お問い合わせはこちら

業務効率化

2025.1.25

業務効率化研修で受講者から聞いた驚きのムダ業務TOP5

はじめに

当社が実施している「業務効率化研修」受講者の方々が実際に抱えていた、驚くほど無駄だと感じられる仕事をご紹介します。

この研修はこれまでに32回開催し、延べ626名の方々にご受講いただいています。グループワークの中で、参加者同士がお互いの業務の中から「これは効率化できるのではないか」と思う作業を共有していただくと、信じられないような非効率に出会うことがあります。そこで今回は、その中でも特に「今すぐやめるべきだ」と思われる仕事を5つ厳選しました。

これらは全て、事業の成果にはほとんど寄与しないにもかかわらず、習慣や慣例で続いている仕事ばかりです。もし読んでいて「うちでも同じことをしているかも」と思うものがあったら、ぜひ改めて「本当に必要な仕事なのか」を検討してみてください。

長年当たり前のように続けてきた業務ほど、削減や効率化による効果は大きいです。削減した時間や労力を、本当に価値を生む業務に回すことで、より大きな成果を出せるようになるでしょう。

第5位:議題が事前に知らされない会議

まず第5位は、「日時や場所の連絡しかなく、当日まで何を話すのか分からないまま呼び出される会議」です。

こうした会議の進め方は、最も避けるべきパターンです。確かに会議は、情報共有や意思決定など大切な役割を担っていますが、会議を行うこと自体が直接的に売上や利益を生むわけではありません。そのため、できるだけ短時間で合理的に進める必要があります。

しかし、事前に何について議論するのか、どんな結論を出したいのかが分からなければ、参加者は準備ができません。いざ当日「今日はこれを決めます」と言われても、「そんな話が出てくるとは思わなかった」という状態では、まともに意見を出すのは難しくなります。

議論は深まらず、結論も出ず、仮に何かが決まったとしても後から「あれはやっぱり変えたほうがいいのでは」と思うことはあっても、もう一度会議を開くのが面倒になり、結局そのまま進んでしまいがちです。

会議を効率的かつ建設的に行うには、最低限として会議の「目的」「ゴール」「必要な資料」を事前に共有することが重要です。参加者が宿題として資料や情報を読み込み、自分なりの考えをもって会議に臨むことで、その場で発言が活発になり、納得感のある意思決定が行えるようになります。

わざわざ会議を開く以上、時間や人件費といったコストはかかるため、常に最小限の手間で最大の効果を上げるやり方を目指していきましょう。

第4位:逐語録の作成

第4位は、会議で話されたことを文字起こしする「逐語録」の作成です。

これは議事録とは異なり、誰がどんな発言をしたかをそのまま記録するためのものです。その理由の多くは、後になって「言った」「言わない」のトラブルが発生しないようにするためだそうです。

そもそも、そこまで徹底しなければならないほど互いを信用できない体質に問題があると言えますが、仮に何らかの理由で逐語録が必要だとしても、その作業を手作業で行うのは非常に非効率です。

いまやオンライン会議システムを使って録音すれば、AIによる文字起こしツールが自動的に文章化してくれます。その文字起こし結果をさらにChatGPTなどの生成AIにかければ、形式を整えたり要約したりするのも簡単です。

特に大型会議では発言者が多いため、人間による文字起こしには時間がかかり、担当者の疲弊も大きいです。そのうえ、ミスを見落とす可能性もあります。AIを活用できれば、こうした作業はほぼ自動化でき、浮いた時間をより生産的な業務に使えるようになるでしょう。

第3位:親会社のシステムとExcelの二重入力

第3位は、在庫管理業務で「親会社から指定されたシステムと、自社で運用するExcelの両方にデータを入力しなければならない」問題です。

親会社のシステムが使いにくく、リアルタイムの在庫状況を把握しにくい一方、社内では細やかな管理ができるようExcelが運用されているというケースでした。しかし、当然ながら、同じ情報を2箇所に手入力するので手間が生じてしまい、無駄な工数が発生します。

