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2014.10.8
「興味」に引き続き、「能力」の棚卸しに移ります。
実際にリストアップを行う前に、「能力」の考え方についてひとつご紹介したいことがあります。
それは、能力には
・テクニカルスキル
・ポータブルスキル
の2種類があるということです。
テクニカルスキルとは、その名の通り「技術的な能力」です。資格・免許などが典型的な例で、特定の領域でのみ通用する「専門的な技術」を指します。例えば、
・工業機械の操作
・コンピュータの操作
・弁護士や行政書士などの法律知識
・税理士やファイナンシャルプランニングなど経済知識
・医師、看護師、薬剤師などの医療知識
・楽器の演奏
・調理技術
・語学
などです。その分野に限定した勉強や訓練を積み、得た知識や技術を指します。これらは学校での専門的な教育や、職業を通じて得ることができます。
それに対し、ポータブルスキルは、読んで字のごとく「持ち運び可能な能力」です。つまり「どの領域においても発揮できる、汎用的な能力」と言えます。言わば「基本的な能力」「総合的な能力」です。特定の分野や職業に限定されずに、様々な場面において発揮することができます。
ポータブルスキルの例として、『27歳からのMBA グロービス流ビジネス基礎力10』(著:グロービス経営大学院、東洋経済新報社)で取り上げられている、10の基本的なビジネス能力をご紹介すると、
・論理思考力
・コミュニケーション力
・仮説構築力
・情報収集力
・データ・情報分析力
・次の打ち手を考える力
・プレゼンテーション力
・周囲を巻き込む力
・チームを作る力
・志を育てる力
といったものが挙げられます。
また、以前ご紹介した「ストレングス・ファインダー」の34の強みもこうしたポータブルスキルに含まれます。
こうした能力は、職業経験はもちろんのこと、趣味の活動や私生活で培うこともできます。例として私の経験をひとつご紹介します。
高校卒業からちょうど10年以上が経過した2009年に高校の同窓会を開催しました。私の学年の同窓生の数は180名弱。大々的な同窓会はそれまで開かれていなかったため、全員に連絡を発信するのすら困難な状況にありましたが、どうせやるなら「100名は集めたい」と思い、半年以上前から入念な準備を進めました。
目標は学年全体の半分以上です。転居して首都圏にいない人、小さなお子さんがいる人、土日休みでない人なども多数いることから、卒業して10年以上経ってから半分以上の人を同じ日・同じ場所に集めるのは至難の業であると、幹事をされた経験がある方はおわかりになるかもしれません。そして、1回の企画で100名を動員するというのはなかなか大変なことです。
しかし、結果として無事100名を突破することができました。これは私の人生の中で大変嬉しかったことのひとつです。振り返ってみると成功の要因は、
[目標の設定力]
・100人を集めると決める
[計画を立て、実行する力]
・半年間の行動計画を立てる
・連絡先の収集と情報発信の仕組みを作り、ルートを確保する
・進捗を管理し、こまめに関係者にフィードバックする
[周囲を巻き込む力]
・メーリングリストを作成
・SNSでコミュニティを立ち上げ
・キーパーソンに個別連絡
を発揮したからではないかと考えております。
このように職業経験に限らず、人生のあらゆる場面から「自分が能力を発揮した」と思える出来事を振り返り、自分のポータブルスキルを棚卸しすることができます。
自分が「得意だ」と思えることであれば、何でも能力と捉えていいでしょう。例えば、
・整理整頓ができる
・道に迷わない
・タクシーを捕まえるのが得意
・家電量販店での値引きが得意
・人の話に何時間でも付き合える
なども、使い方次第では立派な能力になります。これによって、他人の役に立ったり、自分に利益をもたらしたりすることもできるからです。
次回、これまでの自己分析の結果を振り返り、こうした能力の棚卸しをしていきます。