサルタントに転身。営業力強化・業務改善・生産性向上・ビジネススキル向上など幅広い範囲で、業績向上や人材育成の支援を行っている。理論的な背景と情熱的な語り口を交えた講演スタイルに定評があり、セミナーや研修で高い支持を得ている。

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