微差力〜デキる人とできない人の差は、ほんのちょっとの差~

先日、友人から薦められて、斎藤一人さんの『微差力』(サンマーク出版)を読みました。

 

非常に読みやすい文庫本で、1時間くらいでサラリと読める内容です。

内容はいたってシンプルですが、物事の本質を的確に突いていると思います。

耳が痛いと感じつつも、大切なことを改めて思い返させてくれる素晴らしい一冊でした。

 

写真 2015-12-15 20 11 57

内容を一言で言うならば、

ほんの小さな微差の積み重ねが、大きな差につながる

ということです。

 

もうひと手間をかけるだけで大きく変わる

頭ではわかっていても、なかなかできないのが、このちょっとした差です。

 

デキる人とデキない人を比べてみても、デキない人が何か能力的に著しく劣っているというわけではありません。

工夫、勤勉さ、丁寧さ、配慮、礼儀・・・

こうしたことができるかどうか。

両者の差は、本当に小さな、わずかな微差にあります。

 

しかし、その微差をいつも生み出せるかどうかが、その人の成果や評価を大きく左右します

 

たとえば仕事であれば、

・書類を提出する前にもう一度見返しておく

・大事なメールを送った後に、一本電話を入れておく

・プレゼンの本番前に一度リハーサルをしておく

など、あともう一歩のひと手間をサボったがために、大きな痛手を被ることがあります。

 

人間関係においてはもっと顕著です。

・時間や約束を守る

・自分の言い分を通そうとする前に、相手の言い分を聴く

・感情的に言い返してしまう前に、一度飲み込む

たった一度の手抜きや自制心のなさが、信用の喪失につながることがあります。

 

他にも、「1日1ページでいいから本を読む」「学んだことをメモに書き留めておく」「セミナーや研修で学んだ内容を復習してみる」というだけでも学習と成長の効果は大きく変わりますし、

「エレベーターに乗らず、階段を使う」「昼休みに外に出て散歩してみる」「自然の食材を使ったものを食べる」といったことで自分の健康を守れる可能性が高まります。

 

どれも、能力的に難しいことではありません

ひとつの行動としては、大したことのないことばかりです。

それでも、ついつい手を抜いてしまう。

それが後になって大きな痛手になってしまうのです。

 

デキる人は、この微差がもたらす影響力を心得ています。

それゆえ、あと一歩が踏み出せるのだと思います。

85234a003b299e1e8f2b523bd69b264e_m

誰もが正しいと思えることをする

私の仕事のテーマは「人の可能性を引き出す」です。

人間の顕在能力には差がありますが、潜在能力にはほとんど差はないと考えています。

 

圧倒的な成果を得ている人であっても、魔法や超能力を使っているわけではありません。

同じ人間です。能力的には誰にでもできることです。

しかし、潜在能力を開花させられるかどうかは、その人の日頃の行いと心構えによって決まります。

 

私は、自分の可能性を引き出すためには、次の4つが必要だと考えています。

1.自分自身を正しく理解し、磨き、高めようとしていること

2.明確な目的意識を持ち、一日一日を大事に過ごしていること

3.上質で良好な人間関係を構築していること

4.物事の本質を心得ていて、それを実践していること

 

どれも大切な要素ですが、4番目が一番大事です。

いつの世も変わることのない、普遍の真理。

それを自分のものとしているか否かがです。

 

物理学にも法則があるように、人間の行いにも法則があります。

正しいことをすれば、正しいことが返ってきます。

悪いことをすれば、悪いことを返ってきます。

 

タイムラグがあるので、やったことがすぐに報われないこともありますが、長い目で見れば人生は帳尻が合うようにできています。

斎藤さんはこれを「道理」という言葉で表しています。『7つの習慣』で「原則」と呼ばれているのも同じようなものです。

 

要するに、

誰もが正しいと思えることをする

それが人生を豊かにする最良の方法だと、私は思います。

 

10001歩の微差

正しいことをするのに能力は必要ありません。

正しいとわかっていてもできないのは、「できない」のではなく「やらない」だけです。

 

とはいえ、完璧な人間なんていません。

やった方が正しいとわかっていながら、やっぱり「やらない」ことも多くあります。

正しいことをすべてやろうとするのは骨が折れるし、息も詰まります。

 

でも、昨日の自分と比べて、何か一つ、プラスアルファのことをする

それだけでも、小さな変化が確実に生まれてくるように思います。

 

成功哲学の祖ナポレオン・ヒルも、成功の素のひとつに「プラスアルファの行動」を挙げています。

人生は一歩一歩です。

ショートカットはできないし、一気に追い上げることもできないし、インチキをすればいずれ反則負けになります。

 

他人と比べる必要はありません。自分の基準に対して、一歩を積み増すことが大切です。

一日100歩進んでいる人なら、101歩。

一日10000歩進んでいる人なら、10001歩。

 

10000歩の人があと100歩出そうとするから、気力や体力がもたなくなる。

一歩出すだけでも前進です。これが微差ではないでしょうか。

 

デキる人は微差がもたらす成果の大きさを理解しています。

無理をすると自分に負担がかかりますが、あと一歩だけ踏み出すのはさほど負担ではないかもしれません。

本質的なことをあと一つだけ積み増しておく。それで十分です。

こういう人には、次第に人が集まり、仕事が集まり、結果としてお金も集まってくることでしょう。

 

私もまだまだです。微差の大切さを自分の中に浸透させ、微差を積んでいける人間を目指したいものです。

当たり前のことを当たり前にやって、人生を豊かにしていきましょう。

 

本日も最後まで読んでいただき、ありがとうございました。

  

投稿者プロフィール

小松 茂樹
中小企業診断士・キャリアコンサルタント。株式会社ビジネスキャリア・コンサルティング代表取締役。人材派遣会社、健康食品会社を経て、経営コンサルタントに転身。営業力強化・業務改善・生産性向上・ビジネススキル向上など幅広い範囲で、業績向上や人材育成の支援を行っている。理論的な背景と情熱的な語り口を交えた講演スタイルに定評があり、セミナーや研修で高い支持を得ている。

関連記事

  1. 若手社員が主体的・自律的になるために必要なことを考えてみた(前編)

  2. 今、ここにいる自分と向き合う

  3. 最低限のことを全力で

  4. 今いる場所で使命を果たすことが立派な社会貢献です

  5. 若者のアイデアをおじさんの力で実現させよ

  6. 経験の持つ意味を変える方法