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2014.8.22

自分年表作成に役立つもの3 文集、メール、ヒアリング

前回の続きです。手がかり編は今日で最後です。

5.小中学校や高校の文集

以前、私が実家に立ち寄った時に見つけて「こんなものがあったのか!」と喜んだのが、学校で書いた文集でした。当日の夢や目標、考えていたことなどが、しっかりと見て取れます。

自己分析や能力開発の類の本を読むと、「幼い頃に憧れていた職業や人物を思い出してください」という記載をよく見かけることがありました。

「そんなこと、覚えてるわけないじゃないか」

と思いながら読んでいたものです。

もちろん、覚えている方もいらっしゃるでしょう。しかし、私は子どもの頃に「何に憧れ」「何を目指していたか」など、ほとんど覚えていませんでした。それだけに、改めて文集を読んでみてびっくりしました。

まさか自分が、

・テレビの制作会社に勤めたいと思っていたなど…
・中学生の身で「人生の重大イベントは『出会い』と『別れ』である」なんてのたまっていたなど…
・「自分に正直になろう」なんて語っているなど…

考えてもいませんでした。ずいぶんとませたことを言ってるなとも思います。それだけに、こうした文集はその当時の自分の考えていたことが正直に書かれていて、かなり重宝します。

出来事はスケジュール帳や写真で思い出すことができますが、当時に考えていたことまではわかりません。日記と同様、こうした「自分が考えていたこと」が記載されている文章は、とても貴重な資料になります。

また、日記と異なり、多くの方に書いた経験があり、残っている可能性も高いものです。心当たりのある方は、一度読み返してみるといいでしょう。自己理解が進むかもしれません。

6.携帯電話やPCのメール

メールのやりとりは、その当時の状況を刻銘に再現してくれます。私も含め、多くの方は辿れるのが2000年頃以降の記録になるかもしれませんが、メールのデータが残っていれば読み返してみるのも有効です。誰と、どんなやりとりをしていたのかを思い出します。

特に、携帯電話のメールはリアルに当時の自分の心情を再現してくれます。携帯電話のメールバックアップを保存している方は、一度復元してみてはいかがでしょうか。今でこそ、メールのデータはほとんどクラウドで保管していてくれていますが、以前の携帯電話はPCに接続してバックアップをとっていたことと思います。


以前よくお世話になっていたソースネクスト社の携快電話


NTTdocomoのデータリンクもよく使っていました

私も以前、自分年表を埋める時に、何年か分のメールのやりとりを読み返してみました。(今では、どこにバックアップデータが保管されているかわからなくなってしまいましたが…)

「そういえば、こんなことに夢中になっていたなぁ」と思い出されることが多くあります。

ただし、読み返す時のポイントは「他人の話を聞くように、今の自分から一線を引いて、客観的に読む」ことです。

携帯電話のメールは親しい(または親しかった)相手との密度の高いやりとりが記録されています。いいことばかり思い出すとは限りません。思い出したくないことを、思い出さねばならなくなってしまうこともあります。

多少イヤなことであったりしても、今では浄化されて冷静に向きあえることもありますが、今でも向き合いたくない思い出に触れてしまう可能性があるのなら、やめておいた方がいいかもしれません。

自分のイヤな過去に、無理やり向き合うのはあまり効果的な自己分析とは言えません。気分を害したら元も子もありませんので…

7.家族や友人に自分のことを聞く

・あまり記録が残っていない時代
・自分ではすっかり忘れてしまっていること
・都合よく記憶がすり替わってしまっていること

などを思い返すのに欠かせないのが、家族や親しい友人です。

特に両親は、自分が生まれてからの成長を、しっかりと見届けてきた唯一とも呼べる存在です。自分以上に自分のことをよく理解していることがあります。

唐突に聞くのは照れくさいですが、思い切って「昔の僕/私って、どんなだった?」と聞いてみるのも有効です。きっと、「これでもか!」というくらい幼い頃の自分の情報が溢れ出てきます。

両親に限らず、兄弟や幼なじみも、自分のことをよく見てきた存在です。また、祖父母がご存命の方や、親戚との関わり頻度が高かった方は、そうした方々も幼い頃の自分をよく見てくれています。自分では気づいていなかった、いろいろな面を教えてくれるかもしれません。

記録をもとに自力で行う自己分析には、自分なりの価値観が少なからず影響してきます。
それが悪いわけではありません。価値観の一貫している方は、その基準に基づいて自分の歴史を整理するのはとても有効なことです。

しかし、他の方に話を伺うと、自分とは違う見方で自分の特徴を表現してくれます。これは自己分析上ではとても貴重な情報です。家族や幼なじみと接する機会があれば、恥ずかしがらずに思いきって聞いてみましょう。きっと、自分年表は加速度的に埋められていきます。

また、改まって聞かずとも、昔のことに話題が移った際に「注意深く聞く」という姿勢を持つだけも、自分にとって有益な情報を得ることもできます。

以上で、手がかり編は終了です。自分年表をある程度、埋めることができたという前提で、次回からその読み解き方について述べていきます。

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