ブログ
2019.5.7
10連休が明け、今日から久々に仕事に復帰される方もいらっしゃるかと思います。
私も連休中は特に遠出せず、娘と近場の公園や花畑などでのんびりとした日々を過ごしていました。こんなに長いこと毎日家族と過ごすのは、年末年始以来のように思います。
平成から令和へと、時代が変わる高揚感を味わうことができ、たっぷりと充電ができた気分です。今日からまた、仕事に勤しみます。
前回の投稿から少し日が空いてしまいました。
2月から4月にかけては研修案件が立て込んでいて、月12日のペースで国内各地を転々としておりました。
3月末から4月にかけては新入社員研修がはじまりました。仕事の進め方やコミュニケーションなど定番の内容と併せて、私がいつもしている話のひとつに「プロフェッショナルとアマチュアの仕事の違い」があります。
働くということは、報酬の対価として労働を提供することです。私たちは、1円でもお金をいただいたら、その対価に見合うだけの「プロの仕事」をしなければなりません。
プロ野球選手でも、ファームにいる選手からトッププレーヤーまで、幅広いレベルの選手がいます。ビジネスの世界でも、新入社員から経営幹部まで幅広いレベルの人がいます。
しかし、共通して言えるのは、みな「仕事によって生計を立てている」ということです。金額の大小はあっても、みな報酬の対価として労働を提供しています。どちらも同じプロなのです。
以前、大手外食チェーン店でアルバイト店員が悪ふざけをSNSに投稿したニュースが相次ぎました。「働く」ことに対する倫理観がまったく備わっていないと言う他ありません。たとえアルバイトでも、報酬をいただく以上はプロの仕事が問われるのです。
一昨年前、このブログでも「プロとアマチュアの仕事の違い」というタイトルで記事を投稿しました。
https://growingtree.jp/archives/2551
当時に述べた要素は、
の2つでした。
今でも、この2つが大切であるという考えに変わりはありませんが、働き方改革時代を迎えて、ここに付け加えたい要素がもう一つ増えました。それは、
です。
今回は「プロフェッショナルの仕事のあり方」について、改めてこの3つの要素を整理してみます。
基準とは「やって当たり前」の水準のことです。プロは、アマチュア(つまり、その分野で専門性を持っていない人)よりも、この水準を高く持っている必要があります。
高度に情報化が進んだ現代では、たいていのことはインターネットを通じて容易に調べることができます。現代人は非常に広範な情報や知識を持っていて、わからないことがあってもすぐにそれを補うことができます。
そのため、アマチュアがプロに依頼する仕事であっても、たっぷりと時間をかけてやろうと思えば、自分で実現できてしまうことも少なくはありません。
したがって、プロは仕事の成果の基準をアマチュアが想定するよりも、はるかに高く設定しておく必要があります。品質はもちろん、コストやスピードをも含めて、顧客が「そこまでやってくれるのか」と思わせるレベルの成果を追求することが必要です。
高い水準を追求しようとする姿勢が、プロフェッショナルである証であると考えます。
プロは対価をいただいて仕事をします。したがって、対価に見合う成果を提供することは、果たすべき最低限の責務だと言えます。
つまり、プロの仕事は、顧客や依頼主が期待する成果を確実に上回り続けている必要があります。仕事の出来が良かったり、悪かったりとムラがあるようでは、プロとしての責務を果たしているとは言えなくなります。
自分の中では数多くあるうちの一度に過ぎなくても、相手にとってはそれが「唯一の1回」であることがありえます。たまたまその1回にあたってしまった相手は、対価に見合う成果を得ることができなかったことになってしまいます。
プロとして仕事をするためには、常に安定したパフォーマンスを発揮することが求められます。たとえ多少のムラがあったとしても、それを最小限に抑え、「悪くても期待水準以上」のラインを死守しなければなりません。
そして、仕事の成果を決めるのは、それを生み出すためのプロセスです。成果のムラを抑えるためには、不確実な要素の影響をできるだけ排除して、狙った結果が出るための「再現性のあるプロセス」を追求していく必要があります。
つまり、「一か八か」「出たとこ勝負」の姿勢で仕事に取り組まないと言うことです。たとえ未知の領域に挑戦する仕事であったとしても、可能な限り論理的・計画的に進められるように仕事を設計し、万全の準備で臨むことが求められます。
リスクを最小限に抑え、安定した成果を狙うことがプロフェッショナルの仕事だと言えるでしょう。
高い水準を追求することも、安定した成果を出すことも、時間やお金をいくらでも使っていいのであれば、難しくないかもしれません。
しかし、環境変化のスピードや市場競争の激しい現代において、時間やお金といった資源を潤沢に使うのは現実的とは言えません。プロは、高い基準の安定した成果を、できる限り高い生産性で実現することが求められます。
生産性とは、投入資源(インプット)に対する成果(アウトプット)の割合のことです。つまり、プロの仕事とは成果を生み出すためのインプットを極力少なくすることだと言えます。
とりわけ、今は投入する時間をより少なくすることが求められています。本年4月より労働基準法が改正され、時間外労働の上限規制や年次有給休暇の取得が義務づけられるようになりました。「結果を出すためには、何時間でも働く」ということが許されない世の中になったと言えます。
したがって、プロは時間管理を適切に行い、成果につながらない活動を最小限にするよう努めることが必要です。
必要のない会議やメール、文書などを極力排除することは当然のこととして、コミュニケーション不足や段取りミスによる、手戻りや二度手間が発生しないよう、仕事の進め方に工夫と改善を重ねていくことが不可欠です。
「徹底した無駄の排除」「意味のないことはしない」といったアウトプット志向が、プロフェッショナルの仕事の姿勢に加わったと言えるでしょう。
プロフェッショナルの仕事には、
の3つが求められます。
働くすべての方々がプロの仕事を果たそうと努めることが、個人にとっても、組織にとっても、そして社会にとっても、経済的・精神的な豊かさを生み出すことにつながると私は考えます。
本日も最後まで読んでいただき、ありがとうございました。