本来であれば、親会社のシステムを改修してもらうのが理想的なのですが、そう簡単には進まないことも多いでしょう。それでも、Excelのデータを親会社のシステムへインポートできる形に変換するマクロを作成したり、自動入力のためのRPAツールを利用したりと、手入力を減らす工夫はできます。

わずかな投資で開発したマクロやRPAが稼働すれば、日々の入力作業が大幅に削減でき、入力ミスのリスクも減らせます。使いにくいシステムに合わせるために、時間と労力を割き続けるよりも、そうした仕組みづくりに目を向けたほうが圧倒的にコストパフォーマンスが良いはずです。

第2位:役員用資料フォーマットの変換

第2位は、「役員によって好みの資料レイアウトが異なるため、同じ情報を複数パターンで作成する」というケースです。

例えば、営業成績や社内全体の数字をまとめた表があっても、ある役員には縦軸で見たい、別の役員には月別の推移で見たい、また別の役員にはグラフ化してほしい、といった要望が出ることがあります。

それ自体は理解できるのですが、作成側からすれば全て異なるレイアウトに作り直すのは大変で、同じ数字を何度もコピペして貼り替えるなど無駄が多発しがちです。こうした要望に対応していると担当者の負担が増え、本来やるべき分析や企画に割く時間が奪われてしまいます。

より効率的な方法としては、マスターファイルに全ての数字をまとめておき、そこからボタン一つで必要なフォーマットへ加工できるようにマクロを組むことが挙げられます。

一度仕組みを作ってしまえば、「A役員向けレイアウト」「B役員向けレイアウト」「C役員向けレイアウト」がそれぞれ自動出力でき、作業は最小限で済むようになります。

もし予算や人員が足りずに自前で開発が難しい場合も、外部のプロに依頼すれば意外と安価で済むことがあります。長期的に見れば、こうした自動化への投資は、担当者の手作業を大幅に減らし、組織の生産性を底上げする結果になるでしょう。

第1位:小口現金精算のための両替

堂々の1位は、「小口現金精算のための両替作業」です。

研修で聞いた話では、両替をするためだけにコンビニなどへ出向き、意図的に千円や一万円を使って小銭を作り、それを会社の現金とすり替えるといった方法で対応しているそうです。銀行の両替回数が制限されていて何度も両替できない、あるいは両替手数料がかかるからといった理由があるのですが、そもそも小口現金精算の場面自体を減らせば、両替をする必要はほとんどなくなります。

例えば、小口が必要な建て替え払いを一定額まで貯めてからまとめて振り込む方法や、従業員に会社名義のクレジットカードを持たせる方法など、現金を使わなくても済む仕組みが多々あります。

クレジットカードの利用明細は履歴が残るため、不正利用があればすぐに分かりますし、経理システムと連動するAPIを利用すれば、伝票入力の手間さえ削減できる可能性があります。

わざわざコンビニに行って不要な買い物をし、小銭を作って戻ってくるという一連の手間のほうが、振込手数料やカード管理費よりはるかに高いコストになります。両替にまつわる雑務が日常化している職場こそ、一気に仕組みを変えてしまうほうがスムーズでしょう。

おわりに

以上が、当社の業務効率化研修でとりわけ驚かれた無駄な仕事のトップ5です。どれもこれも、「今までずっとやってきたからやめにくい」「こうするしかない」と思い込みがちですが、少し見方を変えたり、外部サービスやツールを活用したりするだけで、驚くほどシンプルに改善できます。

業務効率化とは、単に時間短縮やコスト削減を目的としたものではなく、本当に必要な仕事に人材と資源を集中させるための手段です。慣習や惰性で続いている作業を洗い出し、「それは本当に必要か」「もっと効率的な方法はないか」を問い続けることで、会社全体の生産性と社員のモチベーションを高めることができます。

ぜひ一度、あなたの職場にもこうした「今すぐやめるべき仕事」が紛れ込んでいないか、振り返ってみてください。

関連サービス

関連動画

神戸・大阪で人材育成・社員教育をお考えの経営者、管理職、人事担当者の方々。下記よりお気軽にお問い合わせください。(全国対応・オンライン対応も可能です)

弊社にご関心をお持ちいただき、ありがとうございます。お気軽にお問い合わせください。

TEL.
078-600-2761