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2014.10.21
これまで、さまざまな自己分析ツールを使って、興味・能力・価値観・役割を導き出してきました。これらはあなたのパーソナリティを自覚する重要な尺度であり、それをステータスシートにまとめたことで、一目瞭然でいつでも確認することができます。
これらをもとにあなたの願望を明確にし、人生の目的(ミッション)を定義するステップへ進むのですが、その前にいま一度やっておきたいことがあります。それは「略歴」をまとめることです。
自分の本当にやりたいことと向き合い、ミッションステートメントを定めるためには、自分のこれまでの人生をストーリーとしていつでも他人に語れるくらい把握している必要があります(実際に語る必要はありませんが…)
とはいえ、せっかく自己分析をやり終えて4つの尺度を導き出したのに、なぜまた改めて過去を振り返るのか疑問に思うかもしれません。
・過去を振り返っても仕方がない。現在の自分を、自分でわかっていれば十分だ。
・思い出したくない過去もある。過去を思い出すと自己嫌悪や他人への恨みや憎しみが蘇る。
・過去の栄光にすがるのは後ろ向きな行為だ。将来だけ考えていればいい。
と思われる方もいるかもしれません。しかし、人生の目的や本当にやりたいことを考える上では、過去の整理はとても重要です。何度でも繰り返し振り返る必要があります。
なぜなら、人のパーソナリティは幼少期・児童期にに大部分が形成されるからです。感性が多感なのは子どもの頃です。大人になってからは理性的に経験を活かしていきますが、子どもの頃は素直な感情に基づいて、無条件に外界の刺激を自らに取り組んでいきます。
幼稚園・小学校・中学校・高校の頃をどのように過ごしていたかが、あなたの人格形成に大きく影響しています。
そして、繰り返し述べているように、人生は日々の大小の「選択」の積み重ねによってできています。過去の経験を振り返ることは、パーソナリティがどのように形成されてきたかを調べることと同義になります。
思い出せることに限りがあるかもしれませんが、大まかな自分の歴史を把握しておくことで、今後内省をさらに深めていく度に、過去の記憶がさらに一段と蘇っていきます。そうすることで、自分が思い描いた願望の裏付けができてきます。
すなわち「なぜ、私は○○を目指しているのか」という理由が、過去のエピソードによって裏付けられ、より強固な欲求、そして信念に転じていくのです。
自己分析は一度では終わりません。願望を明確にし、計画を立てる過程で、今よりももっともっと自分の心の奥深くに触れていきます。その際に、自分の人生を一連のストーリーとしてまとめておくことは、今後自分の経験をさらに振り返る上でとても効果的な準備となります。
入学・卒業や就職先、結婚、出産など、人生の大きな節目になるイベントを中心にして、時系列で自分の歴史を書いていきます。その際、
1.それぞれの年代について、自分が最も熱意をもって取り組んだこと
2.それぞれの年代において、強く影響を受けた人
3.その他、特に印象的な出来事
などをできるだけ加えると良いでしょう。各年代にひとつずつ、印象的な出来事を振り返るイメージです。
例えば私の場合、
・小学校:6年生の時に児童会長に。リーダーシップを発揮することに自尊心を覚える。
・中学校・高校:放送部。アナウンサーなど放送業界に憧れる。華やかさや自由なイメージを追い求めるようになる。
・大学:競技ダンスに出会う。その後の人間関係の形成やライフスタイルに大きく影響する。部活動とアルバイトに傾倒し、留年。夢中になると集中しすぎる傾向はこの頃から見受けられる。
・最初の就職:深夜におよぶ残業続きで能力が鍛えられるが、同時にワークライフバランスについて考えるきっかけになる。人員整理を目の当たりにし、自らのキャリアについても不安を感じ、転職を決意。
・2社目の就職:池袋で一人暮らし開始。大阪へ転勤。結婚。
など、各年代ごとに感情の推移や節目の出来事を捉え、現在の私のパーソナリティ形成のポイントを捉えています。
略歴をまとめたら、それをステータスシートに転記します。
これで準備が整いました。次回からいよいよ、願望の明確化の集大成「ミッションステートメントとビジョンの定義」に移っていきます。