自律型人材
2025.1.15
目次
現代のビジネス環境は急速に変化し、予測困難な状況が続いています。このような時代においては、単に上からの指示や命令に従うだけの働き方では通用しないと言えるでしょう。従業員一人ひとりが自ら考え、行動する自律型人材となることが、組織の成功において不可欠です。
特に、忙しい状況にあるマネージャーやリーダーは、部下の指導や育成に多くの時間を割くことが困難な状況に直面しています。こうした場合、より一層、チームのメンバー一人ひとりが自律的に動けることが求められます。
メンバーを指示待ち人間ではなく、自ら考えて行動する自律型人材にすることで、役割分担と相乗効果が強く発揮された強い組織を作ることができます。
自律型人材を育成する上では、日常的な問いかけが重要になります。以下の3つの質問を投げかけることで、日々の仕事の中で、各メンバーが自分の頭で考え、主体的に行動する習慣を身につけていくことができます。
最初の問いは「どのようにやるのか?」です。自分がなすべきことを実行するための方法論を考えます。
例えば、重要な商談が控えている場合、どのように話を進めるべきか、どんな資料を準備すべきかなど、必要な準備や当日のシナリオを考える必要があります。
経験の浅いメンバーには指導が必要ですが、一定のスキルや経験を持つメンバーであれば、こうした問いを立て、自ら解決策を導くことが可能なはずです。
マネージャーが細部にわたって指示を出すのではなく、自分で考える余地を与えることが、自律型人材を育てる上での重要なしかけです。
次に重要なのが、「何をするのか?」という問いです。自身が取り組むべき課題や活動を考えます。
例えば、1億円の売上目標がある場合、10万円の商品を1,000社に売るのか、それとも100万円の商品を100社に売るのか。
自ら考えて行動する自律型人材には、自分が目指す目標を達成するために、具体的に何をするのかを考える力が問われます。自分が求める成果を得るために、限られた資源の中で「何に注力すべきか」を選び取る能力は、より高度な自律型人材の特徴だと言えるでしょう。
この問いを繰り返すことで、限られたリソースの中で何に注力すべきかを判断する力が養われます。優先順位をつけ、行動計画を立てる力は、チーム全体のパフォーマンス向上に直結することでしょう。
最後にして最も重要な問いが、「Why」、すなわち「何のためにこの仕事をするのか」です。自分がなすべきことの意味や目的を考えます。
この問いに対する答えがないままに仕事をすると、無駄な作業や非効率な作業が増えていきます。
仕事のムリ・ムラ・ムダを防ぐためには、「できるからやる」のではなく、「必要だからやる」という視点を持つことが重要です。これにより、仕事量を適正化し、限られた時間で最大の成果を上げることができます。
「何のために」を考える力は、次の3段階で鍛えることができます。
一つひとつの作業について、その目的や後工程を考えた上で実行することが重要です。例えば、資料作成一つとっても、その目的を考えることで、過剰な品質や無駄な労力を防げます。
個々の作業だけではなく、業務全体の流れを見ることで、何を・どこまでやるべきかが把握できます。作業の集合体としての業務全体が効果的かつ効率的であるかを考えることで、生産性を高めることができます。
会社全体の事業が誰のために、何のためにあるのかを深く考える段階です。従業員一人ひとりがこれを考えられる組織は、社会に大きな価値を提供できることでしょう。
これらの問いを繰り返し実践することで、メンバーの目的意識が醸成され、チーム全体が一体となって最大限の成果を上げることが可能になります。
自律型人材を育成するためには、まずリーダーが上記の問いかけをメンバーに共有し、日常的に取り入れることが重要です。一人ひとりが自ら考え行動できるようになれば、組織全体が最小の労力で最大の成果を上げられるようになります。
これらの問いを実践に取り入れることで、チーム全体が自律的に成長し、変化の激しい時代にも対応できる強固な組織を築くことができるでしょう。
あなた自身が目的意識をもって仕事をするのはもちろん、あなたの部下や後輩にも、絶えず目的を考えさせるような問いかけを投げかけ、一人ひとりが自ら考えて行動する、自律的な組織づくりを進めていってください。
本日も最後まで読んでいただき、ありがとうございました。
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