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2022.8.22

コンサルマインド 〜BtoBビジネスに求められる資質〜(行動編)

シリーズ最終回です。コンサルタントに求められる資質について、意識編技能編に続いて、今回は行動編をお届けします。

モノが飽和し、高度に情報化された現代では、すべてのビジネスにおいて「モノ(商品)」としてだけではなく、「コト(サービス)」として価値を提供することが欠かせません。顧客の課題解決はコンサルタントに限らず、BtoBビジネスをしているすべての方に共通して求められる機能であると言えるでしょう。

コンサルタントに求められる行動

ビジネスマナー

当然ながら、コンサルタントである以前に、一人の社会人(ビジネスパーソン)としてふさわしい礼儀・礼節・品格を備えていることは欠かせません。相手を不快にさせることがないような所作が求められます。

中でも、しっかりと挨拶をあいさつをする、御礼を言う、非があったときにはお詫びをするといった、基本的なコミュニケーションができることは、言うまでもなく大切なのですが、実際には挨拶しない、御礼を言わない、謝らない人も決して少なくはないように思います。

また、相手の貴重な時間を浪費させることのないように、時間を厳守することも重要なマナーです。遅刻をしない、納期を守る。こうした一つ一つの細かい行動をきっちり行うことが、相手からの信頼を得ることにつながります。

加えて、個人的には外見的な要素も重要だと考えています。自分がクライエントであれば、清潔感や品格のない服装、サイズの合っていない服装、乱れた頭髪、崩れた体型の人に、自分たちの大切なお金を使って仕事を依頼したいとは思いません。過度におしゃれである必要はありませんが、やっぱり身だしなみは大事です。

計画的な業務遂行

コンサルタントは、クライエントの貴重なお金と時間をいただいて、課題解決のご支援をいたします。限られた資源を有効に活用して仕事の成果を上げるためには、仕事を計画的に進めることが重要なのは言うまでもありません。

計画とは、目標達成に至るまでの手順と期限を定めたものです。「何を」「どれだけ」「いつまでに」「どの順番で」行えば目標が達成できるのか。どう転んでも期限までに目標水準に達する道のりを描くことが必要です。仮説を立て、工程を設計して、立てた計画にしたがって仕事を進めます。これは仕事の基本とも呼べるものです。

「すべてのことは二度行われる」という原則があります。まずは頭の中(仮想空間)で行い、それから現実世界で行います。頭の中で実現できないことが、現実世界で実現できるはずがありません。まずは頭の中で目標達成を実現させ、それを現実の計画に落とし込むのです。

クイックレスポンス

すべてにおいてスピードが求められるのが、現代のビジネスシーンの特徴です。業種や職種を問わず、すべての仕事において心がけるべきことの一つに、レスポンス(反応)を早くする、すなわち「クイックレスポンス」があると考えます。

レスポンスのスピードを上げることで、コミュニケーションの密度が高くなり、クライエントとの信頼関係が構築しやすくなります。相手との関係度はコミュニケーションの蓄積量によって決まります。レスポンスのスピードを上げることで、短期間で多くの情報量を取り交わすことができ、これが関係構築につながります。

また、クイックレスポンスをすることで、仕事の流れそのもののスピードも上げることができます。多くの仕事は一人では完結できず、他者との相互作用の中で進みます。そのため、自分の責によらず仕事の進捗が停滞するということもしばしば起こります。お互いにレスポンスのスピードを上げることで、工程がサクサク進み、目標達成により早く近づくことができます。やはり、デキる人は仕事が早いのです。

クイック&ダーティー

仕事のスピードを上げるために、もう一つ意識すべきことがあります。それが「クイック&ダーティー」です。直訳すると「早く&汚く」という意味になりますが、「完成度は低くても、できるだけ早くカタチにする」ということです。

前回の技能編でお伝えしたとおり、課題解決にあたっては限られた情報の中から仮説を立てて、それを検証しながら解決に導いていくことが求められます。情報が限定的で不確かな状態の中では、できるだけ多くの仮説を試して検証のサイクルをスピードを上げていくことが重要です。時間をかけて精度を上げたとしても、そもそもその仮説が誤っていたとしたら、成果にはつながりません。完成度よりも、まず真偽を見極める方が先決です。

例えば、クライエントから聞いた話をもとに、何かしらコンサルティングの提案をするとします。時間をかけて資料の完成度を上げて、準備万端でプレゼンテーションをしたとしても、そもそも提案内容が相手のニーズに沿っていなければ、当然ながら提案が受け入れられるはずがありません。資料を作りむ前に、荒くてもいいからコンセプトを伝えて、大筋の合意を取ることが有効です。

私は企業様から研修の引き合いをいただいた際には、オンラインミーティングなどで早めにお相手と面会し、ニーズをヒアリングしながらその場で研修の設計をして提案をするようにしています。自宅にホワイトボードを設置しており、話を聞いた傍から、その場でパーツを配置して大枠の流れを描きます。そこで合意をいただければ、提供する研修が相手のニーズから大きく外れることはないので、その後時間をかけながら細部を作り込んでいきます。「荒く、でも早く、そして速く」。限られたリソースの中で成果を上げるには、この心がけが有効です。

以上、3回にわたってコンサルマインドについてお話をしてきました。

「モノからコトへ」と呼ばれ、あらゆる業種・製品が「サービス業化」していく中で、顧客の課題解決を支援していくコンサルタントの意識・技能・行動は、あらゆるビジネスパーソンに有効に働く資質ではないかと思います。

顧客課題の解決に繋がれば繋がるほど、その商材の付加価値は高くなりますし、付加価値の高い商材が増えることが、経済低迷から抜け出す糸口になります。私もコンサルタントを名乗る者の一人として、デキる人を増やして豊かな社会づくりに貢献していきたいと思います。

本日も最後まで読んでいただき、ありがとうございました。

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