自分でできるコンサルティング~2つの原則~

今日は6月30日。今年も半分が経過しました。

2018年の前半、あなたはどんな半年をお過ごしでしたでしょうか。

私にとっては、変化や成長を感じる半年でした。

仕事はいたって順調で、担当案件数や稼働日数、金額のいずれも前年の150%超え。12月までの年間実績も現時点の見込みで目標の120%を超えています。

量だけではなく、質のレベルも高くなってきており、今年に入ってからは単発の研修やセミナーだけでなく、長期に渡ってのお付き合いとなるコンサルティング案件が増えてきています。

お客様の業界も広がってきており、建設業や不動産、百貨店など昨年まではご縁のなかった企業様からのお仕事を預からせていただいております。

私生活では、前半は出産の準備を整えつつ、国内3ヶ所を回って妻との二人の時間を楽しみました。今月には待望の娘も生まれ、下期からはこれまでとはまったく違う、家族の増えた生活を迎えることになります。

 

自分の仕事や生活を振り返る上で、半年はとても良い節目です。1ヶ月や3ヶ月ではあまり変化や成長を感じにくかったとしても、半年くらい経過するといろいろと動きがあることに気づきます。

あなたもカレンダーや手帳をめくり返しながら、1月からの半年を振り返る時間を持ってみてはいかがでしょうか。

至ってシンプルな「コンサルティングの原則」

先日ある企業様の研修で自己紹介をした際、いろいろな業界のお客様先でコンサルティングを行っているとお伝えしたところ、1人の受講生から休憩時間中に「どうしてそんなに、いろいろな業界の話がわかるのか」というご質問を受けました。

もちろん業界の特性やビジネスモデル、業務内容を知らないことには話ができないので、書籍を読んだり、経験者に話を聞いたりして最低限の知識は補います。

しかし、現場での実務に立ち会わせていただくことは極めて稀なので、その仕事が実際にできるほどの知識を必要とされることはほとんどありません。ある程度わかれば、話についていくことは可能です。

 

たとえ、どのような業界であっても、どのような規模であっても、コンサルティングで行っていることは本質的には2つしかありません。それは、

  • PDCAサイクルを回転させること
  • 5W2Hで物事を具体化すること

です。

なんだそれだけのことかと思われるかもしれませんが、本当にそれだけです。もちろん、どのレベルまでお付き合いさせていただくかという違いはありますが、突き詰めればこの2つをご支援しているに過ぎないと言えます。

それだけに「言うは易し、行うは難し」。目標達成や問題解決は、この2点に尽きるのだと言えます。

PDCAサイクル

多くの場合、コンサルティングは「問題の分析」と「課題の設定」からスタートします。

望ましい姿と現状のギャップから問題を特定し、その原因を分析し、その解決に向けた取組課題を設定する。あらゆる問題解決はここからはじまります。

そして、問題解決を実行に移すための計画を立案(PLAN:計画)したら、それを実行に移し(DO:実行)、定期的に進捗をチェックして(CHECK:評価)、軌道修正を図ります(ACTION:改善)。

そして、軌道修正案を当初の計画に反映し、再び実行に移す。これを循環させることを、要素の頭文字をとって「PDCAサイクル」と呼びます。

コンサルティングとは、PDCAサイクルが正常に機能するようにするためのお手伝いだと言い換えることができます。

 

実は、これらはやろうと思えば自分でもできることです。しかし、多くの場合、忙しさや面倒くささに負けてしまい、サイクルが回らずに途中で停止してしまいます。

そこで、期限や報告義務を設定したり、進捗を他の人と共有する場面を作ることによって、PDCAサイクルを回転させる後押しをしていきます。私がお客様先でやっていることは、ほとんどこれだと言えます。

頭ではわかっていても、なかなか実行に移せない。そんな時、「他の誰か」が存在することによって、物事を推し進めていく力が備わるのです。

5W2H

PDCAサイクルを回転させるためには、定期的に評価(CHECK)や改善(ACTION)を図っていくことが重要です。何かを成し遂げるためには定期的にレビューを行い、当初の目的や目標、計画を見失わないようにしなけければなりません。

一方で、当初の計画があいまいだと、正しく評価や改善を図ることが難しくなります。定期的に進捗を確認しても、「果たしてうまくいっているのか、いないのか」「何をどう直せば良いのか」が見えてこず、計画倒れになってしまうのです。

PDCAサイクルを回転させるためには、スタート時点で可能な限り具体的に、緻密に計画を描いておく必要があります。その際に用いるのが、5W2Hのフレームです。

  • Why(なぜ)
  • When(いつ)
  • Where(どこで)
  • Who(だれが)
  • What(何を)
  • How(どのように)
  • How much/How Many(いくらで/どれだけ)

計画を具体的にするためには、これらを1つひとつ明確にしていく必要があります。

 

計画倒れになるほとんどのケースが、ここまで具体化できずに「なんとなく」はじめてしまうことです。5W2Hが明確になっていれば、「どこでつまづいているのか」「何を見誤っていたのか」がクリアになるので、すぐさま軌道修正を図ることができます。

しかし、計画を細部にわたってこれだけ具体化することは、かなり面倒です。特に、やりたいという動機が強い物事ほど、「さっさと始めてしまいたい」という欲求にかられ、計画があいまいなままスタートをきってしまい、いつの間にか失速してしまうのです。

コンサルタントの実務では、当初の計画立案やレビュー時の軌道修正の際に、この5W2Hの観点から計画の立案や修正をお手伝いしています。

まとめ

「PDCAサイクル」と「5W2H」は、どちらもいたってシンプルな原則です。やろうと思えば、自分だけでやることができます。

手間はかかりますが、やればやった分だけ目標達成や問題解決が軌道に乗るようになります。

2018年も半分が今日で終了です。年末に「今年も良い一年だった」と言える日を迎えるためにも、半年を振り返り、残り半年をどのように過ごすかを考える。

今日はそんな一日を過ごしてみてはいかがでしょうか。

 

本日も最後まで読んでいただき、ありがとうございました。

  

投稿者プロフィール

小松 茂樹
中小企業診断士・キャリアコンサルタント。株式会社ビジネスキャリア・コンサルティング代表取締役。人材派遣会社、健康食品会社を経て、経営コンサルタントに転身。営業力強化・業務改善・生産性向上・ビジネススキル向上など幅広い範囲で、業績向上や人材育成の支援を行っている。理論的な背景と情熱的な語り口を交えた講演スタイルに定評があり、セミナーや研修で高い支持を得ている。

関連記事

  1. 転職します

  2. 脱・三日坊主の「今年の目標」

  3. 徹底的に自己分析!

  4. 測定されるものは改善される

  5. カタチだけの仕事をしていないか?〜セールス電話から考える「仕事の質」〜…

  6. 事業計画を考える 2(計画指標の設定)