「演技」することで、本当の自分に近づく?

フォレスト出版さんから、YOMiPOという定額制の電子書籍読み放題サービスが提供されています。

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http://yomipo.jp/

敬愛する井上裕之先生の作品をはじめ、自己啓発書が読み放題という私にとっては夢のようなサービスです。最近は通勤時は専らiPadでの読書になりました。

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昨日、平野秀典さんという方の

100万人の心を揺さぶる 感動力のつくり方

という本を読みました。

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この方はサラリーマンをしながら劇団員をされていた方で、独立後は「感動力」をテーマに、お芝居の理論や考え方を活かした、ビジネスマンのコミュニケーションやプレゼンテーションの研修をなさっているそうです。

なかなかに面白かったです。すっかりファンになり、講演を聞きたい著者の方の一人になりました。

 

仕事=「演じる」という考え方は面白いです。

思い返してみると、私も20代の頃に気が乗らない仕事をしなければならない時、

「これは自分ではない。この立場・役割という別の人間を演じるんだ!」

と、自分に言い聞かせながら仕事をしていたのを思い出しました。

 

苦しいこと、辛いことを行う時は、仕事をしている自分と、「今ここにいる」自分を切り離して考えることで、冷静に仕事ができるというのが私の従来の考え方でした。

 

しかし、平野さんがおっしゃっているのは、

自分でないものになろうとするのには無理がある

ということでした。

 

なるほどな、と思いました。

「今ここにいる」自分、本来の自分自身を素直に「演じる」こと。すなわち

ありのまま自分

でいることが、表現力やコミュニケーション力を磨くことになり、感受性の豊かな人間らしい自分になっていくのだと思います。

また、 理想とする自分の姿を「演じる」ことで、たとえ今はまだそういう自分になれていないとしても、次第に本当にそういう人間に変化していくものだと言われています。まさにウソから出た真です。

「演じる」「役作り」「なりきる」という考え方は、セルフイメージの矯正にも役立つなぁと思いながら読んでいました。

 

加えて、平野さんは、次のメグ・ライアンの言葉を引用されて、自分を変化させる試みを「役作り」になぞらえて説明されています。

 

「役作りをするときは、まず自分と重なる自分と重なる部分を探します。それがどんなに小さい種でも、大きく育ててみせます。そしてあらゆる工夫をして、役に近づいていきます。」

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仕事に限らず、人生において成功するためには、「自分がなりたい姿」に既になっているロールモデルを見つけ、その挙動を真似ることで、徐々に理想の姿に近づいていくという考え方があります。

しかし、そのロールモデルの方と自分は別の人間です。理想としている部分もあれば、「自分とは違う!」と思う部分もあります。すべての面でその人に「なりきる」ことは難しいですし、その必要もありません。自分ではなくなってしまいます。

しかし、そのロールモデルの中に、理想としている部分を見出したならば、それがどんなに小さいものであっても、自分と重ねあわせてそれを育てていくことで、結果として「なりたい自分」に少しずつ近づいていくのだなと思います。

 

芝居や演劇を例えとして、表現力、コミュニケーション力、販売力の磨き方について論じられている、変わったアプローチの自己啓発書です。1日で一気に読みましたが、非常におもしろかったです。

 

いろいろな本を読んだり、講演を聞いたりして、つくづく思うのは、

すべての学びは「自己理解」と「人間理解」を深めることに辿り着く

ということ。

「お勉強する」という言葉にはどうもネガティブな印象がつきまとうものですが、いろいろな人の意見、考え方、歴史を学ぶことが、結果的には自分の人間性を豊かにし、相手や周囲の方々を理解し尊重できることにつながり、幸せな人生を生きることに結びつくのだなと思います。

 

今日も最後まで読んでいただき、ありがとうございました。

  

投稿者プロフィール

小松 茂樹
中小企業診断士・キャリアコンサルタント。株式会社ビジネスキャリア・コンサルティング代表取締役。人材派遣会社、健康食品会社を経て、経営コンサルタントに転身。営業力強化・業務改善・生産性向上・ビジネススキル向上など幅広い範囲で、業績向上や人材育成の支援を行っている。理論的な背景と情熱的な語り口を交えた講演スタイルに定評があり、セミナーや研修で高い支持を得ている。

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