自分年表から重要な部分を見分ける

これまで、身の回りのリソースを使って自分年表に出来事を書き込んでいく方法を述べてきました。本日は、次の行程として

2.羅列した中で、特に印象深い出来事を取り上げる(マーキングする)

について述べます。

これまで作成してきた自分年表を見返してみましょう。思い出せる項目が少ない場合、あるいは情報源が少なかった場合は、このような状態になると思います↓

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逆に、思い出せる項目が多い場合、あるいは情報源が多い場合には、このような状態になるでしょう↓直近の数年間は記憶が新しく、情報源も手元に多いので書ける項目が多いと思います。

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項目が少ないといって、問題視する必要はありません。大切なことは項目の数ではなく「自分の人格や行動を変容させてきたような、重要な出来事が把握できたかどうか」です。

ただし、私の見解としては、「項目が多いほうが記憶を呼び起こしやすい」と考えています。(理由は後述します)
「Aさんと○○へ遊びに行った」「××を買った」など種別や重要度の大小にかかわらず、書けることは何でも書いておきましょう。

項目が多い場合、年表は見づらい状態になっているかもしれません。その場合は、カテゴリごとに色を変えてみるのも有効です。

私の場合、

重要な出来事、転機 :赤
仕事:黒
恋愛:濃い赤
趣味:青
友人・交友関係:緑
家族:紫
パーソナルなこと:茶

と色分けをしています。
見やすくなるだけでなく、その時にどういう方面に力を入れていたのかが視覚的に分かるようになります。

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ひと通り整理できたら、この中から

・特に印象深い出来事(とても嬉しかったこと、とても悲しかったこと)
・今の自分を形成する上で、重要なターニングポイントになったと思う出来事
・「これがあったから、今の自分がある」と思えるような出来事

を選び、マーキングしてください。

すでにライフラインチャートを作成している方は、そこで取り上げた出来事と同じことをマーキングするかもしれません。それでOKです。取り上げる出来事は同じでも構いません。

ただし、大事なことは「前後にあった出来事の流れを踏まえて、その出来事を捉える」ということです。労力をかけて自分年表を作成した目的のひとつはここにあります。

自分の身にあった重要な出来事を単発で捉えるのではなく、「その前後にどのようなことがあって、その出来事を迎えたのか」という時間の流れの中で捉えることが重要です。

なぜならば、その頃に自分がどういう精神状態にあったのか(強気or弱気、外交的or内向的、大胆or繊細…)は、その出来事だけでは思い返しづらいからです。

周辺の事柄が連鎖することによって、当時の記憶はより鮮明に蘇ります。先ほど、項目は数が多い方がいいと申し上げたのはこのためです。

その当時に自分の身に起きたいろいろな出来事が連鎖的に組み合わさることで、脳の中で当時の情景がよりリアルにイメージできるようになります。ある出来事があった時に、「自分がどういう心境にあって、どういう捉え方をしたのか」を思い出すことができるのです。

以上を踏まえた上で、自分にとって大きな転機となった重要な出来事をマーキングしてみましょう。

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入学、卒業、異動、昇格、転勤、引越、海外旅行や出張、交際と失恋、結婚、大事な人との出会い…など、いくつかの大きなイベントが浮かび上がってくるかもしれません。もちろん、それ以外の出来事でも構いません。

また、起きたことだけに注目しがちですが、「予定したのに起きなかったこと」も、自分にとって転機になることがあります。(ナンシー・K・シュロスバーグ氏の理論でこれを「ノンイベント」と呼びます)

「自分にとって大事な転機」を選んでみてください。

ここから、マーキングした特に印象深い出来事について、一つひとつ振り返っていき、経験した出来事を自分の中で反芻させていきます。

次回は、マーキングした出来事との向かい合い方について述べます。

  

投稿者プロフィール

小松 茂樹
中小企業診断士・キャリアコンサルタント。株式会社ビジネスキャリア・コンサルティング代表取締役。人材派遣会社、健康食品会社を経て、経営コンサルタントに転身。営業力強化・業務改善・生産性向上・ビジネススキル向上など幅広い範囲で、業績向上や人材育成の支援を行っている。理論的な背景と情熱的な語り口を交えた講演スタイルに定評があり、セミナーや研修で高い支持を得ている。

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