カタチだけの仕事をしていないか?〜セールス電話から考える「仕事の質」〜

会社員時代にはなかった、セールス電話への対応

独立して事業主になってから、セールスの電話が頻繁にかかってくるようになりました。特に会社を設立してからは多くて、毎日少なくとも1件以上はかかってきます。

もちろん会社勤めの頃にも、セールス電話は頻繁にあったのでしょうが、少なくとも自分宛にかかってくることはほぼありませんでしたし、電話は事務員の方がメインで取っていただいていたので、それによって仕事の手が止められることはなかったわけです。その点では、自分の仕事に集中できる環境が整っていたなと思います。

最初の頃は、ウチのような零細企業が目に止まるものなのかと感心していましたが、よくよく考えたらホームページもそれなりに作っているし、YouTubeもやっているし、それに加えて外部メディアでのインタビューや対談なども公開されているので、目に止めてもらえるような環境を自ら作り出しているのだと気づきました。自分の仕事の作り出すために投資している労力や広告宣伝費が、結果として自らセールスを呼び込むことになってしまっているのが、なんとも皮肉なものです。

セールスの内容は、事務用機器からITソフトウェア、雑誌やネット広告への出稿など様々ですが、割合でみると広告宣伝系の売り込みが多いです。設立して間もない頃は、初めの頃は自分の会社宛に電話がかかってくるのが嬉しくて、積極的に電話をとっていましたが、そんなに簡単に仕事の問い合わせがくるわけもなく、とってもとってもセールス電話。

もちろん、中には有益なものがあるかもしれないと思って、あまり無碍にはしないように対応していたのですが、手を止められてばかりで肝心の自分の仕事が停滞するようになってしまったので、思い切って留守電対応にして、日中は電話に取らないようになってしまいました。もともとコンサルティングや研修で稼働している時は電話が取れないので、はじめから留守電機能は使っていましたが、留守電を残してくれるケースはあまり多くなく、知らない番号の着信履歴がどんどん積み上がっていく。

それでもセールス電話なら放っておいても構わないかと思っていましたが、時には税務署や社会保険事務所から電話がかかってくることもあり、それは対応しないわけにはいかない。露出を上げる投資を続けているので、今後は徐々にお客様からお問合せをいただく可能性も出てくる。そもそも、事務所を構えているのに常に留守電対応ではあまり印象も良くない。実体のない会社だと思われても困る。ということで、先月から電話代行サービスを利用することにしました。

そのやり方で、本当に仕事がとれると思っているのか

使用しているのはfondeskというサービスで、月額たった1万円で入電の一次対応をしてくれます。安価なサービスなので、柔軟な対応をとっていただくことはできないですが、誰から何の用件でかかってきたのかを確認して知らせてくれるだけでも十分。何より、こちらは自分の仕事に集中できる。とても助かっています。入電があるとslackに通知を送ってくれるので、必要な電話であれば、それを見てすぐにこちらからかけ直します。相手の手を煩わせることになってしまうのが申し訳ないですが、これによってようやく安心して仕事に集中できるようになりました。

1ヶ月ほど利用して、電話の履歴を眺めていると、同じ方から何度もセールスの電話がかかってきていることに気づきました。多くの電話は「また改めて電話します」と引き下がっているようなのですが、中には図々しくも折り返しを希望しているものもあります。なぜこちらが、自分のやるべき仕事を後回しにしてまで、見ず知らずの用もない相手に電話しなければならないのかと、呆れてしまいます。それにも懲りずに、何度も電話をかけてきている履歴を見ると、滑稽にすら思えてきます。

この人たちは、本当にこんなやり方で受注が取れると思っているのだろうか。

何度かけても受付電話止まり。折り返しの電話もかかってこない。この状況が何度も続けば、このアプローチをどれだけ続けても、は本人とは接触できないと気づくはずです。本気でセールスをしたいのなら、私であれば、ここでアプローチを変えます。

本気で成果を狙うなら、工夫や改善が必要

ホームページに問い合わせフォームがあるので、そこから連絡を入れることもできます。FacebookやTwitterもやっているので、そこからメッセージを送ることもできます。事務所の住所も公開しているので、そこに商品カタログや企画書を送ることもできます。そこに「何度かお電話をしましたが、ご多用のようですので郵送させていただきました」と一筆でもあろうものなら、むしろ感心すらします。どんな人なのかに興味が出て、こちらから電話するかもしれません。

連絡を取れるルートを何ヵ所も設けているのに、やり方が電話をかけるだけの一辺倒。どこから入手したリストなのか知りませんが、リストに乗っている電話番号に片っ端から電話しているだけだということが、そこから読み取れてしまいます。こちらがどんな会社で、どんな事業をやっているのが、どんな業態なのか調べていない。毎週のようにブログを更新していて、コンサルティングや研修の稼働で出張したり、終日オンライン配信をしたりしていると、わざわざ書いています。そこに目を通していれば、小松には平日の日中に電話してもつながらないと容易に想像がつくはずです。

結局、売れればなんだっていいのです。ウチの会社にも、私自身にも何の興味も関心もない。相手や状況に応じてやり方の工夫ができないところを見ると、この人たちは「本心から仕事が欲しくて、電話をしているのではないのだろうな」とすら思ってしまいます。

「今日は○社に電話をかけました。つながったのが□社だけでした」
「この会社はいつも決済者に電話がつながらないので、受注が取れなくても仕方がないです」

こんなような報告を会社(上司)にして、それで仕事を果たしたと思っているのかもしれません。

これでは、決められたことを、ただ決められた通りにやるだけの「カタチだけの仕事」です。形式的な手続きをしていれば、それで仕事をした気になってしまう。成果に焦点が当たっていない「手段の目的化」の典型とも言えます。

やみくもにその量だけを増やしても、いつまでたっても成果は上がりません。同じやり方で成果が出なければ、やり方を工夫する必要があります。仕事には量も大切です。「量より質」というよりも「量から質」なので、まずは一定の量を積まないことには、質の改善のしようもありません。しかし、ある程度の量を積んで、期待通りの成果がでなければ質の改善も必要になるのです。

「量より質」ではなく、「量から質」

自分の頭で考えて、試行し、工夫・改善せよ

価値観やワークスタイルの多様化、テクノロジーの進化によって、仕事を取り巻く環境は日々刻々と変わっています。ましてや、コロナ以降、テレワークが普及拡大してから、事務所に勤務する人はどんどん減っていってしまいます。事業所に電話して回るスタイルの営業では限界があるということが、世の中の情勢を見ていればわかるはずです。

セオリー通りのやり方、過去の成功法則や王道が、いつまでも通用するとは限りません。今までやってきたやり方に疑問を抱かずに、盲目にやり続けるのは、自ら時代遅れの道に突入するのと同じです。いまの時代や環境、相手の状況に適したやり方は何なのかを、自分の頭で考えて、試行し、日々工夫・改善を重ねていくことが必要です。それをできる人が、この難しい時代において、成功を勝ち取ることができるのではないかと私は思います。

本日も最後まで読んでいただき、ありがとうございました。

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