情報格差の時代から、行動格差の時代へ(clubhouseの配信を終えて)

clubhouseのトークセッションを終えて

3/29(月)にclubhouseにてトークライブ「コロナ以降の生き抜く力を考える」を実施いたしました。ご参加いただいた方々に、改めて御礼を申し上げます。ありがとうございました。

初の試みだったこともあり、進め方や準備に改善点もありますが、共同モデレーターの田根さんやゲストの津城さんと楽しく、実りある話をさせていただきました。やはり何事もやってみるという姿勢が大事ですね。得るものが多くありました。

clubhouseが爆発的に普及した2月頃と比べると、全体の盛り上がりはやや下火になっておりますが、その分、やたらと大規模を狙うようなルームやフォロワーを増やすことだけを目的にしたルームがだいぶ姿を消し、テーマに関心のある人で集まる小規模で有益なルームが安定稼働している印象です。

配信を終えて、主催者間でいろいろと意見交換し改善点を洗い出しました。私個人としては何かしらの形でclubhouseの配信を継続していこうと考えております。やはり私はしゃべることが持ち味ですし、メルマガやブログの読者の方々、仕事でご縁のあった方々と双方向で意見交換する場を定期的に設けて、刺激を受け続けていきたいです。

この後の方針として検討しているのは、下記の3形態です。

  1. 複数の方々で集まり、座談会形式で話す(バラエティ番組風)
  2. ゲストを一人で呼んで、小松と対談する(徹子の部屋風)
  3. 小松が一人で好きなように語る(ラジオの個人番組風)

正直なところ、どれも選択肢としてあり得てしまい、次の手を決め兼ねています。もしよろしければ、アンケートにご協力いただけると助かります。投票の多かった形態で、4月に第2弾を試みてみようと思います。

This poll is no longer accepting votes

【アンケート】clubhouseの形態、どれが良いと思いますか?

This poll is no longer accepting votes

【アンケート】clubhouse配信、参加しやすいのは?

「情報格差」から「行動格差」の時代へ

さて、前回の配信では、田根さんからの副業・複業の最前線事情やこれから求められる求人・能力要件、津城さんのバラエティに富んだ職務経歴と開業直後のコロナ直撃談など、おもしろい話がいろいろとありましたが、今回はその中でも最も印象に残っている、田根さんから出た神ワード「行動格差」について考えてみたいと思います。この表現は、今回の配信テーマでもあった「これからを生き抜く力」を見事に表す、見事な表現だなと思いました。

有益で信頼性の高い情報にアクセスできるかどうかで生活のあり方に差が現れることを「情報格差」と呼びます。おそらく、この傾向は今後も続くと思います。インターネットによって容易に情報収集ができるようになった一方で、得られる情報は玉石混交であり、情報の信頼性を見極める「眼」がますます問われるようになるでしょう。

実際、以前このブログでもご紹介した国際団体ATC21s(21世紀型スキルの学びと評価プロジェクト)の「21世紀型スキル」の中でも、これからの重要な仕事のツールのひとつとして「情報リテラシー」が挙げられています。これは信頼性の高い情報と低い情報を見極める能力を表しています。

「腹を括り、現状を疑え 〜VUCAの時代と21世紀型スキル〜(2020.08.24)」

誰もが簡単に情報発信ができるようになった結果、情報を収集する方にも能力が問われることになります。誤った情報や偏った情報、不十分なデータに基づいて物事を考えたとしたら、当然ながら誤った結果に導かれることになるからです。

収集した情報を信じるかどうかを決める上では、発信者の活動内容、経験や実績などをしっかりと確認し、その上で自分の頭で考えることが必要です。あるいは、手っ取り早く信頼性の高い情報を得るためには、有料サービスを利用することも有効です。無料で配信される情報に比べれば、検証や編集に手をかけているので、信頼性を高く見積もっても良いかと思います(それでも、自分の頭で考えることは重要ですが)。

