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2014.9.1
キャリアカウンセラー養成講座で学んだ、もう一つの「役割」の考え方として、
2.L・サニー・ハンセン
の理論についてご紹介します。
ハンセンはの考え方は、一言でいうと
「広い視野を持て」
です。
それまでのキャリア開発の考え方は、個人の興味・能力・価値観など「個人的な側面」に
焦点が当てられることが多く、捉えようによっては「自分とひたすら向き合い続けていれば、よりよい人生が描ける」とも取れるようなストーリーでした。
それに対し、ハンセンは
「より全体的な視点を持ち、家庭、組織、社会、そして世界における位置づけから自分の果たす役割を見つけていくべき」
とする、統合的人生設計(Integrative Life Planninng)という考え方を提唱しています。
ハンセンは人生の4つの役割を統合させるべきであるとし、それをキルト(パッチワーク)に例えて表現しています。
1.仕事(Labor)
2.学習(Learning)
3.余暇(Leisure)
4.愛(Love)
の4つのLからなる役割です。
これは見事だと思いました。それまで、私も自己分析を重ねて自分の役割をいろいろ挙げてきましたが、あらゆる役割が見事にこの4つに集約されるのです。
加えて、ここからは私の持論ですが、「こうした役割をいかに重ね合わせて果たしていくか」を心がけることによって、時間の密度が上がり、得るものも多くなっていくと考えます。
例えば
仕事×学習
…学びにあてる時間を確保し、学んだことを仕事に活かし、生産性を上げる
学習×余暇
…余暇の過ごし方を、単なる「娯楽」から学びのある「趣味」に変えてみる
余暇×愛
…余暇を家族と過ごす
などです。
このように、
1.自分には複数の果たすべき役割がある
2.その役割を果たしていくことが、自分の人間性や能力を高めることにつながる
3.そして、その役割は自分の意志によって、組み合わせて同時に果たすことができる
と考えることによって、日々の過ごし方、心構えが変化していきます。
そして、その積み重ねが大きな差となり、成功する人間とそうでない人間に分かれていくのだと、私は考えています。
それから、ハンセンは「統合的人生設計における6つの重要課題」として、次のように述べています。
1.グローバルな視点から仕事を探す
2.自分の人生を”有意義な全体”として織り上げる
3.家族と仕事を結び付ける
4.多様性と包括性を重んじる
5.内面的な意義や人生の目的を探る
6.個人の転機を組織の変革に対処する
複数の役割を同時に果たして、豊かな人生を送るためには、自分と周囲を取り巻く環境を、いかに広い視点で見ることができるかにかかってきます。
自分について考える時には、
・自分の中の自分
・周囲の中の自分
・全体の中の自分
のそれぞれの側面から考えることが必要だと思います。