目標と目的の違いとは?

前回の続きです。

人間性が先、お金は後

前回の投稿で、誰にでも「人生の目的」があると述べました。自分が生涯を通じて追い求めるべき目的が見つかり、それに従って生きたならば、日々充実した人生が送れるのではないか?というのが私の考えです。

充実した人生は、精神的に人を豊かにします。満足感のある日々を送り、ゴールに向かっている自分を認識することで達成感、自己効力感、成長を感じることができます。精神的に余裕が出て、何事も肯定的に捉えることができます。他人に対して優しくすることができます。手を差し伸べることができるようになります。世の中に貢献できる人間になるのです。

そして、そういう生き方をしている人は、後から経済的な豊かさも得るようになります。人間性が先、お金は後です。高い人間性を持ち、人々に貢献できる人間になれば、それにふさわいしい報酬を得られるようになる。物心ともに豊かな生活ができるようになるのです。これこそが「なりたい自分になる」、すなわち自己実現を目指す意義ではないかと思います。

目標と目的の違い

そのために、まずは目指すべき到達地点である「人生の目的」を見つける必要があります。そもそも「目的」とはなんでしょうか。「目標」とはどう違うのでしょうか。

この問いに対し、以前ご紹介した『ザ・コーチ – 最高の自分に出会える「目標の達人ノート」』(プレジデント社)著者の谷口貴彦さんは、将来設計でよく用いられる「目標」「目的」「ゴール」「夢」「ビジョン」などの言葉の違いを次のように説明しています。

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目標
目的を達成するために設けた目当て

目的
成し遂げようと目指す事柄

つまり、「目標」はあくまでも、「目標」に向けての目印でしかありません。「目標」は「目的」の実現のために設定されるということ。「目的」が先、「目標」が後です。

ゴール
目的のための最終的な目印。

「目的」達成の到達点が「ゴール」であり、そこに至る通過点として設定するのが「目標」ということです。


将来実現させたいと、心の中に思い描いている願い

ビジョン
将来の理想像や未来の光景
鮮明でありありとしていて、その光景を頭の中で見るだけで、嬉しいとか、楽しいとか、ドキドキワクワクするとかいった感情が湧くもの

これらの5つの関係を「ドリームツリー」という概念図にまとめています。

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私なりの解釈で説明するならば、

1.「」を思い描く
2.そこから到達すべき「ゴール」を設定する
3.ゴールから「目的」を導き出す
4.ゴールに到達するための「目標」を設定する
5,ゴールと目的を達成した姿を「ビジョン」として描く

となります。

 

谷口さんは、このドリームツリーを描くための最初の一歩として、ドリーム100リストを作ることを提唱されています。その名の通り、夢を100個書き出してリストにするというものです。

夢を100個書き出すのは大変です。私も取り組みましたが、足掛け3日間くらいかかりました。もちろん、そこから気づくことや得られることは多いですので、関心が沸いた方はぜひ一度やって見られるといいでしょう。書式は谷口さんのホームページからダウンロードできます(トップページ→無料プレゼント→目標の達人ノート 実践ワークシート)

しかし私自身は、パーソナリティ、すなわち「興味」「能力」「価値観」「役割」が統合された中に人生の目的がある、という立場を取っていますので、ここでは夢を100個書く方法はとりません。これまで行ってきた自己分析とステータスシートを使用して、「人生の目的」=「使命」を見つける方法を考えていきます。

次回に続きます。

  

投稿者プロフィール

小松 茂樹
中小企業診断士・キャリアコンサルタント。株式会社ビジネスキャリア・コンサルティング代表取締役。人材派遣会社、健康食品会社を経て、経営コンサルタントに転身。営業力強化・業務改善・生産性向上・ビジネススキル向上など幅広い範囲で、業績向上や人材育成の支援を行っている。理論的な背景と情熱的な語り口を交えた講演スタイルに定評があり、セミナーや研修で高い支持を得ている。

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