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2025.7.19

こんな人をリーダーに選ぶな!社員の離職を招くリーダーの特徴

組織づくりにおいて「誰をリーダーに選ぶか」は、会社の雰囲気や成長、ひいては社員の定着率にまで大きな影響を及ぼします。今回のテーマは「こんな人をリーダーに選ぶな」。現場でメンバーから嫌われ、職場の空気を悪化させ、結果として優秀な人材から順に辞めていってしまう―そんな地雷リーダーの特徴についてお伝えします。

私自身、経営コンサルタントとして10年以上、多くの企業の現場や研修に関わってきました。リーダー研修やマネージメント研修、管理職研修など、さまざまな現場を見てきましたが、その中で本当に「なぜこの人がリーダーに?」と疑問を抱くケースにも多く出会ってきました。また、中堅社員や若手社員の研修でも、上司についての相談や愚痴が頻繁に出てきます。「一方的な話かもしれない」と思いながらも、耳を疑うような実例も少なくありません。「これは辞めたくなるのも仕方ない」と感じる現場のリアルが、多く存在するのです。

私が運営する研修やコンサルティングは「自ら考え行動する自律型人材」の育成をミッションとしています。どんなに仕組みや制度が整っていても、現場のリーダーの質が悪ければ、組織は機能しません。「どんなリーダーの元で働くか」は、個人の成長や会社の活力、離職率にも直結する最重要ポイントなのです。そこで今回は、まず前半で「絶対に選んではいけないリーダーのタイプ」を5つ紹介し、後半で「どんな基準でリーダーを選ぶべきか」という実践的な基準も解説します。

選んではいけないリーダーのタイプ5つ

権力志向型

まず最初にご紹介するのは「権力志向型」です。

このタイプは、上にはいい顔をし、下には高圧的な態度をとる傾向があります。

驚くかもしれませんが、現代でもこうした人物は決して珍しくありません。表面的には結果を出しているように見えるため、経営層からは評価されやすく、リーダーに抜擢されがちですが、現場は大混乱です。一貫性がなく、相手によって態度を変えるため、部下からの信頼をまったく得られません。

表面上はうまくいっているように見えても、組織の内情はどんどん荒れ、優秀な人材が離職してしまうことになります。

自己愛型

2つ目は「自己愛型」です。

いわゆる「自分大好き人間」で、常に自分が正しいと信じて疑いません。自分のミスを認めず、部下の提案や批判もすべて「周りが悪い」と受け止めてしまう。

どれだけ建設的な意見を述べても、本人が受け入れようとしないため、周囲の意欲もどんどん下がります。やがて「何を言っても無駄だ」とメンバーが諦めるようになり、静かに会社を去っていく、そんなパターンも多く見受けられます。

優柔不断型

3つ目は「優柔不断型」。

とてもいい人ではあるものの、とにかく決められない。何ごとも保留、先送り、曖昧な指示やオブラートに包んだ物言いばかりが続き、組織が全然前に進みません。

こうしたリーダーの下では、優秀な人ほどフラストレーションが溜まり、「早く決めてくれ」「前に進ませてくれ」と感じます。さらに、判断基準が明確でないため、部下も主体的に行動しにくくなり、「余計なことをするな」「やりすぎだ」とブレーキばかりがかかるのです。リーダーの最も大切な仕事のひとつは「決断すること」ですが、これができないタイプは要注意です。

感情コロコロ型

4つ目は「感情コロコロ型」、つまり気分屋です。

昨日と言っていることが違ったり、昨日は褒めてくれたのに今日は怒鳴る、というような極端な感情の浮き沈みが目立ちます。

こんなリーダーの元では、部下は常に上司の機嫌をうかがいながら働くことになり、報告や相談のタイミングに迷い、意思決定のスピードも鈍ります。心理的安全性が損なわれ、仕事に本来のエネルギーを注げなくなる環境です。こうした状況が続けば、我慢できなくなったメンバーは次々と離職していくでしょう。

育成放棄型

最後は「育成放棄型」です。

単に部下の面倒を見ないだけでなく、極度の成果主義に陥りがちなタイプです。「優秀な人だけ残ればいい」「できない部下は努力が足りない」「結果が全て」と言い切り、フォローや育成の責任を放棄します。

部下の失敗はすべて本人の責任にし、「頑張れ」「気合いが足りない」など精神論ばかりが先行してしまう。こうしたリーダーの下で「自分が成長できる」と思う部下はいません。

組織においては結果ももちろん大事ですが、同時に「人を育てる」「成功体験を作り出す」という意識が不可欠です。育成を怠るリーダーは、長期的にみて組織に大きなマイナスをもたらします。

リーダー選びを間違えると会社が危うくなる

これら5つの「選んではいけないリーダー」のタイプに共通しているのは、「自分本位でメンバーに関心がない」「人間性や安定感に欠ける」という点です。

かつては「プレイヤーとして成果を出した人」や「社歴の長い人」がリーダーに選ばれがちでしたが、今やそうした基準は通用しません。環境の変化が激しい現代では、「人を活かす力」「チームをまとめる力」「人間性や器の大きさ」がより強く求められるのです。

リーダー選びを間違えると、せっかく採用した人材が育たず、職場の雰囲気が悪化し、優秀なメンバーからどんどん離職していく―こうした負の連鎖が生まれてしまいます。逆に言えば、どんな人をリーダーに抜擢するかで、会社の未来が大きく変わるのです。