とはいえ、ますます容易に情報収集ができるようになったのは確かであり、知識や情報を「持っている」かどうかによる格差は、少しずつ縮まっていくのではないかと思います。例えば、youtubeの教育系コンテンツはここ1−2年でとても充実してきており、仕事や生活の質を向上させるための知識や情報は時間さえかければ無料でも十分に習得可能です。加えて、もう少しお金をかけて、オンラインの教材やセミナーを受講すれば、それ以上に有益な知識や情報を得ることはできます。

「情報格差」という言葉には、有益な情報にアクセスできるかどうかの「ITリテラシーの有無」を問うニュアンスが含まれていたように思いますが、以前に比べれば情報へのアクセス自体のハードルはかなり下がってきているように思います。つまり、必要な知識や情報は得ようと思えば簡単に得られる環境になっており、それどころか、必要なことはすでに「知っている」ということも十分に考えられる状況になったと言えます。

しかし、実際に仕事や生活の質を向上させるためには、知識や情報を「持っている」だけでは不十分で、それを自分の能力として発揮していく必要があります。「わかる」と「できる」の間には大きな隔たりがあります。

「能力 = 知識 × 経験」です。知ったことを実際に行動に移し、その経験から気づきや学びを得なければ、自分の能力として使えるようにはなりません。そして、情報収集が容易になった現在では、この「実際に行動に移せるかどうか」が仕事や生活における質の差を生むことになります。

自分で決めたことをやり切るのは決して容易ではありません。情報収集や知識習得(インプット)だけなら受け身の姿勢でもできてしまいますが、実際に行動に移す(アウトプット)ためには、主体性や自己管理能力、自分のモチベーションをコントロールする力が求められます。

今回はじめてclubhouseのルーム立ち上げをやりましたが、セッティングや告知、本番の回しなど、最初の1回は多少気が重かったところもあります。しかし、一度でもやってしまえば、後はやり方を工夫・改善していけば良いだけなので、2回目に対する心理的なハードルはかなり下がりました。「まったくやったことがない」のと「一度でもやったことがある」の差は大きいと言えます。

情報収集がしやすくなった分、情報量が飽和になりがちです。すぐお腹いっぱいになりますし、賢くなったような気にもなります。しかし、「わかる」と「できる」の差は大きいです。多少インプットを抑えてでも、知ったこと・学んだことを実践に移すことが大切です。気が重たくならないように、一つひとつの行動は決して大それたものである必要はなく、小さくはじめて積み上げることが有効です。0と1の差は大きく、微差が積み上がって大差になります。その習慣づけが今後の人生を大きく左右することになるでしょう。

あなたは、すでに習得した知識や情報の中から、今日何を実際に行動に移してみますか?

本日も最後まで読んでいただき、ありがとうございました。

(追伸)
やることを決め、決めたことをやる!セルフマネジメント能力向上に役立つノウハウ、テクニックの解説をyoutubeではじめました。これから徐々に動画を追加していきますので、ぜひチャンネル登録をお願いいたします!

  

投稿者プロフィール

小松 茂樹
中小企業診断士・キャリアコンサルタント。株式会社ビジネスキャリア・コンサルティング代表取締役。人材派遣会社、健康食品会社を経て、経営コンサルタントに転身。営業力強化・業務改善・生産性向上・ビジネススキル向上など幅広い範囲で、業績向上や人材育成の支援を行っている。理論的な背景と情熱的な語り口を交えた講演スタイルに定評があり、セミナーや研修で高い支持を得ている。

関連記事

  1. ​目標は大胆に、計画は緻密に(前編)

  2. 「なぜ」よりも「どうやって」を考える

  3. 【特集記事】キャリアプランとは何?企業側・社員側の背景・メリット・作り…

  4. 業務を効率化する3つの観点

  5. 人間力を構成する9つの要素3 健康

  6. 「自分の頭で考える」力を鍛える