ブログ
2015.3.17
先週の日曜日、横浜マラソンに出場してきました。
スタート地点(みなとみらい大橋)
フルマラソンは2回目。
花粉症や風邪などで1ヶ月ほど練習できなかったので、タイムどころか、今回も完走が目標になりましたが、無事に走りきることができました。
前半抑えすぎてしまい、後半飛ばし過ぎたので筋肉痛がひどいです(笑)
タイムは5時間13分。身体を傷めないことを優先して走っていたのですが、もう少し頑張ってみても良かったかなとは思います。
折り返し地点(南部市場)
フルに限らずハーフマラソンでも、走っている時は「なんでこんなことやっているんだろう?」と毎回思うのですがゴールすると「やっぱり走って良かったな」と思います。得るものがいろいろあります。
ゴール後に妻と記念撮影
このブログでも、何度か「マラソンは目標達成のプロセスに似ている」という記事を書きましたが、今回はまた新たな発見がありました。それは
「過去に自分が経験したものは絶対ではない」
ということです。
私は20歳頃まで、横浜市の磯子という街で育ちました。
今回のコースは、横浜みなとみらいを出発し、本牧というエリアを経由して、杉田の南部市場という場所で折り返すというものでしたが、その道中の第4関門から第5関門にかけての根岸~磯子という地域が、私が生誕から10代までを過ごした場所でした。
何度か引越を重ね、高校生の頃には根岸の駅前に移り住んでいたので、この区間を主に過ごしたのは小学生の頃。今回マラソンに出場したことで、20年以上ぶりにこの地を訪れることになりました。
私が住んでいたのは、磯子駅からも根岸駅からも1km以上ある場所で、駅に行くまではバスに乗っていました。小学生の私にとっては、駅はなかなかに遠い場所だったのです。
しかし、大人になった自分の足で走ってみると、わずか10分にも満たない距離でした。応援の方々のおかげもあり、あっという間に通過してしまいました。
家から根岸駅に向かう途中に関東病院という病院があります。ここがちょうど折り返し地点で、ここまで来てようやく「後まだ半分もある~」と思う通過ポイントだったのですが、今回走ってみると、この病院から根岸駅まではわずか3分にも満たない距離だったのです。
子どもの頃の自分にとっては、磯子駅~家~根岸駅というのが、自分の世界でした。かなり広い世界だったのです。しかし、20年以上が経った今、その頃の自分の世界はなんと小さなものだったのだろうと、改めて思います。
果たして、根岸駅やその周辺地域は変わったのでしょうか。一部、建物や店舗は変わった部分はありますが、基本的には何も変わっていません。
変わったのは自分の方です。
その頃の自分にとっては、この地域は自分の世界でした。しかし、私の記憶の中に残る磯子・根岸の街の存在の大きさは、あの頃からはずいぶんと成長した自分が今回マラソンであっという間に通過してしまったことで、すっかり小さくなってしまいました。
記憶というものは、絶対ではありません。
その時の、その自分が感じたり捉えたりした「感覚」が、自分の中に根付いているだけです。そして、その感覚は20年以上が経った今、まったく違うものとなりました。当時よりも世界観が大きく広がった今の自分の目で、当時の思い出の地域を見直すと、感じる大きさがまったく違うのです。
これは自分のものさしのサイズが大きくなったことによるものです。
幼少期の町並みに限らず、いま自分の中にある数々の記憶について、きっと同じことが言えるのではないでしょうか。
楽しかったこと、嬉しかったことなどは、そのまま良い思い出として残しておいてもいいかもしれません。しかし、辛かったこと、苦手だったこと、嫌いだったことなどは、時を経た自分が改めてそれに触れ直すことによって、
「今となっては、大した問題ではない」
と、悪くないイメージで捉え直すことができます。
これを心理学の用語で「リフレーミング」と言います。
ある枠組みで捉えている物事の枠組みを外し、別の枠組みで捉え直すことで、自分にとっての意味や価値を変えることです。別の言葉で言うと、以前に何度かこのブログでも触れた通り「意味づけと解釈を変える」ということです。
今回、私はマラソンを通じて、リフレーミングの効果を改めて思い知りました。「なりたい自分になり、生きたいように生きる」人生は、自己受容からはじまります。自分を好きになること。自分を「素敵な存在」として全面的に受け入れることです。自分の頭の中にある数々の記憶をリフレーミングによって捉え直すことで、自分が生きてきた今までの人生そのものの捉え方が大きく変化します。
もしこれをご覧のみなさんが、自分の中に好きになれない部分があるならば、リフレーミングよって過去の経験の意味づけと解釈を変えることで、その部分を受け入れることができるかもしれません。
そうすれば、あなたはまた一歩、自分の望む自分の姿に近づくことができるでしょう。
【追伸】
応援に駆けつけてくれた両親、出場のきっかけをくれた妻、そして給水や給食、その他運営に関わってくださったすべての方々に感謝。ランナーだけではマラソン大会は成り立ちません。我々が42.195kmを走る環境を作るために、6,000名以上の方が無償でご尽力いただいたき、また数えきれない方々が寒い中で応援してくださったことに、出場者の一人として心から御礼を申し上げます。本当にありがとうございました。