ブログ
2014.10.28
前回、目的と目標の違いについて、谷口貴彦さんの著書を引き合いにご説明しました。
大切なのは目標ではなく目的を設定すること。そして、目的を定めるためにはゴールを決めることです。目的とゴールが決まれば、目標は自ずと決まります。目標達成が時に失敗に終わるのは、目的とゴールが不明確だからではないかと、私は常々考えています。
自分自身の使命、すなわち人生の目的を考える上でも、基本的な考え方は変わりません。すなわち、
1.ゴール 「どうなりたいのか」
2.目的 「何のためにそうなりたいのか」
3.目標 「どのようにして、ゴールにたどりつくのか」
の順に決めることで、ミッションを定義し、行動計画を立て、実行に移していく。その先に、願望が実現します。
これまで自己分析で振り返ってきた自分の特徴、つまり興味・能力・価値観・役割を見つめなおすことによって、これらを明らかにしていくことができます。
例えば、ゴール「どのようになりたいのか」は興味と価値観から、目的「何のためにそうなりたいのか」は価値観と役割から、目標「どのようにして、ゴールにたどりつくのか」は能力を、それぞれ見つめなおすことによって明確にしていくことができるのです。
とは言え、人生の目的という壮大なものを決めていくのはそう簡単ではありません。やることはいたってシンプルですが、単純なことと簡単なことは異なります。膨大な時間をかけて考えて、導き出していくものです。
使命・人生の目的といったものは、何ヶ月、場合によっては何年もかけて作り上げていくものだと、私は考えています。そうでなければ、世の中は自己実現できた人たちで溢れていることでしょう。「人生に目的を抱き、それに従って生きる」ことは人生最大の贅沢であり、この上なく幸せなことだと思います。それだけに、そのスタート地点に立つにも相当な労力が必要となるのです。
自分で導き出した使命・人生の目的が、本当に自分の本心に根ざしたものであるかどうかは、「どれだけ自分自身のことを理解できているか」に比例します。自己理解が深ければ深いほど、ミッション・ステートメントは真相に近づいていくと考えてよいでしょう。
しかし、自分で「これだ!」と完璧に納得できる目的が見つかるまで自己分析を延々と繰り返していても、それを見つけることは容易ではないでしょう。なぜならば、感性は行動を重ねることによって磨かれていくからです。
頭の中でどれだけ考えていても、現実は何も動きません。現実を動かすのは、何よりも行動なのです。行動し続けることで、今の自分には見えないものがどんどん目に入るようになってきます。「本当に自分の人生の目的はこれでいいのか?」と、何度も自分に問いかけることによって、答えは少しずつ形を現してくるのです。
そのために必要なこと。それは
「とりあえず、決める」
ことです。すなわち、仮決定です。
自己分析は不十分かもしれない。他にもっとしっくりくる自分の「使命」があるかもしれない。しかし、現時点で考えられる限りの手を尽くし、ひとつの答えに辿り着いたならば、「それが自分の使命・人生の目的である」と仮決定し、実際に行動に移していくことが大切です。
実行する前から100%のものを考えることは難しいです。やっていく中で、環境は変化し、自分自身も変化していきます。そうした場合に、その都度修正を重ねていく柔軟性も問われます。完璧である必要はありません。70%くらい自分が納得できるレベルになったら、行動に移してみましょう。
まず一歩を踏み出す。そうすることで、周囲の景色が次第に変化していきます。その行動の積み重ねの先に、自分が探し求めていた本当の答え「人生の目的」が見つかるのではないか、と私は思います。