社員が辞めない会社をつくる「リーダー選びの5つの基準」

ここからは、組織の未来を託すリーダーはどう選ぶべきか、実際の現場で本当に信頼されるリーダーが持つべき5つの要素をお伝えします。どれも特別な才能やカリスマ性が必要なわけではなく、日々の姿勢と誠実な努力が問われるものです。あなたの会社で「この人に任せてみよう」と思えるか、ぜひ一つ一つチェックしてみてください。

1. 部下からの信頼があるか

何よりも大切なのは、部下やメンバーからの信頼です。いくら能力が高く、数字上の成果を出していても、チームのメンバーから「この人についていきたい」「この人と働きたい」と思われなければ、組織はまとまりません。

今の時代、SNSや口コミですぐに職場の実態が広がる中で、たった一人のリーダーの失言や行動が組織全体の信用を傷つけることもあります。だからこそ、リーダーには「人間性」が最優先です。誠実さ、思いやり、公正さ、部下への関心、約束を守る姿勢など―こうした当たり前の積み重ねが、最も大きなリーダーシップの源となります。

「業績が上がればムードも良くなる」という声もありますが、実際には「良いチーム」ができてこそ業績がついてくるものです。人間性が磨かれ、信頼関係が強いリーダーの下では、社員はのびのびと働き、自然と成長していきます。

2. 自分のミスを認める器があるか

パーフェクトなリーダーはいません。誰だってミスをするし、時には判断を誤ることもあります。しかし、それを誤魔化したり、他人や部下のせいにするようでは信頼を失う一方です。自分の非を認め、「ごめん、ここは自分が間違っていた」「こうしようと思うが、どうだろう?」と素直に言えるリーダーは、自然と部下の信頼も集まります。

実際、自分の失敗を認める勇気がある人ほど、周囲からも「この人は誠実で信頼できる」と見られます。メンバーも安心して本音を言えるようになり、風通しのよいチームが生まれるのです。間違いを認めることは、弱さではなく強さの証なのだということを、リーダー自身が示していきましょう。

3. 方針を明確に示し決断できるか

ビジネスの現場に「唯一絶対の正解」はありません。状況は常に不確実で、どの道にもメリット・デメリットがあります。だからこそリーダーは、「最善と思える方針を選び抜き、腹を括って決断する」ことが求められます。

もちろん、十分な情報を集め、メンバーとも相談し、時には仮説を立てて検証しながら決める必要があります。ただ、最後はリーダー自身が「これでいこう」と決断し、たとえ失敗しても「それは自分の責任」と言える覚悟を持つことです。優柔不断で決められない、失敗した時に逃げてしまう―そんな上司についていこうと思う部下はいません。メンバーが「この人ならついていける」と感じる明快さと覚悟が、組織の成長を引き出します。

4. 感情のコントロールができるか

現場で意外と多いのが、リーダー自身の気分や感情がチームに大きな影響を与えてしまうパターンです。イライラしていたり、昨日と言うことが違ったり、突然怒り出したり―こうしたリーダーの下では、部下も萎縮してしまい、本来のパフォーマンスを発揮できません。

リーダーも人間ですから、調子の良し悪しやプライベートでの出来事もあるでしょう。だからこそ「セルフマネジメント」が大切です。心の状態を整え、アンガーマネジメントやストレスマネジメントにも努める。自分の感情を自覚し、必要に応じてリフレッシュしたりする。感情が安定し、プラスのエネルギーを周囲に与えられるリーダーは、安心してついていける存在になります。

5. 部下を育てて任せる勇気があるか

最後のポイントは「育てて任せる勇気」です。プレイヤーとして優秀だった人ほど、「自分でやった方が早い」「自分がやった方がクオリティが高い」と感じがちですが、リーダーの仕事は監督であり、メンバーを成長させることにあります。たとえ自分の方が得意なことがあったとしても、部下に任せてみる。失敗しても一緒に学び、支えてあげる。そうした勇気と忍耐が、長期的に見れば組織の底力を高めていくのです。

自分がやった方が早いからと全部を抱え込んでしまうと、部下はいつまでも成長できません。できるリーダーは、まず部下をサポートしながら少しずつ任せる範囲を広げていき、成功体験や達成感を積ませます。チームの底上げをはかることこそ、リーダーの最大の役割と言えます。

まとめ:「人間性」こそ最強のリーダーシップ

今回は「社員の離職を招くリーダーの特徴」と「リーダー選びの5つの基準」について解説してきました。かつてのように「プレイヤーとしての実績」や「社歴の長さ」だけでリーダーを選ぶ時代は終わりました。これからのリーダーには、部下を活かす力、誠実な人間性、決断力、感情のコントロール、そして育てて任せる覚悟が求められます。

離職率の高い会社は、例外なくリーダー選びの基準を間違えていることが多いのです。どんな人をリーダーに据えるかで、会社の未来は大きく変わります。今いるメンバーの中から選ぶ時も、新しいリーダーを育てる時も、ぜひ今回ご紹介した5つの視点で見極めてください。

人間性を重視したリーダー育成と選抜を進めていけば、組織は必ず強くなります。社員一人ひとりが「ここで成長したい」と思える、そんな会社づくりの一助となれば幸いです。

本日も最後まで読んでいただき、ありがとうございました。

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